メッセージ:2021年1月〜  

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関西フィルハーモニー管弦楽団 第320回定期演奏会
ドヴォルザーク「スターバト・マーテル」
(2021/6/18)によせて
−飯守泰次郎−

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ソリストの皆さんと
ソリストの皆さんと〜マスクを外したのはこの時だけでした
 

松本シューリヒトさんと
今回アシスタントを務めてくださった松本宗利音さんと
 

リハーサル配信
門真市民文化会館ルミエールホールからのリハーサル配信(6/16)
 


飯守泰次郎です。6/18は関西フィルの定期演奏会で、ドヴォルジャークの「スターバト・マーテル」(嘆き悲しむ聖母)を指揮いたします。ソリストにはソプラノ老田裕子さん、アルト八木寿子さん、テノールは関西フィルハーモニー合唱団の指導もしてくださっている畑儀文さん、そしてバリトン与那城敬さんをお迎えしています。

数多くの名曲で知られているドヴォルザークですが、彼の作品の中でもこの「スターバト・マーテル」は特別です。信仰深いクリスチャンだったドヴォルザークは、十字架にかけられた我が子の足元で嘆き悲しむ聖母マリアに寄せたラテン語のテキストに、全10曲、約1時間半を要する、大規模な音楽を書きました。

この作品の作曲中、彼は幼い3人の子を次々に失い、聖母マリアの悲しみと彼自身の悲しみが重なって表現されている、と感じずにはいられません。4人のソリストと合唱とオーケストラは、様々な組み合わせ、調性と拍子で、嘆き、苦しみ、痛みをひたすらに描き尽くします。
限りなく悲しいけれどもこの上なく美しい音楽が私たちを慰め、万人の罪を引き受けて十字架にかけられた救世主への感謝、そして救済という希望を与えてくれるのです。

関西フィルは今春、本拠地を大阪の門真市に移転しました。今回のコンサートに向けて、門真市民文化会館ルミエールホールで行われた昨日6/16と本日6/17のリハーサルの一部が全国に無料ライヴ配信されたのを始め、門真市職員の方の発案で「ホームタウンサポーター制度」が創設されるなど、市をあげて関西フィルを心強くサポートしてくださっています。

厳しいコロナ禍の中で特に関西はコンサートの中止も相次いでいましたが、明日はザ・シンフォニーホールでお客様をお迎えして公演を開催できることになり、すでにチケットも全席完売しているとのことで、ご来場くださる皆様の安全を願い、様々なご事情で来場が叶わない方にも心を寄せて演奏したいと思います。

***6/18コンサートを終えて***

おかげさまで、独唱、合唱団入りの大曲を無事終えることができました。ソリストの皆さんも合唱団もマスクを付けての歌唱という、大変な困難な条件を乗り越え、集中して演奏してくださいました。
ソーシャル・ディスタンスを考慮した配置を試行錯誤しながら、限られた時間でリハーサルを進めていくにあたっては、今回アシスタントを務めてくださった若い優秀な指揮者、松本宗利音(シューリヒト)さんが大活躍してくださり、感謝しています。
関西フィルとの次の演奏会は、10年越しのブルックナー全交響曲チクルスをしめくくる「00番+0番」(第326回定期演奏会 2022/3/25 ザ・シンフォニーホール)です。どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第346
回定期演奏会(2021/6/12)によせて
−飯守泰次郎−

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序曲「1812年」のステージリハーサル
序曲「1812年」のステージリハーサル
 

飯守泰次郎です。 明日6/12は仙台フィルの定期演奏会で、チャイコフスキーの作品2曲のみ、という集中したプログラムを指揮いたします。

仙台フィルの常任指揮者に就任してから3年間、ベートーヴェンの交響曲を柱に、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルジャークなども取り上げてまいりました。そして現在は、ブラームスの全交響曲と、並行してチャイコフスキー後期交響曲(第4、5、6番)という2つのシリーズに取り組んでおります。
今回はチャイコフスキーの交響曲第5番をメインに据え、コンサートの前半に序曲「1812年」という、大変力のこもったプログラムです。

序曲「1812年」は、わかりやすく盛り上がる名曲として人気がある一方、チャイコフスキーがこの音楽を通して描いた人間社会の恐ろしさ、失われた故郷や人々への哀惜、といった作品の本質に到達することはけして容易ではありません。しかし言い換えれば、この作品は「それでも立ち上がる人間のエネルギー」を私たちに示している、といえるのかもしれません。

チャイコフスキーの交響曲第5番も、いまさら私が説明する必要もないほど、ロシアの歴史と自然、民族性などが交響曲の形式で見事に表現されています。私も、指揮するたびに特にのめりこんでしまう作品なのです。

今回の定期演奏会も、仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートです。皆様をコンサートホールでお待ちしております。
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)
を終えて
−飯守泰次郎−

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カーテンコール直後 ワーグナー歌手陣とともに
カーテンコール直後 私の右から ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、妻屋秀和さん、高橋淳さん、その手前が金子美香さん、中島郁子さん、増田のり子さん、一番手前がトマス・コニエチュニーさん
 

ソリストとカヴァー歌手の方々と
最前列 トマス・コニエチュニーさん、私の左が増田のり子さん、右が金子美香さん、中島郁子さん、後列左から今尾滋さん(ジークフリート役カヴァー)、池田香織さん(ブリュンヒルデ役カヴァー)、妻屋秀和さん、ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、高橋淳さん
 

演奏中の写真
(c)K.Miura

飯守泰次郎です。皆様のお力に支えられて、東京シティ・フィル『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会を5/16に終えることができました。

厳しい社会状況の中、このコンサートがほぼ当初の企画通りのかたちで開催できたのはまさに奇跡というほかありません。 支えてくださったすべての方々に、感謝しております。

特に、東京シティ・フィルと私が「オーケストラル・オペラ」の公演を積み重ねてきた東京文化会館で、実際にお客様をお迎えして演奏できたことは、どんなに言葉を尽くしても足りないほど嬉しいことでした。
クラシック音楽の中でも特にオペラは、お客様と舞台との生き生きしたコミュニケーションが大事であることを、改めて感じました。

演奏時間だけでもゆうに3時間を超える巨大なプログラムで、オーケストラの編成もワーグナーのオリジナルに従い巨大な編成でしたが、緊急事態宣言下にもかかわらず、予定した曲目を短縮することなくすべて当初の選曲通りに演奏できたことも、まさに奇跡でした。

この長く重厚なプログラムの約4時間半、東京シティ・フィルは、集中力が途切れることなく、それどころかプログラムが進むにつれてさらに没入し、素晴らしい演奏をしてくれました。以前にオーケストラル・オペラで『指環』を演奏した頃とはメンバーも大きく入れ替わっていますが、経験豊かな団員はもとより、ワーグナーの楽劇に本格的に取り組むのは初めての奏者も、ともに並々ならぬ覚悟を共有して固く結束して臨んでくれたことが、音楽として実を結んだ手ごたえがありました。

『神々の黄昏』のハイライトでは、このコンサートのために結成されて藤丸崇浩さんの合唱指揮でリハーサルを積んだ「ワーグナー特別演奏会合唱団」の皆さんが、『指環』で初めて合唱が登場するギービヒ家の場面を、マスク着用にもかかわらず力強く歌ってくださいました。同じく『黄昏』の「夜明けとジークフリートのラインの旅」では、バンダ(舞台裏)のホルン・ソロを松坂隼さんがいかにもジークフリートらしい勢いで見事に演奏してくださいました。

カメラマンの三浦興一さんが撮影してくださった写真を中心に、コンサートの様子をお伝えいたします。

(下に続く)
 

”ファンファーレ隊” 演奏後
開演前と休憩時のファンファーレ〜東京シティ・フィルの金管奏者の皆さん (c)K.Miura
 


開演前に3回、2回の30分休憩時にそれぞれ1回の計5回、東京シティ・フィルの金管奏者の皆さんが、『指環』から私が選んだライトモティーフ(示導動機)を演奏して華やかさを添え、お客様にも大変好評でした。写真は「ラインの黄金」のライトモティーフを吹いているところです。ちなみに最初の休憩では「ジークフリート」のライトモティーフを、2回目の休憩では「結婚式の呼びかけ」のライトモティーフを演奏しました。ファンファーレ用の楽譜は特別にバイロイト祝祭劇場にご協力いただきました。

(下に続く)

 

”復讐の三重唱” 演奏後
『神々の黄昏』第2幕第5場”復讐の三重唱” 演奏後 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん)、ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩さん) (c)K.Miura
 

ハッピーバースデー
カーテンコール中、突然 Happy Birthdayが始まってびっくり!  (c)K.Miura
 


終演後のカーテンコール中、サプライズで突然、歌手陣と男声コーラスを交え、まるでワーグナーのような重厚な響きで「ハッピーバースデー」が始まり、大変驚き、感激しました。

 

拍手に応えて
熱い拍手に応えて  (c)K.Miura
 

花束をいただきました
巨大なバラの花束のプレゼンターは何とブリュンヒルデ!  (c)K.Miura
 


80本のハート型の真紅のバラ
80本のハート型のバラ

「ハッピーバースデー」の後、ダニエラ・ケーラーさんがプレゼンターで巨大な花束をいただき、さらに驚きました。80歳になってブリュンヒルデから80本もの真紅のバラを贈られるとは想像もせず、いざ受け取ってみるとあまりの重さにいっそうびっくりしました。しかもこの花束は、ご覧の通りハート型でした!

(下に続く)

 

ソロ・カーテンコール
たくさんの拍手どうもありがとうございます   (c)K.Miura
 

ソリスト陣と
ソリスト陣と (c)K.Miura
 

森様、招聘歌手、戸澤さんと
このコンサートの実現に力強いご支援をくださった森静子様、森雅克様と招聘歌手陣、長丁場を支えてくださった私の信頼するコンサートマスターの戸澤哲夫さんと (c)K.Miura
 


大阪で見た虹
大阪で見た虹

この大きなプロジェクトは、コロナ禍のはるか前から準備を始めていました。今年に入ってからも状況がめまぐるしく変わり、招聘歌手陣のヴィザ発給の見込みが不透明なまま、彼らの出国予定日が刻々と近づいていた先月のことです。

私はそのときちょうど大阪に滞在していて、激しい雷雨があったのですが、雷が鳴り嵐が去った後、天空にまたがる大きな虹を見ました。まさに『ラインの黄金』で神々がヴァルハラ城に入城するときに渡る虹の架け橋そのもので、私はこの瞬間、招聘歌手はきっと来日できる、と確信しました。

数日後、文化庁から東京シティ・フィルに連絡が入り、招聘歌手陣のヴィザが発給されることが確定しました。 14日間の待機とリハーサルの期間から逆算したギリギリの出国予定日の3日前のことでした。このコンサートを守ってくださった皆様に、ぜひこの虹をお届けしたいと思います。

改めて、公演当日のプログラム冊子に掲載された私のご挨拶を、以下に掲載いたします。

***
東京シティ・フィル R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)
公演プログラム掲載のご挨拶全文:

本日、この特別なワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライトが実現し、こうしてお客様をお迎えできることはまさに奇跡であり、心からの感謝を込めてご挨拶を申し上げます。
『ニーベルングの指環』は、時代や洋の東西を超えて人類の過去と未来を見通す、巨大な物語です。コロナ禍で、現代社会が抱える問題がこれまで以上に露わになり、『指環』の内容はいっそう切実に私たちに訴えてきます。登場人物が展開する自然破壊、権力抗争、搾取と格差の問題、親子や男女の愛、世代間あるいは兄弟姉妹の争い、憎悪、陰謀、裏切り、復讐…すべては、私たち自身の現実そのものです。ワーグナーは、その全作品を通じて「救済」というテーマを追求し続けました。『指環』は、世界を救うためには何がなされなければならないか追求した壮大な四部作であり、今こそまさに、この作品を聴くべき時なのです。

本日のために世界最高のワーグナー歌手陣が厳格な条件を乗り越えて来日し、日本のワーグナー上演の中核を担う日本人歌手とともに出演いたします。バイロイト祝祭劇場総監督で演出家のカタリーナ・ワーグナー氏が、本公演名誉監督をお引き受け下さっているのも、このコンサートが世界水準のスケールを持つ証です。シュテファン・グールド、トマス・コニエチュニー、ダニエラ・ケーラーというバイロイト音楽祭のスター達を中心とするワーグナー歌唱の真髄を堪能いただけるように、約15時間を濃密な3時間余りに凝縮し、大変贅沢なハイライトを構成いたしました。特に、四部作の中でも舞台上演が困難な後半2つの楽劇『ジークフリート』と『神々の黄昏』に重心を置き、コンサート形式でめったに体験できない名場面も多く盛り込んでおります。
一方、「ワルキューレの騎行」など4曲は、名曲コンサートなどで耳に馴染んでいる管弦楽のみの版でお届けします。オーケストラが主催するワーグナー公演として今回も、以前の「オーケストラル・オペラ」シリーズと同様に、通常のオペラ舞台上演ではオーケストラ・ピットに入っていて見えない管弦楽が舞台に乗っていますので、東京シティ・フィル渾身のワーグナーを、ぜひ視覚的にもお楽しみください。

私は、東京シティ・フィルに初めて出会って以来、このオーケストラのコンサートにいらしてくださるお客様を敬愛し、聴く側も演奏する側も一体となって今この瞬間の演奏に没頭し、自分の感覚を信じて自由に音楽を体験することを常に願ってまいりました。この厳しい社会状況の中、私の80歳の記念にこれほど大規模な公演を実現するためにご支援・ご協力くださった、森静子様、株式会社森ビル代表取締役 森雅克様をはじめ、すべての皆様に、深く御礼申し上げます。 音楽のみならず西洋の精神文化の最高峰のひとつである『指環』を皆様と分かち合うことを通じて、普遍的な人間の叡智が現在の私たちの心に蘇り、力を与え、そして未来への道に繋がる奇跡を起こすことができるのです。

***

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その10・ファンファーレのご案内〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。おはようございます。おかげさまでいよいよ、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会当日を迎えることができました。本日のプログラム冊子にも私からのご挨拶と御礼の言葉を掲載しておりますが、ホームページをご覧くださる皆様、改めて、いつも応援してくださりどうもありがとうございます。

ファンファーレ用の楽譜
ファンファーレ用の楽譜

東京シティ・フィルからもお知らせのとおり、本日は開演前と休憩時に、金管セクションの奏者が舞台上でファンファーレを演奏いたします。今回は特別にバイロイト祝祭劇場からファンファーレ用の楽譜をお借りしております。

演奏するライトモティーフ(示導動機)も私がセレクトいたしましたので、どのモティーフが演奏されるか、楽しみにしていただければと思います。

ファンファーレ隊用の譜面台カバー
ファンファーレ隊用の譜面台カバー


ファンファーレ演奏スケジュール(大ホール舞台上にて):

◆開演前(30分前、20分前、10分前の3回)
ファンファーレ演奏:序夜『ラインの黄金』より

◆休憩1回目(開演10分前)
ファンファーレ演奏:第2日『ジークフリート』より

◆休憩2回目(開演10分前)
ファンファーレ演奏:第3日『神々の黄昏』より

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その9〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。いよいよ明日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会を迎えます。予定通り東京文化会館での公演が実現できることに、心から感謝しております。
明日演奏するプログラムについて、演奏順にしたがって、舞台リハーサルの写真も交えながら簡単に曲目をご紹介します。

まず四部作の冒頭『ラインの黄金』の第1場をカットなしでまるごと、演奏いたします。ラインの乙女たち(増田のり子さん、金子美香さん、中島郁子さん)が「ヴァイア!ヴァーガ!」と楽しげに歌います。彼女たちはニーベルング族のこびとアルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)をさんざんにからかううちに、”愛を断念してラインの黄金から指環を作れば世界が支配できる”という重大な秘密をしゃべってしまい、アルベリヒは黄金を強奪して去っていきます。
 

「ラインの黄金」第1場
「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女(左から 中島郁子さん、金子美香さん、増田のり子さん)、アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)
 


2曲目は管弦楽で「神々のヴァルハラへの入城」、ハープ4台が描く虹の架け橋を神々が意気揚々と渡って新築のヴァルハラ城に入城し、『ラインの黄金』全曲の幕がおりる場面です。

3曲目も管弦楽で、四部作の2番目の楽劇『ワルキューレ』から、第3幕冒頭「ワルキューレの騎行」です。神々の長ヴォータンの娘たちワルキューレは、ティーンエイジャーの女戦士で、次々に天馬を駆って集まってくるシーンです。

4曲目は『ワルキューレ』全曲の幕切れ「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」です。最愛の娘を罰しなければならなくなったヴォータンの「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」を、トマス・コニエチュニーさんが歌いあげてくださいます。

 

ヴォータンの告別
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 


休憩(30分)の後は楽劇『ジークフリート』から4曲のハイライトです。

鍛冶の歌
左から ミーメ(高橋淳さん) ジークフリート
(シュテファン・グールドさん)

ジークフリート(シュテファン・グールドさん)が英雄として最初の奇跡を起こして剣ノートゥングを鍛え直す「鍛冶の歌“ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!”」〜第1幕の幕切れまで、一気におきかせします。狡猾で嫌らしくて危険な存在ながら哀れな役どころのミーメ(高橋淳さん)にもご注目ください。

続いて、ジークフリートが育った深い森の自然、そして母への思慕をオーケストラが描く「森のささやき」を管弦楽版でお届けします。木管楽器が小鳥の歌を演奏し、森を駆け出していく主人公の灼けるような情熱を見事に表現している第2幕幕切れへつなげて演奏します。

ブリュンヒルデの眠る岩山を目指すジークフリートの前に、さすらい人ことヴォータン(トマス・コニエチュニーさん)が立ちはだかる「上の方を見るがよい! 」は、演奏会形式ではまずとりあげられない重要な対決シーンです。スピーディに展開しますので、どうぞお見逃しなく。さすらい人を撃退したジークフリートの眼前に広がる燃え盛る炎を、オーケストラが全開で描きます。

 

祖父と孫の対決
「ジークフリート」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とさすらい人(トマス・コニエチュニーさん)
 

いよいよ、ジークフリートの接吻でブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)が長い眠りから目覚め、「太陽に祝福を!光に祝福を!」と目覚めの喜びを歌います。神性を失ったブリュンヒルデが、彼の激しい求愛を受けて変化していきます。この楽劇『ジークフリート』の幕切れの場面こそ、四部作における幸福と勝利の絶頂なのです。
 

「太陽に挨拶を!」
「ジークフリート」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん)
 

2回目の休憩の後は、『神々の黄昏』から5曲です。まず管弦楽で序幕の「夜明けとジークフリートのラインの旅」に、エンディングとして第1幕の幕切れの激しい音楽につなげて演奏します。

指環を狙う恐ろしいハーゲン(妻屋秀和さん)が登場し、ギービヒ家の家臣(ワーグナー特別演奏会合唱団/合唱指揮:藤丸崇浩さん)を招集する「ホイホー!」で始まる第2幕第3場をまるごと、そして第4場冒頭「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」まで、男声の圧倒的な迫力がホールを埋めつくします。
 

「ホイホー!」全景
「神々の黄昏」第2幕第3場 ハーゲン(妻屋秀和さん)とギービヒ家の家臣たち(ワーグナー特別演奏会合唱団)
 


ギービヒ家の異母兄弟
ハーゲン(妻屋秀和さん)とグンター(トマス・コニエチュニーさん)

復讐の三重唱「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?」で始まる第2幕第5場をまるごとお聴きいただけるのも、今回のハイライトの目玉の一つです。
指環を狙うハーゲンの策略にはまり、ジークフリートに裏切られたと思い込んで怒り狂うブリュンヒルデ、公衆の面前で名誉を失ったグンター(トマス・コニエチュニーさん)による、邪悪な三重唱です。
奸智に長けたハーゲンと情けない御曹司グンターという異父兄弟、そして人格が豹変してしまったかのように荒れ狂うブリュンヒルデの3人が、ジークフリートの殺害へと突き進むドラマティックな三重唱をご堪能ください。

 

「復讐の三重唱」
「神々の黄昏」第2幕第5場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とハーゲン、グンター
 


「ジークフリートの死と葬送」も、今回のハイライトでは贅沢に、ジークフリートの武勇談に家臣たち(ワーグナー特別演奏会合唱団)が次を促す「それから小鳥は何と?」からお聴きください。シュテファン・グールドさん演じるジークフリートの絶唱、そして管弦楽が英雄の死に至る四部作全体を壮大に悲劇的に回顧するのです。

 

「ジークフリートの死」全景
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン、グンター、家臣たち
 

ジークフリートの絶唱
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)の絶唱
 


最後をしめくくるのはもちろん、四部作全体のフィナーレである「ブリュンヒルデの自己犠牲」です。すべてを悟ったブリュンヒルデが「太い薪を積み上げよ」と進み出て、自ら炎に身を投じ、指環をライン川に返すのです。これから世界の歌劇場でこの役でひっぱりだこになると思われる、ダニエラ・ケーラーさんの歌唱を存分にご堪能ください。

 

「自己犠牲」
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


それでは明日、東京文化会館で、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その8・通し稽古

−飯守泰次郎−

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「ラインの黄金」のリハーサル風景
「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女たち〜左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん)
 

「ヴォータンの告別」のリハーサル風景
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 

ハープ4台の風景
ハープ4台の大活躍にもご期待ください
 

「鍛冶の歌」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第1場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とミーメ(高橋淳さん)
 

「上の方を見るがよい!」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート
 

「愛の二重唱」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「ホイホー!」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団〜手前の奏者が吹いている昔風の管楽器はシュティーアホルン
 

「復讐のテルツェット」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 

「自己犠牲」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向けて、通し稽古を行いました。

本公演のプログラムは下記の通り、2回の休憩をはさむ3部構成で、『指環』全体がそうであるように後半に行くほど重厚なドラマが展開いたします。

『ラインの黄金』と『ワルキューレ』から各2曲の計4曲(「神々のヴァルハラへの入城」「ワルキューレの騎行」は管弦楽のみ)
〜休憩〜
『ジークフリート』から4曲(「森のささやき」は管弦楽のみ)
〜再び休憩〜
『神々の黄昏』から5曲(「夜明けとジークフリートのラインの旅」は管弦楽のみ)

バイロイトのスター歌手たちの世界最高の歌唱を中心に、『指環』の名場面が息つく間もなく続く、大変濃厚なコンサートです。それだけに私たち演奏家に求められるエネルギーは並大抵ではありませんが、この特別なプログラムの内容をお客様にお伝えできるよう、ますます熱気溢れるリハーサルの毎日です。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その7・歌合わせ2日目

−飯守泰次郎−

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「ラインの黄金」のリハーサル風景
「ラインの黄金」第1場 左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん) アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)
 

「ヴォータンの告別」のリハーサル風景
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 

「鍛冶の歌」のリハーサル風景
「ジークフリート」第1幕第3場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん) ミーメ(高橋淳さん)
 

「上の方を見るがよい!」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート
 

「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「ホイホー!」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団
 

「復讐のテルツェット」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 

「ジークフリートの死」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第2場「ジークフリートの死」〜ジークフリート、ハーゲン、グンター
 

「自己犠牲」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、歌合わせ2日目の写真をお届けします。

今回のプログラムは、歌手入りの曲が9曲、管弦楽のみが4曲で、合計13曲あります。歌合わせでは歌入りの曲を集中して練習しました。次はハウプト・プローベ(通し稽古)です。
おかげさまでチケットが全席完売したとのことで、ご期待に応える演奏にしたい、と一同ますます張り切っております。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その6・歌合わせ

−飯守泰次郎−

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「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん)
 

「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「神々の黄昏」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、いよいよ歌合わせが始まりました。

この1回のコンサートのために先月末から2週間の待機期間を終えた、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんという、まさに世界最高の素晴らしいワーグナー歌手を私たちのリハーサルの場についにお迎えすることができ、この上なく嬉しく思います。
エネルギッシュな日本のワーグナー歌手陣と合唱団も合流し、昨日は全曲を通して練習しました。

これから本番に向けて、さらに集中したリハーサルを続けてまいります。これからも写真を含めてお伝えできればと思いますので、5/16のコンサート当日までどうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

タイトル枠上
タイトル枠左

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その5・オーケストラとのリハーサル〜

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

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「ワルキューレの騎行」のリハーサル風景
「ワルキューレの騎行」
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、連日、オーケストラと集中した練習が続いております。

コンサートマスターの戸澤哲夫さんを筆頭に、オーケストラル・オペラ(2000〜2003年)で四部作を演奏されている経験豊富なヴェテラン団員と、オーケストラの伝統を新たに創る意欲と好奇心に溢れるフレッシュな団員が一体となって、巨大な四部作のハイライトにチャレンジする毎日です。

今回お届けするプログラムは、「ワルキューレの騎行」のように名曲コンサート等で演奏される機会の多い曲はもちろん、そればかりでなく楽劇全曲の中から、シンフォニー・オーケストラではほとんど演奏する機会のない特別な名場面もふんだんに選んでいます。 それだけに、ドラマに由来する必然的な音楽の「揺れ」が求められる部分が多くなります。
小節の中の音型ひとつにも、また全体の大きな音楽の流れにも、それぞれ「揺れ」があり、交響曲などのシンフォニックな音楽の感覚だけでは対応しきれない難しさがあります。周囲に耳を傾け聴きあいながらその瞬間瞬間のアンサンブルを作っていく、非常な集中力の持続と感性のアンテナが必要です。

もちろんワーグナーですので、示導動機(ライトモティーフ)の重要性は言うまでもありません。示導動機は、音楽的なテーマという次元をはるかに超越し、聴き手に理念を提示する、という精神的な機能をもっており、しばしば全オーケストラを率いる役割を担います。
断片的に提示される場合も含め、示導動機を演奏するパートはそのことを自覚し、オーケストラの中で立体的に浮き立って聴き手に届ける、という意思が求められるのです。

オーケストラ練習も残すところ1日、そしていよいよ、待機期間を乗り越えた「神々族」の歌手、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんをはじめとして8人のワーグナー歌手陣と、ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮は藤丸崇浩さん)をお迎えして歌合わせが始まります。

 

飯守泰次郎

 

タイトル枠上
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その4・招聘歌手陣来日!〜

−飯守泰次郎−

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『神々の黄昏』の音楽稽古〜 ハーゲン役・妻屋秀和さんと特別合唱団
『神々の黄昏』の音楽稽古〜ハーゲン役・妻屋秀和さんと特別合唱団の皆さん
 


飯守泰次郎です。さきほど東京シティ・フィルのHPでお知らせがありました通り、この特別なハイライトのために、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんという世界最高のワーグナー歌手陣が、アメリカ、ポーランド、ドイツから、極めて厳格な手続きを乗り越えて来日され、定められた14日間の待機期間に入られています。現在、緊急事態宣言下であり、待機中の行動も非常に厳しい状況にもかかわらず出演を決断し、1日の公演のために細心の準備をして来日してくださったことに、深く感謝しています。

ハーゲン役が予定されていたアルベルト・ペーゼンドルファーさんも直前まで来日に備えてくださいましたが残念ながら体調不良のため出演が叶わなくなり、新国立劇場で私とも数多く共演している日本の誇るバス歌手、妻屋秀和さんが出演してくださることになりました。昨日も『神々の黄昏』の音楽稽古で、このコンサートのための特別合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩さん)と共に、ギービヒ家の場面を集中して稽古しました。

この1年、世界的にオペラ、特に大編成のワーグナーの上演の価値ある歴史を継続することが危機的な状況にある中、歌手陣のヴィザ取得にご尽力くださった関係省庁各位に深く御礼を申し上げます。また、日々大きく流動する情勢の中、彼らの来日を実現するための交渉と手続を、試行錯誤を経て成し遂げてくださった、東京シティ・フィルの事務局と関係者の方々の多大なご尽力に、心より感謝いたします。最高のワーグナーを堪能いただけるよう力を尽くしますので、どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

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第59回大阪国際フェスティバル2021
「4オケの4大シンフォニー2021」(2021/4/17)によせて

−飯守泰次郎−

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関フィルとのリハーサル
関西フィルとシベリウス:交響曲第2番のリハーサル
 


飯守泰次郎です。4/17に開催される大阪国際フェスティバル2021「4オケの4大シンフォニー2021」のリハーサルで大阪に来ております。

4つのオーケストラが一堂に会して順に演奏するという、想像もつかないような発想で始まったこのプロジェクトも、すっかり定着しました。 今年は「古典をめぐる旅」と題して、各オーケストラが1曲ずつ交響曲をおきかせします。

まず日本センチュリー交響楽団が久石譲さんの指揮でベートーヴェンの交響曲第8番、 続いて大阪フィルハーモニー交響楽団が尾高忠明さんの指揮でショスタコーヴィチの交響曲第5番、大阪交響楽団は大山平一郎さんの指揮でメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」、そして私は関西フィルハーモニー管弦楽団を指揮してシベリウスの交響曲第2番を演奏致します。

このコンサートのチラシに寄せた私のメッセージを、ホームページをご覧くださるみなさまにもお読みいただけるように、下記に掲載いたします。感染状況がひっ迫している中でお越しくださるお客様のご無事を祈り、私たち演奏家もそれぞれ細心の注意をして、様々なご事情でお越しいただけないお客様にも心を寄せながら音楽の喜びを広く深く共有したいと思います。

*** 本公演のチラシに寄せたメッセージ***

2021年の春、私は新たな気持ちをもって、いかにも大阪らしい華やかで大胆なこの「4オケ」コンサートに取り組みたい、と意気込んでおります。私は、民族に深く根差している国民楽派の音楽が大好きで、関西フィルと長い時間をかけて積み重ねてきたレパートリーの大きな柱の一つでもあります。その中でも特に愛着をもっているシベリウスの作品から、交響曲第2番を選びました。寒くて暗く長いフィンランドの冬、しかしそれを追い払うかのような、シベリウスの音楽の熱狂的なエネルギーを、関西フィルと共に皆様にお届けしたいと思います。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その3・音楽稽古『ラインの黄金』〜

−飯守泰次郎−

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打ち合わせの様子
ラインの乙女たち 左から中島郁子さん(フロースヒルデ)、金子美香さん(ヴェルグンデ)、増田のり子さん(ヴォークリンデ)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、日本人キャストの皆さんとの音楽稽古を先月からスタートしております。
昨日は『ラインの黄金』第1場を中心に集中して稽古いたしました。女声三重唱の稽古となると華やかで、私もつい時間を忘れて力が入ってしまいました。

私は、歌手と音楽を作り上げるこの音楽稽古の段階を大切にしています。演奏会形式の公演であっても必ず、オーケストラとのリハーサルに先立って、長い期間かけて歌手との稽古を積みます。
もちろん今回の公演に関わる日本人歌手の皆さんは各方面でひっぱりだこの方々で、パズルのようなスケジュールを調整しながら、場面ごとの出演歌手が揃うようにして、お互いの歌詞に込められた心情の変化や、役柄にふさわしい発音など、音符ひとつひとつを吟味していきます。 オーケストラがいない代わり、ピアニストが私の指揮を見て伴奏します。

『ラインの黄金』第1場は、ラインの川底でラインの乙女たちに守られていた黄金が、ニーベルング族のアルベリヒに強奪されてしまう、物語の発端となる場面です。
といっても途中までは3人の乙女がアルベリヒをからかう、まるでディズニーランドのような楽しげな“おふざけ”です。ラインの乙女たちはいわば“チャキチャキ”した気質の娘たちであり、歌唱のうえでは正確に自分の出番に入るというより、飛び込んできて歌い、次に歌う相手に投げる、というような、楽譜に書ききれない“揺れ”が必要です。ドイツ語の言葉がはっきり聞こえるように、歌うより「喋る」、という意識も求め られます。
必ずしも上品ではない場面では「アンタ、アタシたちのこと好きなんでしょ!」とでもいうような軽いニュアンスを出したいですし、一方で「愛を断念した者」だけが世界を支配する無限の権力を持つ指環を作る、という重大な秘密を口に出してしまう部分は、大変注意深く表現する必要があります。

ラインの乙女は無垢な三和音の三重唱も多く、ヴォークリンデの増田のり子さん、ヴェルグンデの金子美香さん、フロースヒルデの中島郁子さんが、素晴らしいチームワークで取り組んでくださっていて、私も大変期待しているのです。

 

飯守泰次郎

 
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その2・演奏曲目について〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)で演奏する全ての曲目が、東京シティ・フィルのHPにて発表されております。 私のHPをご覧くださる皆様にも直接ご案内したいと思い、こちらにも掲載いたします。

ショット版のワーグナーのスコアを前に
ショット版のワーグナーのスコアを前に
((C)武藤章)

コロナ禍で世界が激動する現在、『ニーベルングの指環』の内容はこれまで以上に切実に私たちに訴えかけてきます。 人類の先行きが見えない今こそまさに、ぜひ一人でも多くの方に『指環』の世界を体験していただきたいのです。

『指環』は全部で15時間超を要する大作ですので、ハイライトで演奏するにも色々な考え方があります。 今回は何といっても、バイロイト音楽祭のスター級を含むワーグナー歌手陣を迎えるということで、 世界最高のワーグナーの歌唱で『指環』の名場面を凝縮して体験していただくことに最もこだわって選曲しました。

まずやはり、私が新国立劇場で指揮した『指環』四部作全部にテノールの主役で出演してくださった シュテファン・グールドさんの当たり役である『ジークフリート』のタイトルロールを満喫していただきたいと思います。 「鍛冶の歌」(第1幕第1場)や、祖父であるさすらい人(実はヴォータン)を打ち負かす場面(第3幕第2場)など、 演奏会形式のハイライトでは滅多に演奏されないジークフリートの名場面が多く入っております。
相手役のブリュンヒルデに、新しい世代のワーグナー歌手のライジング・スター、ダニエラ・ケーラーさんをお招きできるのも大変嬉しいことです。

四部作を抜粋すると、通常は『ワルキューレ』第1幕の愛の二重唱が入るものですが、この幕はワーグナーの中でも最も演奏機会の多い幕ともいえるくらいです。 そこで思い切って趣向を変え、舞台上演が困難な『神々の黄昏』から多くの場面を選びました。
ハーゲンは、ワーグナーが創作した数々の登場人物の中でも最も恐ろしい悪役ですが、ギービヒ家の家来たちの人心を完全に掌握してあたかも人気者であるかのように感じさせるほど、男声合唱との「ホイホー!」は圧倒的な名場面であり、この第2幕第3場をまるごとおきかせします。ハーゲンは、以前に私の指揮で冷酷で迫力のあるハーゲンを見事に歌ってくださった、アルベルト・ペーゼンドルファーさんです。

今回は3時間余りのハイライトですが、四部作の冒頭、そして四つの楽劇それぞれの最終幕の最終場面がすべて含まれているので、あたかも全幕を聴いたかのような満腹感もお楽しみいただけると思います。 このような贅沢でバランスのとれた抜粋が可能になったのは、アルベリヒ、ヴォータン、グンターという異なる3役をそれぞれ見事に歌ってくださる、トマス・コニエチュニーさんの存在あってのことです。

このコンサートの魅力をお伝えするとどんどん長くなってしまいますので、これからも何度かに分けてこちらのHPでもお知らせしてまいります。

***
プログラム:

序夜『ラインの黄金』より
―序奏〜第1場「ヴァイア!ヴァーガ!…」〜アルベリヒの黄金強奪 (ラインの乙女たち、アルベリヒ)
―第4場 神々のヴァルハラへの入城 (管弦楽)

第1日『ワルキューレ』より
―第3幕 第1場 ワルキューレの騎行(管弦楽)
―第3幕 第3場 ヴォータンの別れと魔の炎の音楽 「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」(ヴォータン)

第2日『ジークフリート』より
―第1幕 第3場 ジークフリートの鍛冶の歌 「ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…」(ジークフリート、ミーメ)
―第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)
―第3幕 第2場 「上の方を見るがよい!… 」(さすらい人、ジークフリート)
―第3幕 第3場 「太陽に祝福を!光に祝福を!…」(ブリュンヒルデ、ジークフリート)

第3日『神々の黄昏』より
―序幕より 夜明けとジークフリートのラインの旅(管弦楽)
―第2幕 第3場「ホイホー!…」 〜第4場「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」(ハーゲン、男声合唱)
―第2幕 第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター)
―第3幕 第2場「それから小鳥は何と?…」〜ジークフリートの死と葬送(ジークフリート、ハーゲン、グンター、男声合唱)
―第3幕 第3場 「太い薪を積み上げよ…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン)

***

 

飯守泰次郎

 
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて〜その1〜

−飯守泰次郎−

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打ち合わせの様子
特殊楽器の配置なども細かく打ち合わせ
 


飯守泰次郎です。先日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向けて、オーケストラの楽譜や舞台などについて詳細を詰める打ち合わせを致しました。

東京シティ・フィルと私は、”オーケストラル・オペラ”と銘打ったセミ・ステージ形式による『ニーベルングの指環』四部作を、2000年から4年がかりで東京文化会館で演奏しました。その後、2004年『ローエングリン』(東京文化会館)、2005年『パルジファル』(日生劇場)、2008年『トリスタンとイゾルデ』(ティアラこうとう)、と同様の形式で演奏しました。

以来約十数年ぶりに今回、私の傘寿を記念する特別演奏会ということで、世界最高のワーグナー歌手陣を招いて『指環』のハイライトを演奏することになりました。
四部作全部を合計すると約16時間近くかかる『指環』の名場面を、約3時間超の豪華なハイライトでお届けします。

『ラインの黄金』の冒頭から、四部作を締めくくる『神々の黄昏』の”ブリュンヒルデの自己犠牲”まで、オーケストラ・コンサートでおなじみの”ワルキューレの騎行”などもまじえながら、ワーグナーが初めての方から熱心なワグネリアンの方まで、どなたにも物語のエッセンスを凝縮して楽しんでいただけるよう、演奏する部分もこだわって選曲しております。特に『ジークフリート』『神々の黄昏』に比重を置いて、聴きごたえがありながら演奏会形式ではなかなか演奏できない名場面を選び抜いておりますので、どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 
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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第343回定期演奏会(2021/2/13)によせて

−飯守泰次郎−

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ベートーヴェン交響曲第1番ゲネプロ
仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールでベートーヴェン交響曲第1番のゲネプロ中
 

飯守泰次郎です。仙台フィルの定期演奏会(2/13)のため、仙台に滞在しております。

今回のコンサートではまず、没後25年を迎える武満徹さんの代表作「弦楽のためのレクイエム」を演奏致します。
武満さんの作品がいまも広く愛され、世界各国で演奏され続けているのは、最新の手法や自分の個性を前面に打ち出す現代音楽ではなく、 ひたすら彼自身の内面を通して自然・宇宙というようなものを発信するかのように自然に書かれた音楽だからではないか、と私は感じます。
「弦楽のためのレクイエム」も、折に触れて演奏してきた大好きな作品です。

2曲目は、仙台フィルの常任指揮者就任以来、継続して柱として取り組んでいるベートーヴェンの交響曲で、今回は第1番です。
ハイドン、モーツァルトが確立した古典派の交響曲の伝統の枠組みの中で、すでにまぎれもないベートーヴェンらしさが表れている野心作です。

コンサートの後半は、仙台フィルとの新たな「チャイコフスキー後期交響曲シリーズ」の初回として第6番「悲愴」を演奏します。 いうまでもなくチャイコフスキーは、ロシアの交響曲を確立した作曲家であり、その音楽の内容はロシアの厳しい自然と悲劇的な民族の歴史と深く結びついているのです。

日立システムズホール仙台が改修工事中とのことで、今回の定期演奏会は仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートとなります。 コロナ禍の中で演奏会にお越しくださる皆様の安全をお祈りしながら、ホールでお目にかかれることを楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 
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新国立劇場『ワルキューレ』(2021年3月公演)降板のご報告

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。3月の新国立劇場『ワルキューレ』を降板することになり、皆様にご心配をお掛けしております。
昨年12月に急性胆嚢炎の手術を受け、退院後はリハビリテーションに努め、おかげさまで1月に予定されていた4公演を無事に終えることができました。
しかし、公演時間5時間半を要するワーグナー楽劇全曲となると、要求される体力はフルマラソンにも匹敵する苛酷さとなります。 さらに今回の『ワルキューレ』は5回公演という規模の大きさであり、ドクターとも相談を重ねた結果、大変残念ながら、手術後の私の現在の体力を考慮し降板させていただくこととなりました。
公演を楽しみにしてくださっている皆様のご期待に応えることができず大変申し訳ありませんが、またコンサートでお会いする日を心より楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第339回定期演奏会(2021/1/29)によせて

−飯守泰次郎−

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亀井聖矢さんと
ショパンのピアノ協奏曲終演後に亀井聖矢さんと
 

ティアラこうとうでリハーサル
ティアラこうとうでリハーサル

飯守泰次郎です。1/29は東京シティ・フィルの定期演奏会をサントリーホールで指揮致します。

プログラムは、まずモーツァルトの「劇場支配人」序曲、次にショパンのピアノ協奏曲第1番でソリストに亀井聖矢さんをお迎えし、コンサート後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。

「劇場支配人」序曲は、曲名だけだとあまり知られていない印象があるかもしれませんが、実際にお聴きになると意外と耳になじみのある曲ではないかと思います。モーツァルトのハ長調らしい生き生きとした、コンサートの幕あけにぴったりの小品です。

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、押しも押されぬ最高のピアノ協奏曲です。
ソリストの亀井聖矢さんが、今年20歳という若さでこの難曲をここまで自由自在に弾きこなしていらっしゃるのは、とても素晴らしいことです。
この作品は、まさにショパンが20歳の時に作曲されて作曲者自身の独奏で初演されました。同じ年ごろの亀井さんのフレッシュな演奏に私もおおいに刺激を受けており、コンサートがとても楽しみです。

チャイコフスキーの交響曲第5番は、冒頭に提示されるホ短調の「運命の動機」が、第2楽章にも、第3楽章の優雅なワルツにも現れ、第4楽章ではホ長調に転じて最後は熱狂的に閉じられます。
私は、約15年間にわたって東京シティ・フィルの常任指揮者を務めた最後のシーズン(2011〜12)に、チャイコフスキーの交響曲全曲チクルスを行い、ライヴCDが交響曲全集として発売されるなど大変ご好評いただきました。
気づけばもう10年になりますが、いわゆる華やかで聴きばえのする名曲として演奏するのではなく、ロシアの悲劇的な歴史と北国の厳しい自然環境から生み出されたチャイコフスキーの音楽のロシア的な本質に肉薄したい、という思いをさらに追求し、連日のリハーサルを重ねてまいりました。
コンサートマスターの戸澤哲夫さんを中心に、私の音楽を全身で体現してくださる東京シティ・フィルとのチャイコフスキーに、どうぞご期待ください。
 

飯守泰次郎

 

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第58回大阪国際フェスティバル2020
「ワーグナー特別演奏会」(2021/1/23)に向けて

−飯守泰次郎−

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終演直後に
1/23 コンサート終演直後に 池田香織さん、ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんと
 

クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
 

飯守泰次郎です。第58回大阪国際フェスティバル2020・関西フィルハーモニー管弦楽団創立50周年記念「ワーグナー特別演奏会」が、 いよいよ今週末1/23土曜日に迫ってまいりました。 会場はザ・シンフォニーホールです。

池田香織さんと
池田香織さんとのピアノ稽古で


この演奏会は、昨年の5月に予定されていた『ニーベルングの指環』ハイライト(演奏会形式)の代替公演です。 企画当初は想像もしなかった多くの困難を一つ一つ乗り越えてきました。 私が桂冠名誉指揮者を務める関西フィルと20年以上一緒に共演して培ってきた音楽、 特にドイツ・ロマン派のオペラの演奏会式上演で積み重ねてきた成果を、ワーグナーに集中したプログラムでお楽しみいただく、 という核心を貫いて実現にこぎつけたコンサートです。

プログラム前半は、『タンホイザー』から序曲、“歌の殿堂のアリア”、“夕星の歌”、そして『トリスタンとイゾルデ』から前奏曲と“愛の死”、の4曲です。
後半は「ニーベルングの指環」から4つの名場面を選び抜き、『ワルキューレ』から“ワルキューレの騎行”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”、 『神々の黄昏』から“ジークフリートの葬送行進曲”と“ブリュンヒルデの自己犠牲”をお送りします。

4人のワーグナー歌手 左はバリトンのカヴァー青山貴さん
国内外のワーグナー歌手が一堂に会して〜向かって左はバリトンのカヴァー青山貴さん

この8曲でワーグナーの創作の初期、中期、後期それぞれのエッセンスを堪能していただけるプログラムです。

“夕星の歌”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”を歌ってくださる ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんは、このコンサートに何としても出演する、 という強い意志のもと、予定されたスケジュールを前倒して所定の隔離期間を受け入れて来日してくださっています。 こちらに力強いメッセージを寄せてくださっていますので、ぜひご覧ください。

“歌の殿堂のアリア”、イゾルデの“愛の死”、“ブリュンヒルデの自己犠牲”を歌ってくださる池田香織さんは、 日本のワーグナー上演を支える代表的な歌手の一人です。
彼女のキャリアの初期から長年ご一緒してきて、まさに円熟の時を迎えている今、 これまでの表現をさらに深めた歌唱を聴かせてくださることを期待しています。

管弦楽曲も3曲
管弦楽のみで堪能いただく3曲もどうぞご期待ください


引き続き、関西フィルとのリハーサルの様子なども、お伝えしていればと思います。

(*1/23追記)おかげさまでこのコンサートは前売券は完売し、僅少ながら当日券が販売されるとのことです。詳細は関西フィルのSNSでのご案内をご覧ください。
この演奏会がやっと実現でき、嬉しいかぎりです。今回もご来場くださる皆様の安全と願うとともに、様々なご事情でお越しになれない皆様にも心を寄せながら演奏いたします。
 

飯守泰次郎

 

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新交響楽団第252回演奏会(2021/1/17)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 本日1/17は新交響楽団とのコンサートで、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲を指揮いたします。

「わが祖国」の中では2曲目の「ヴルタヴァ」(モルダウ)が特によく演奏されますが、近年は、6曲あるこの大作が全曲演奏される機会も増えてきたように思います。 この1つの作品で、スメタナが生まれたボヘミアの歴史と自然、民族のすべてが表現し尽くされている、といっても過言ではありません。
プラハ市街を望む“ヴィシェフラド”(高い城)を象徴するモティーフが、示導動機のように全曲に統一感を与え、民族を超えてだれもが心打たれる圧倒的な名曲です。

新響とはもう30年近いお付き合いになります。 昨年の7月にはブルックナーの序曲ト短調、「ヘルゴラント」、交響曲第9番という徹底したプログラムのコンサートを予定していましたが、コロナ禍で中止となりました。 今回は昨年の12月から私とのリハーサルも長い期間をかけて準備してきましたので、厳しい状況の中ではありますがコンサートが実現できることを嬉しく思います。

様々なご事情で東京芸術劇場までお越しになれないお客様にも思いを寄せながら、演奏したいと思います。 ご来場くださるお客様、どうかくれぐれもお気を付けてお越しください
 

飯守泰次郎

 

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東京文化会館《響の森》Vol.47
「ニューイヤーコンサート2021」(2021/1/3)にむけて

−飯守泰次郎−

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小川典子さんと
新年にふさわしい華やかな「皇帝」を演奏してくださった小川典子さんと
 

コンサートマスター山本友重さんと
東京都交響楽団コンサートマスターの山本友重さんと
 

都響とのリハーサル
都響とのリハーサル

飯守泰次郎です。 新年明けましておめでとうございます。例年とは全く異なるお正月となりましたが、皆様がお健やかに新年を迎えていらっしゃることを願うばかりです。

昨年は公演降板で大変ご心配をおかけしました。お蔭様で私は先月上旬に急性胆嚢炎の手術が無事に終わり、以降慎重にリハビリに努めてまいりました。
明日1/3は、東京文化会館《響の森》「ニューイヤーコンサート」で東京都交響楽団を指揮いたします。
前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、 後半はワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より 第1幕への前奏曲と 歌劇『タンホイザー』序曲 、というプログラムです。

「皇帝」では、小川典子さんと初めて共演します。 小川さんは国際的に長く活躍していらっしゃる、文字通り日本を代表するピアニストで、レパートリーも幅広いので、「皇帝」でどんな表現をしてくださるか、とても楽しみです。

都響は歴史的にマーラー、ブルックナーをはじめ、シンフォニー・オーケストラの大曲の経験が豊かで、ワーグナーを余裕をもって演奏できる優秀なオーケストラです。 すでに何度もワーグナー作品でもご一緒しており、『ニーベルングの指環』の抜粋などのライヴが2枚のCDになって、大変ご好評をいただいています。 世界的にも演奏機会が激減しているであろうワーグナーをお聴かせできる喜びを、新たにしております。

今年はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートも無観客で行われたほどの未曾有の状況での幕開けとなりました。 それだけに明日、私が若い頃から数え切れないほど演奏してきている東京文化会館に、お客様をお迎えしてニューイヤーコンサートをお楽しみいただけることは、 まさにかけがえのないことだと思います。 ホールからのご案内も改めてご確認のうえ、どうかご無理のないようにお気を付けてお越しいただき、皆様とお目にかかれますように願っております。
 

富士山
 

飯守泰次郎

 
 
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