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シューマンという作曲家は、本質的にはシンフォニックというよりは、デリケートでリリックなピアノ曲と歌曲の作曲家でした。しかし彼は、ハイドン、モーツァルトからベートーヴェンが作り上げたドイツの交響曲の伝統を受け継がなければならないという、憑かれたような責任感で、必ずしも得意な分野ではなかった交響曲に取り組み、4つの交響曲を残しました。 その4曲は、楽器法や楽曲の構成において弱い部分がある、といわれながらも、音楽的な発想は実に素晴らしく、一種の奇跡のような作品なのです。 東京シティ・フィルと私は以前にも、シューマンの交響曲に取り組んだことがありますが、交響曲2曲のみ、という集中したプログラムは初めてです。今年5月に私の傘寿公演で素晴らしい演奏をしてくれたときと同じく、私と一緒に音楽することを楽しみ、コンサートマスターの戸澤さんを中心に集中して演奏してくれていますので、コンサートがとても楽しみです。 シューマン独特のパーソナルな歌が溢れ、ドイツ的なシンフォニックな伝統への愛着がそこここに表れている2曲を、深く味わっていただけるコンサートにしたいと思います。皆様のお越しを、心よりお待ちしております。 |
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飯守泰次郎 |
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飯守泰次郎です。 先月来、公演降板で皆様に大変ご心配をおかけしました。昨日11/26の愛知県立芸術大学管弦楽団第32回定期演奏会(愛知県芸術劇場コンサートホール)で、コンサート前半の2曲(ワーグナーの『ローエングリン』第3幕への前奏曲とドヴォルジャークのチェロ協奏曲、チェロ独奏:クラウス・カンギーサー氏)を十束尚宏さんに指揮していただき、私はコンサートの後半3曲、ワーグナーの『タンホイザー』序曲、『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕の前奏曲を指揮いたしました。 愛知県立芸術大学管弦楽団とは、これまでもブラームスやブルックナーを演奏してきて、今回初めて一緒にワーグナーを演奏しました。練習を積むたびに毎回素晴らしく発展していく若々しい学生の皆さんとともに音楽のエネルギーを分かち合うことができ、私にとっても大変やりがいのあるコンサートでした。 名手揃いの先生方のご指導による、たしかな土台があってこそ、全席完売のお客様とともに熱気あふれるコンサートが実現できたと思います。 私をサポートしてくださった十束尚宏さん、愛知県立芸術大学の花崎薫さんを始めとする先生方、学生の皆さんに、心から御礼を申し上げます。 引き続き養生に努め、また各地のコンサートホールで皆様にお会いしたいと思います。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 10/15 小井土文哉さんと |
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![]() ピアノ協奏曲第2番のステージリハーサル ピアノ独奏:小井土文哉さん(日立システムズホール仙台) |
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飯守泰次郎です。10月の15日と16日は仙台フィルの定期演奏会を指揮いたします。日立システムズホール仙台の改修工事が完了し、金曜日と土曜日の2回公演が戻ってまいりました。 今回はブラームスを集中してお楽しみいただけるプログラムで、コンサートの前半はソリストに小井土文哉さんをお迎えしてピアノ協奏曲第2番、後半は交響曲第2番を演奏いたします。 2018年に仙台フィルの常任指揮者に就任してから、ベートーヴェンの全交響曲を中心に、ロマン派以降の豊かな交響曲の歴史をともに歩み、現在はブラームスの全交響曲を順に取り上げております。 今回演奏する第2番は、もはや説明の必要もないほど人気のある名交響曲であり、第1番を書き上げて重圧から解放されたブラームスが、こんどは全曲のすべてが自然現象ともいえるような美しい音楽を書いたのです。 コンサートの前半に演奏するピアノ協奏曲第2番は、協奏曲とはいっても交響曲に匹敵する大規模な作品で、ソリストには超絶なヴィルトオーゾ的技巧が要求されます。ソリストの小井土さんは、この難曲を若々しく瑞々しいアプローチで演奏してくださっていますので、私もコンサートがとても楽しみです。 皆様のお越しを、秋の色が深まる森に近い日立システムズホールでお待ちしております。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 81歳になりました |
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![]() 写真左:テラスにて / 写真右:書庫はまだ引っ越し中です |
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![]() 「ラインの河辺に薪を積み上げて」…ではなく、薪ストーヴ用に丸太を割っていただきました |
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飯守泰次郎です。 おかげさまで本日、無事に81歳の誕生日を迎えることができました。いつも応援し支えてくださる皆様、共に音楽を作ってくださる演奏家の皆様、このページをご覧くださるすべての皆様に、心から御礼を申し上げます。 節目の80歳を迎えた今年の夏から、東京と八ヶ岳の2拠点生活を始めました。以前からこのホームページにも時々登場していた八ヶ岳の小屋は、階段が急で動きづらく感じられてきたこともあり、今回はバリアフリーで、東京の自宅に溢れている楽譜やCDも収めることができる書庫のある家を建てました。 東京と八ヶ岳は車で2時間ちょっとで行き来でき、リモートワークで2拠点生活あるいは移住してくる方々もさらに増えています。 八ヶ岳の麓の気候や自然豊かな住環境は、かつて暮らしていたヨーロッパとよく似ています。きれいな空気の中で、さえずる鳥たちの姿を探しながら林を散歩し、近くの畑で豊かに収穫される新鮮な季節の野菜や地元の食材で心身を養うことができ、じつに健康的な生活です。 81歳を迎えて現役で仕事を続けられていることに、感謝の念を新たにしております。時々、「指揮をしているとき若返っているように見える」と言われることがあって驚くのですが、もしもそう見えるとしたら、それは音楽を通して作曲家からエネルギーを与えられているからです。そのエネルギーを聴衆の皆様にお伝えすることこそ、いままでもこれからも私の喜びです。このホームページのConcertコーナーもご覧いただき、ぜひホールにお越しくださいますよう、心よりお待ちしております。 |
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![]() 散歩道からの富士山の夕景 |
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飯守泰次郎 |
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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が8/23〜10/21の期間、「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」と題してクラウドファンディングを実施中です。 おかげさまで期間半ばで第一目標額を達成でき、ご支援くださる皆様に深く御礼を申し上げます。引き続き NEXT GOAL 2000万円を目標として継続するにあたり、私もメッセージを寄せましたので、ホームページをご覧いただく皆様にもすぐお読みいただけるよう以下に掲載いたします。 *** 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎です。このたび、東京シティ・フィル「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」クラウドファンディングに、開始早々より多くのご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。 世界中のオーケストラ、オペラハウスが長期にわたり活動を厳しく制約されている中でも特に、自主運営である東京シティ・フィルは大変な苦境に追い込まれておりますが、たゆまず精力的に演奏を続けております。 本年5月16日には、私の傘寿を記念する特別公演としてコロナ禍以前から企画されていたワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライトを、数々の困難を乗り越えて実現にこぎつけました。世界最高のワーグナー歌手陣を招聘し、販売可能な座席はすべて完売、という熱気に包まれて開催できたこの公演は、まさに東京シティ・フィルのエネルギーが呼び起こした奇跡でした。 約四半世紀前に東京シティ・フィルに出会って以来、私自身このオーケストラに魅了され、以降長く共に歩んでまいりました。先日発売のCD「ブルックナー交響曲選集」、12月から始まる「シューマン交響曲ツィクルス」で、ぜひ私たちが積み重ねてきた音楽を聴いていただき、これからも皆様と共に、聴く側も演奏する側も一体となって、自分の感覚を信じ自由に音楽を体験できることを常に願っております。皆様のより一層のご支援を、心よりお願い申し上げます。 桂冠名誉指揮者 飯守泰次郎 *** |
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飯守泰次郎 |
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![]() 左から 梅津時比古学長、宗次徳二氏、小川恭子さん、私、秋山和慶くん |
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![]() リハーサル後に写真撮影 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 終演後に 左から 与那城敬さん、池田香織さん、私の右が田崎尚美さん、宮里直樹さん、合唱指揮の横田琢哉さん |
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飯守泰次郎 |
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![]() (C)読売日本交響楽団
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![]() (C)読売日本交響楽団
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![]() (C)読売日本交響楽団
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![]() (C)読売日本交響楽団
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飯守泰次郎 |
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![]() ブルックナー 交響曲第7番(6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra) |
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![]() ブルックナー 交響曲第7番(6/27 ミューザ川崎シンフォニーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra) |
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![]() ブルックナー (6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra) |
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![]() 支えてくださったコンサートマスターの水谷晃さんと思わず肩を組んで |
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![]() カーテンコールにお応えして(6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra) |
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飯守泰次郎です。6/26はサントリーホール、6/27はミューザ川崎シンフォニーホールで、東京交響楽団の定期演奏会を指揮いたします。前半はカール・ライネッケのハープ協奏曲、後半はブルックナーの交響曲第7番、というプログラムです。 ライネッケは、ブルックナーと同い年(1824年生まれ)のドイツの作曲家で、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」初演を指揮するなど、当時はたいそう活躍した人です。今回演奏するハープ協奏曲は、ホ短調で始まり、第3楽章の最後はホ長調で終わる、美しく、そして聴きやすい作品です。独奏の吉野直子さんはまさにヴェテランであるのみならず、日本を代表する音楽家の一人で、今回ご一緒できて大変嬉しく思います。 ブルックナーはとにかく長くて重厚、と思われがちであり、実際に今回演奏する交響曲第7番も1時間10分を超える長い曲です。 しかし彼の音楽の内容はまさに、時間を忘れる美しさ、奥深さを持っています。終生、カトリックの深い信仰を持っていた彼にとって、巨大な交響曲を作曲することは神との対話であり、祈りそのものだった、と私は思っています。 特に第7番は、「至福の愛」の調性であるホ長調で、まさに愛に満ちた作品です。 第1楽章冒頭のホルンとチェロの上行していくテーマは、まさに天にのぼっていくようです。第2楽章は、敬愛したワーグナーがこの世を去っていく恐怖、そしてついに訃報を受け取った深い喪失感の中で書かれ、「なぜだ!」という葬送の深い悲しみと、天国的なゆったりした3拍子の中間部、まさにこれも信仰と確信の音楽というほかありません。 第3楽章は「聖なる野人」といわれた彼ならではの野性味あふれる円熟したスケルツォで、牧歌的なトリオ(中間部)とのコントラストも見事です。フィナーレは再びホ長調で、彼の無邪気な心が躍動するように始まります。 現代の私たちの多くは都会人ですが、ブルックナーは例えるならば「森の種族」、ごく単純で自然な心で演奏することが求められます。一番大事なことはオーケストラ全体の響きであり、オーケストラ全員が一つの楽器になることです。東京交響楽団の皆さんが非常に熱心に、かつ好奇心をもって一緒に音楽してくださっていて、コンサートが楽しみです。 ブルックナーの交響曲は、広大な自然そのものです。特にこの第7番を演奏するとき私はいつも、人間が天上に向かう、それは愛の力だという気持ちになるのです。宇宙に漂う約70分、ゆったりと身を任せていただければと思います。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() ソリストの皆さんと〜マスクを外したのはこの時だけでした |
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![]() 今回アシスタントを務めてくださった松本宗利音さんと |
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![]() 門真市民文化会館ルミエールホールからのリハーサル配信(6/16) |
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飯守泰次郎 |
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![]() 序曲「1812年」のステージリハーサル |
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飯守泰次郎です。 明日6/12は仙台フィルの定期演奏会で、チャイコフスキーの作品2曲のみ、という集中したプログラムを指揮いたします。 仙台フィルの常任指揮者に就任してから3年間、ベートーヴェンの交響曲を柱に、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルジャークなども取り上げてまいりました。そして現在は、ブラームスの全交響曲と、並行してチャイコフスキー後期交響曲(第4、5、6番)という2つのシリーズに取り組んでおります。 今回はチャイコフスキーの交響曲第5番をメインに据え、コンサートの前半に序曲「1812年」という、大変力のこもったプログラムです。 序曲「1812年」は、わかりやすく盛り上がる名曲として人気がある一方、チャイコフスキーがこの音楽を通して描いた人間社会の恐ろしさ、失われた故郷や人々への哀惜、といった作品の本質に到達することはけして容易ではありません。しかし言い換えれば、この作品は「それでも立ち上がる人間のエネルギー」を私たちに示している、といえるのかもしれません。 チャイコフスキーの交響曲第5番も、いまさら私が説明する必要もないほど、ロシアの歴史と自然、民族性などが交響曲の形式で見事に表現されています。私も、指揮するたびに特にのめりこんでしまう作品なのです。 今回の定期演奏会も、仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートです。皆様をコンサートホールでお待ちしております。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() カーテンコール直後 私の右から ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、妻屋秀和さん、高橋淳さん、その手前が金子美香さん、中島郁子さん、増田のり子さん、一番手前がトマス・コニエチュニーさん |
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![]() 最前列 トマス・コニエチュニーさん、私の左が増田のり子さん、右が金子美香さん、中島郁子さん、後列左から今尾滋さん(ジークフリート役カヴァー)、池田香織さん(ブリュンヒルデ役カヴァー)、妻屋秀和さん、ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、高橋淳さん |
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厳しい社会状況の中、このコンサートがほぼ当初の企画通りのかたちで開催できたのはまさに奇跡というほかありません。 支えてくださったすべての方々に、感謝しております。 特に、東京シティ・フィルと私が「オーケストラル・オペラ」の公演を積み重ねてきた東京文化会館で、実際にお客様をお迎えして演奏できたことは、どんなに言葉を尽くしても足りないほど嬉しいことでした。 クラシック音楽の中でも特にオペラは、お客様と舞台との生き生きしたコミュニケーションが大事であることを、改めて感じました。 演奏時間だけでもゆうに3時間を超える巨大なプログラムで、オーケストラの編成もワーグナーのオリジナルに従い巨大な編成でしたが、緊急事態宣言下にもかかわらず、予定した曲目を短縮することなくすべて当初の選曲通りに演奏できたことも、まさに奇跡でした。 この長く重厚なプログラムの約4時間半、東京シティ・フィルは、集中力が途切れることなく、それどころかプログラムが進むにつれてさらに没入し、素晴らしい演奏をしてくれました。以前にオーケストラル・オペラで『指環』を演奏した頃とはメンバーも大きく入れ替わっていますが、経験豊かな団員はもとより、ワーグナーの楽劇に本格的に取り組むのは初めての奏者も、ともに並々ならぬ覚悟を共有して固く結束して臨んでくれたことが、音楽として実を結んだ手ごたえがありました。 『神々の黄昏』のハイライトでは、このコンサートのために結成されて藤丸崇浩さんの合唱指揮でリハーサルを積んだ「ワーグナー特別演奏会合唱団」の皆さんが、『指環』で初めて合唱が登場するギービヒ家の場面を、マスク着用にもかかわらず力強く歌ってくださいました。同じく『黄昏』の「夜明けとジークフリートのラインの旅」では、バンダ(舞台裏)のホルン・ソロを松坂隼さんがいかにもジークフリートらしい勢いで見事に演奏してくださいました。 カメラマンの三浦興一さんが撮影してくださった写真を中心に、コンサートの様子をお伝えいたします。 (下に続く) | ||||||||||
![]() 開演前と休憩時のファンファーレ〜東京シティ・フィルの金管奏者の皆さん (c)K.Miura |
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![]() 『神々の黄昏』第2幕第5場”復讐の三重唱” 演奏後 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん)、ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩さん) (c)K.Miura |
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![]() カーテンコール中、突然 Happy Birthdayが始まってびっくり! (c)K.Miura |
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![]() 熱い拍手に応えて (c)K.Miura |
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![]() 巨大なバラの花束のプレゼンターは何とブリュンヒルデ! (c)K.Miura |
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(下に続く) |
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![]() たくさんの拍手どうもありがとうございます (c)K.Miura |
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![]() ソリスト陣と (c)K.Miura |
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![]() このコンサートの実現に力強いご支援をくださった森静子様、森雅克様と招聘歌手陣、長丁場を支えてくださった私の信頼するコンサートマスターの戸澤哲夫さんと (c)K.Miura |
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私はそのときちょうど大阪に滞在していて、激しい雷雨があったのですが、雷が鳴り嵐が去った後、天空にまたがる大きな虹を見ました。まさに『ラインの黄金』で神々がヴァルハラ城に入城するときに渡る虹の架け橋そのもので、私はこの瞬間、招聘歌手はきっと来日できる、と確信しました。 数日後、文化庁から東京シティ・フィルに連絡が入り、招聘歌手陣のヴィザが発給されることが確定しました。 14日間の待機とリハーサルの期間から逆算したギリギリの出国予定日の3日前のことでした。このコンサートを守ってくださった皆様に、ぜひこの虹をお届けしたいと思います。 改めて、公演当日のプログラム冊子に掲載された私のご挨拶を、以下に掲載いたします。 |
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飯守泰次郎 |
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東京シティ・フィルからもお知らせのとおり、本日は開演前と休憩時に、金管セクションの奏者が舞台上でファンファーレを演奏いたします。今回は特別にバイロイト祝祭劇場からファンファーレ用の楽譜をお借りしております。
ファンファーレ演奏スケジュール(大ホール舞台上にて): ◆開演前(30分前、20分前、10分前の3回) ファンファーレ演奏:序夜『ラインの黄金』より ◆休憩1回目(開演10分前) ファンファーレ演奏:第2日『ジークフリート』より ◆休憩2回目(開演10分前) ファンファーレ演奏:第3日『神々の黄昏』より |
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飯守泰次郎 |
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飯守泰次郎です。いよいよ明日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会を迎えます。予定通り東京文化会館での公演が実現できることに、心から感謝しております。 明日演奏するプログラムについて、演奏順にしたがって、舞台リハーサルの写真も交えながら簡単に曲目をご紹介します。 まず四部作の冒頭『ラインの黄金』の第1場をカットなしでまるごと、演奏いたします。ラインの乙女たち(増田のり子さん、金子美香さん、中島郁子さん)が「ヴァイア!ヴァーガ!」と楽しげに歌います。彼女たちはニーベルング族のこびとアルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)をさんざんにからかううちに、”愛を断念してラインの黄金から指環を作れば世界が支配できる”という重大な秘密をしゃべってしまい、アルベリヒは黄金を強奪して去っていきます。 |
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![]() 「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女(左から 中島郁子さん、金子美香さん、増田のり子さん)、アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() 「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん) |
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ジークフリート(シュテファン・グールドさん)が英雄として最初の奇跡を起こして剣ノートゥングを鍛え直す「鍛冶の歌“ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!”」〜第1幕の幕切れまで、一気におきかせします。狡猾で嫌らしくて危険な存在ながら哀れな役どころのミーメ(高橋淳さん)にもご注目ください。 |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とさすらい人(トマス・コニエチュニーさん) |
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いよいよ、ジークフリートの接吻でブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)が長い眠りから目覚め、「太陽に祝福を!光に祝福を!」と目覚めの喜びを歌います。神性を失ったブリュンヒルデが、彼の激しい求愛を受けて変化していきます。この楽劇『ジークフリート』の幕切れの場面こそ、四部作における幸福と勝利の絶頂なのです。 |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん) |
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2回目の休憩の後は、『神々の黄昏』から5曲です。まず管弦楽で序幕の「夜明けとジークフリートのラインの旅」に、エンディングとして第1幕の幕切れの激しい音楽につなげて演奏します。 指環を狙う恐ろしいハーゲン(妻屋秀和さん)が登場し、ギービヒ家の家臣(ワーグナー特別演奏会合唱団/合唱指揮:藤丸崇浩さん)を招集する「ホイホー!」で始まる第2幕第3場をまるごと、そして第4場冒頭「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」まで、男声の圧倒的な迫力がホールを埋めつくします。 |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第3場 ハーゲン(妻屋秀和さん)とギービヒ家の家臣たち(ワーグナー特別演奏会合唱団) |
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復讐の三重唱「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?」で始まる第2幕第5場をまるごとお聴きいただけるのも、今回のハイライトの目玉の一つです。 |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第5場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とハーゲン、グンター |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン、グンター、家臣たち |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)の絶唱 |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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飯守泰次郎 |
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![]() 「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女たち〜左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん) |
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![]() 「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() ハープ4台の大活躍にもご期待ください |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第1場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とミーメ(高橋淳さん) |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団〜手前の奏者が吹いている昔風の管楽器はシュティーアホルン |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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飯守泰次郎 |
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![]() 「ラインの黄金」第1場 左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん) アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() 「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん) |
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「ジークフリート」第1幕第3場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん) ミーメ(高橋淳さん) |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団 |
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![]() 「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第2場「ジークフリートの死」〜ジークフリート、ハーゲン、グンター |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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飯守泰次郎 |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん) |
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![]() 「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん) |
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![]() 「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん) |
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![]() 「ワルキューレの騎行」 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 『神々の黄昏』の音楽稽古〜ハーゲン役・妻屋秀和さんと特別合唱団の皆さん |
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飯守泰次郎 |
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![]() 関西フィルとシベリウス:交響曲第2番のリハーサル |
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飯守泰次郎 |
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![]() ラインの乙女たち 左から中島郁子さん(フロースヒルデ)、金子美香さん(ヴェルグンデ)、増田のり子さん(ヴォークリンデ) |
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コロナ禍で世界が激動する現在、『ニーベルングの指環』の内容はこれまで以上に切実に私たちに訴えかけてきます。 人類の先行きが見えない今こそまさに、ぜひ一人でも多くの方に『指環』の世界を体験していただきたいのです。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 特殊楽器の配置なども細かく打ち合わせ |
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以来約十数年ぶりに今回、私の傘寿を記念する特別演奏会ということで、世界最高のワーグナー歌手陣を招いて『指環』のハイライトを演奏することになりました。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールでベートーヴェン交響曲第1番のゲネプロ中 |
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飯守泰次郎です。仙台フィルの定期演奏会(2/13)のため、仙台に滞在しております。 今回のコンサートではまず、没後25年を迎える武満徹さんの代表作「弦楽のためのレクイエム」を演奏致します。 武満さんの作品がいまも広く愛され、世界各国で演奏され続けているのは、最新の手法や自分の個性を前面に打ち出す現代音楽ではなく、 ひたすら彼自身の内面を通して自然・宇宙というようなものを発信するかのように自然に書かれた音楽だからではないか、と私は感じます。 「弦楽のためのレクイエム」も、折に触れて演奏してきた大好きな作品です。 2曲目は、仙台フィルの常任指揮者就任以来、継続して柱として取り組んでいるベートーヴェンの交響曲で、今回は第1番です。 ハイドン、モーツァルトが確立した古典派の交響曲の伝統の枠組みの中で、すでにまぎれもないベートーヴェンらしさが表れている野心作です。 コンサートの後半は、仙台フィルとの新たな「チャイコフスキー後期交響曲シリーズ」の初回として第6番「悲愴」を演奏します。 いうまでもなくチャイコフスキーは、ロシアの交響曲を確立した作曲家であり、その音楽の内容はロシアの厳しい自然と悲劇的な民族の歴史と深く結びついているのです。 日立システムズホール仙台が改修工事中とのことで、今回の定期演奏会は仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートとなります。 コロナ禍の中で演奏会にお越しくださる皆様の安全をお祈りしながら、ホールでお目にかかれることを楽しみにしております。 |
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飯守泰次郎 |
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飯守泰次郎です。3月の新国立劇場『ワルキューレ』を降板することになり、皆様にご心配をお掛けしております。 昨年12月に急性胆嚢炎の手術を受け、退院後はリハビリテーションに努め、おかげさまで1月に予定されていた4公演を無事に終えることができました。 しかし、公演時間5時間半を要するワーグナー楽劇全曲となると、要求される体力はフルマラソンにも匹敵する苛酷さとなります。 さらに今回の『ワルキューレ』は5回公演という規模の大きさであり、ドクターとも相談を重ねた結果、大変残念ながら、手術後の私の現在の体力を考慮し降板させていただくこととなりました。 公演を楽しみにしてくださっている皆様のご期待に応えることができず大変申し訳ありませんが、またコンサートでお会いする日を心より楽しみにしております。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() ショパンのピアノ協奏曲終演後に亀井聖矢さんと |
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プログラムは、まずモーツァルトの「劇場支配人」序曲、次にショパンのピアノ協奏曲第1番でソリストに亀井聖矢さんをお迎えし、コンサート後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。 「劇場支配人」序曲は、曲名だけだとあまり知られていない印象があるかもしれませんが、実際にお聴きになると意外と耳になじみのある曲ではないかと思います。モーツァルトのハ長調らしい生き生きとした、コンサートの幕あけにぴったりの小品です。 ショパンのピアノ協奏曲第1番は、押しも押されぬ最高のピアノ協奏曲です。 ソリストの亀井聖矢さんが、今年20歳という若さでこの難曲をここまで自由自在に弾きこなしていらっしゃるのは、とても素晴らしいことです。 この作品は、まさにショパンが20歳の時に作曲されて作曲者自身の独奏で初演されました。同じ年ごろの亀井さんのフレッシュな演奏に私もおおいに刺激を受けており、コンサートがとても楽しみです。 チャイコフスキーの交響曲第5番は、冒頭に提示されるホ短調の「運命の動機」が、第2楽章にも、第3楽章の優雅なワルツにも現れ、第4楽章ではホ長調に転じて最後は熱狂的に閉じられます。 私は、約15年間にわたって東京シティ・フィルの常任指揮者を務めた最後のシーズン(2011〜12)に、チャイコフスキーの交響曲全曲チクルスを行い、ライヴCDが交響曲全集として発売されるなど大変ご好評いただきました。 気づけばもう10年になりますが、いわゆる華やかで聴きばえのする名曲として演奏するのではなく、ロシアの悲劇的な歴史と北国の厳しい自然環境から生み出されたチャイコフスキーの音楽のロシア的な本質に肉薄したい、という思いをさらに追求し、連日のリハーサルを重ねてまいりました。 コンサートマスターの戸澤哲夫さんを中心に、私の音楽を全身で体現してくださる東京シティ・フィルとのチャイコフスキーに、どうぞご期待ください。 |
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飯守泰次郎 |
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![]() 1/23 コンサート終演直後に 池田香織さん、ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんと |
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![]() クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ |
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飯守泰次郎です。第58回大阪国際フェスティバル2020・関西フィルハーモニー管弦楽団創立50周年記念「ワーグナー特別演奏会」が、 いよいよ今週末1/23土曜日に迫ってまいりました。 会場はザ・シンフォニーホールです。
この演奏会は、昨年の5月に予定されていた『ニーベルングの指環』ハイライト(演奏会形式)の代替公演です。 企画当初は想像もしなかった多くの困難を一つ一つ乗り越えてきました。 私が桂冠名誉指揮者を務める関西フィルと20年以上一緒に共演して培ってきた音楽、 特にドイツ・ロマン派のオペラの演奏会式上演で積み重ねてきた成果を、ワーグナーに集中したプログラムでお楽しみいただく、 という核心を貫いて実現にこぎつけたコンサートです。 プログラム前半は、『タンホイザー』から序曲、“歌の殿堂のアリア”、“夕星の歌”、そして『トリスタンとイゾルデ』から前奏曲と“愛の死”、の4曲です。 後半は「ニーベルングの指環」から4つの名場面を選び抜き、『ワルキューレ』から“ワルキューレの騎行”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”、 『神々の黄昏』から“ジークフリートの葬送行進曲”と“ブリュンヒルデの自己犠牲”をお送りします。
“夕星の歌”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”を歌ってくださる ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんは、このコンサートに何としても出演する、 という強い意志のもと、予定されたスケジュールを前倒して所定の隔離期間を受け入れて来日してくださっています。 こちらに力強いメッセージを寄せてくださっていますので、ぜひご覧ください。 “歌の殿堂のアリア”、イゾルデの“愛の死”、“ブリュンヒルデの自己犠牲”を歌ってくださる池田香織さんは、 日本のワーグナー上演を支える代表的な歌手の一人です。 彼女のキャリアの初期から長年ご一緒してきて、まさに円熟の時を迎えている今、 これまでの表現をさらに深めた歌唱を聴かせてくださることを期待しています。
引き続き、関西フィルとのリハーサルの様子なども、お伝えしていればと思います。 (*1/23追記)おかげさまでこのコンサートは前売券は完売し、僅少ながら当日券が販売されるとのことです。詳細は関西フィルのSNSでのご案内をご覧ください。 この演奏会がやっと実現でき、嬉しいかぎりです。今回もご来場くださる皆様の安全と願うとともに、様々なご事情でお越しになれない皆様にも心を寄せながら演奏いたします。 |
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飯守泰次郎 |
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飯守泰次郎です。 本日1/17は新交響楽団とのコンサートで、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲を指揮いたします。 「わが祖国」の中では2曲目の「ヴルタヴァ」(モルダウ)が特によく演奏されますが、近年は、6曲あるこの大作が全曲演奏される機会も増えてきたように思います。 この1つの作品で、スメタナが生まれたボヘミアの歴史と自然、民族のすべてが表現し尽くされている、といっても過言ではありません。 プラハ市街を望む“ヴィシェフラド”(高い城)を象徴するモティーフが、示導動機のように全曲に統一感を与え、民族を超えてだれもが心打たれる圧倒的な名曲です。 新響とはもう30年近いお付き合いになります。 昨年の7月にはブルックナーの序曲ト短調、「ヘルゴラント」、交響曲第9番という徹底したプログラムのコンサートを予定していましたが、コロナ禍で中止となりました。 今回は昨年の12月から私とのリハーサルも長い期間をかけて準備してきましたので、厳しい状況の中ではありますがコンサートが実現できることを嬉しく思います。 様々なご事情で東京芸術劇場までお越しになれないお客様にも思いを寄せながら、演奏したいと思います。 ご来場くださるお客様、どうかくれぐれもお気を付けてお越しください |
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飯守泰次郎 |
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![]() 新年にふさわしい華やかな「皇帝」を演奏してくださった小川典子さんと |
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![]() 東京都交響楽団コンサートマスターの山本友重さんと |
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昨年は公演降板で大変ご心配をおかけしました。お蔭様で私は先月上旬に急性胆嚢炎の手術が無事に終わり、以降慎重にリハビリに努めてまいりました。 明日1/3は、東京文化会館《響の森》「ニューイヤーコンサート」で東京都交響楽団を指揮いたします。 前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、 後半はワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より 第1幕への前奏曲と 歌劇『タンホイザー』序曲 、というプログラムです。 「皇帝」では、小川典子さんと初めて共演します。 小川さんは国際的に長く活躍していらっしゃる、文字通り日本を代表するピアニストで、レパートリーも幅広いので、「皇帝」でどんな表現をしてくださるか、とても楽しみです。 都響は歴史的にマーラー、ブルックナーをはじめ、シンフォニー・オーケストラの大曲の経験が豊かで、ワーグナーを余裕をもって演奏できる優秀なオーケストラです。 すでに何度もワーグナー作品でもご一緒しており、『ニーベルングの指環』の抜粋などのライヴが2枚のCDになって、大変ご好評をいただいています。 世界的にも演奏機会が激減しているであろうワーグナーをお聴かせできる喜びを、新たにしております。 今年はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートも無観客で行われたほどの未曾有の状況での幕開けとなりました。 それだけに明日、私が若い頃から数え切れないほど演奏してきている東京文化会館に、お客様をお迎えしてニューイヤーコンサートをお楽しみいただけることは、 まさにかけがえのないことだと思います。 ホールからのご案内も改めてご確認のうえ、どうかご無理のないようにお気を付けてお越しいただき、皆様とお目にかかれますように願っております。 |
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飯守泰次郎 |
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