メッセージ:2021年1月〜  

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愛知県立芸術大学管弦楽団第32回定期演奏会(2021/11/26)を終えて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 先月来、公演降板で皆様に大変ご心配をおかけしました。昨日11/26の愛知県立芸術大学管弦楽団第32回定期演奏会(愛知県芸術劇場コンサートホール)で、コンサート前半の2曲(ワーグナーの『ローエングリン』第3幕への前奏曲とドヴォルジャークのチェロ協奏曲、チェロ独奏:クラウス・カンギーサー氏)を十束尚宏さんに指揮していただき、私はコンサートの後半3曲、ワーグナーの『タンホイザー』序曲、『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕の前奏曲を指揮いたしました。

愛知県立芸術大学管弦楽団とは、これまでもブラームスやブルックナーを演奏してきて、今回初めて一緒にワーグナーを演奏しました。練習を積むたびに毎回素晴らしく発展していく若々しい学生の皆さんとともに音楽のエネルギーを分かち合うことができ、私にとっても大変やりがいのあるコンサートでした。

名手揃いの先生方のご指導による、たしかな土台があってこそ、全席完売のお客様とともに熱気あふれるコンサートが実現できたと思います。 私をサポートしてくださった十束尚宏さん、愛知県立芸術大学の花崎薫さんを始めとする先生方、学生の皆さんに、心から御礼を申し上げます。 引き続き養生に努め、また各地のコンサートホールで皆様にお会いしたいと思います。
 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第349
回定期演奏会(2021/10/15,16)によせて
−飯守泰次郎−

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小井土文哉さんと
10/15 小井土文哉さんと
 

ブラームス ピアノ協奏曲第2番のステージリハーサル
ピアノ協奏曲第2番のステージリハーサル ピアノ独奏:小井土文哉さん(日立システムズホール仙台)
 

飯守泰次郎です。10月の15日と16日は仙台フィルの定期演奏会を指揮いたします。日立システムズホール仙台の改修工事が完了し、金曜日と土曜日の2回公演が戻ってまいりました。
今回はブラームスを集中してお楽しみいただけるプログラムで、コンサートの前半はソリストに小井土文哉さんをお迎えしてピアノ協奏曲第2番、後半は交響曲第2番を演奏いたします。

2018年に仙台フィルの常任指揮者に就任してから、ベートーヴェンの全交響曲を中心に、ロマン派以降の豊かな交響曲の歴史をともに歩み、現在はブラームスの全交響曲を順に取り上げております。
今回演奏する第2番は、もはや説明の必要もないほど人気のある名交響曲であり、第1番を書き上げて重圧から解放されたブラームスが、こんどは全曲のすべてが自然現象ともいえるような美しい音楽を書いたのです。

コンサートの前半に演奏するピアノ協奏曲第2番は、協奏曲とはいっても交響曲に匹敵する大規模な作品で、ソリストには超絶なヴィルトオーゾ的技巧が要求されます。ソリストの小井土さんは、この難曲を若々しく瑞々しいアプローチで演奏してくださっていますので、私もコンサートがとても楽しみです。

皆様のお越しを、秋の色が深まる森に近い日立システムズホールでお待ちしております。
 

飯守泰次郎

 

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81歳の誕生日を迎えました(2021年9月)

−飯守泰次郎−

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カフェ
81歳になりました
 

テラス、書庫
写真左:テラスにて / 写真右:書庫はまだ引っ越し中です
 

薪ストーヴ用の薪の山です
「ラインの河辺に薪を積み上げて」…ではなく、薪ストーヴ用に丸太を割っていただきました
 

飯守泰次郎です。 おかげさまで本日、無事に81歳の誕生日を迎えることができました。いつも応援し支えてくださる皆様、共に音楽を作ってくださる演奏家の皆様、このページをご覧くださるすべての皆様に、心から御礼を申し上げます。

節目の80歳を迎えた今年の夏から、東京と八ヶ岳の2拠点生活を始めました。以前からこのホームページにも時々登場していた八ヶ岳の小屋は、階段が急で動きづらく感じられてきたこともあり、今回はバリアフリーで、東京の自宅に溢れている楽譜やCDも収めることができる書庫のある家を建てました。
東京と八ヶ岳は車で2時間ちょっとで行き来でき、リモートワークで2拠点生活あるいは移住してくる方々もさらに増えています。

八ヶ岳の麓の気候や自然豊かな住環境は、かつて暮らしていたヨーロッパとよく似ています。きれいな空気の中で、さえずる鳥たちの姿を探しながら林を散歩し、近くの畑で豊かに収穫される新鮮な季節の野菜や地元の食材で心身を養うことができ、じつに健康的な生活です。

81歳を迎えて現役で仕事を続けられていることに、感謝の念を新たにしております。時々、「指揮をしているとき若返っているように見える」と言われることがあって驚くのですが、もしもそう見えるとしたら、それは音楽を通して作曲家からエネルギーを与えられているからです。そのエネルギーを聴衆の皆様にお伝えすることこそ、いままでもこれからも私の喜びです。このホームページのConcertコーナーもご覧いただき、ぜひホールにお越しくださいますよう、心よりお待ちしております。
 

散歩道からの富士山の夕景
散歩道からの富士山の夕景
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルのクラウンドファンディングによせて
(2021年9月)

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が8/23〜10/21の期間、「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」と題してクラウドファンディングを実施中です。
おかげさまで期間半ばで第一目標額を達成でき、ご支援くださる皆様に深く御礼を申し上げます。引き続き NEXT GOAL 2000万円を目標として継続するにあたり、私もメッセージを寄せましたので、ホームページをご覧いただく皆様にもすぐお読みいただけるよう以下に掲載いたします。

***
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎です。このたび、東京シティ・フィル「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」クラウドファンディングに、開始早々より多くのご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。

世界中のオーケストラ、オペラハウスが長期にわたり活動を厳しく制約されている中でも特に、自主運営である東京シティ・フィルは大変な苦境に追い込まれておりますが、たゆまず精力的に演奏を続けております。
本年5月16日には、私の傘寿を記念する特別公演としてコロナ禍以前から企画されていたワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライトを、数々の困難を乗り越えて実現にこぎつけました。世界最高のワーグナー歌手陣を招聘し、販売可能な座席はすべて完売、という熱気に包まれて開催できたこの公演は、まさに東京シティ・フィルのエネルギーが呼び起こした奇跡でした。

約四半世紀前に東京シティ・フィルに出会って以来、私自身このオーケストラに魅了され、以降長く共に歩んでまいりました。先日発売のCD「ブルックナー交響曲選集」12月から始まる「シューマン交響曲ツィクルス」で、ぜひ私たちが積み重ねてきた音楽を聴いていただき、これからも皆様と共に、聴く側も演奏する側も一体となって、自分の感覚を信じ自由に音楽を体験できることを常に願っております。皆様のより一層のご支援を、心よりお願い申し上げます。

桂冠名誉指揮者 飯守泰次郎
***
 

飯守泰次郎

 

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桐朋学園宗次ホール オープニング・コンサート・シリーズ初日
桐朋学園オーケストラ公演(2021/9/8)を終えて

−飯守泰次郎−

 

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終演後に梅津学長、宗次様、小川恭子さん、秋山和慶君と
左から 梅津時比古学長、宗次徳二氏、小川恭子さん、私、秋山和慶くん
 

リハーサル
リハーサル後に写真撮影
 


飯守泰次郎です。昨日9月8日は、桐朋学園宗次ホールのオープニング・コンサート・シリーズ「桐朋学園オーケストラ公演」に出演いたしました。

オープニング・セレモニーの後、モーツァルトのディヴェルティメント K.136を私が指揮し、続いて、秋山和慶くんの指揮、小川恭子さんの独奏でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調が演奏されました。

桐朋学園音楽科はこれまで、学内にホールがありませんでした。このたび、梅津時比古学長を始めとする学校の熱意に応えて、宗次徳二氏が多大なご支援をしてくださり、ついに悲願のホールが完成したのです。世界的建築家の隈研吾氏設計による、木を使った美しいホールで、客席は234席ながら舞台は広く、フル・オーケストラが乗ることができます。

「伝統と革新〜音と共に 木と友に〜」と題されたこのオープニング・シリーズは、昨今の感染状況のため当面は関係者のみのクローズド公演となるとのことで、ホールの詳細等はこちらの桐朋学園のHPでご覧いただければと思います。

同期の秋山くんと一緒に、この記念すべきお祝いのコンサートで演奏できて、とても嬉しく思いました。私たちも、ここで勉強していた頃は、今回のオーケストラの皆さんと同じような年頃でしたが、いまや二人合わせて160歳!です。これからさらに新しい世代の音楽家の皆さんが、このホールから育っていくことでしょう。

 

飯守泰次郎

 

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東海市芸術劇場
名フィル「第九」特別公演(2021/7/25)によせて

−飯守泰次郎−

 

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終演後に声楽陣と
終演後に 左から 与那城敬さん、池田香織さん、私の右が田崎尚美さん、宮里直樹さん、合唱指揮の横田琢哉さん
 


飯守泰次郎です。本日7/25は愛知県の東海市芸術劇場で、名古屋フィルハーモニー交響楽団の「第九」特別公演を指揮いたします。 これは、昨年3月に東海市制50周年およびベートーヴェン生誕250年を記念して開催される予定だった公演が中止になり、1年以上を経てようやく改めて実現にこぎつけたコンサートです。

曲目はベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第3番と、交響曲第9番です。第九のソリストは、田崎尚美さん、池田香織さん、宮里直樹さん、与那城敬さん、と大変豪華な方々をお迎えします。合唱は、この東海市芸術劇場を本拠地にしている東海市民合唱団(合唱指揮は横山琢哉さん)です。

名古屋フィルは私が以前に常任指揮者を務めたオーケストラで、その後も定期的にご一緒してまいりました。今回、久し振りの共演がかない、とても楽しみにしております。

東海市芸術劇場大ホールは、内装に木がふんだんに使われた大変立派で美しいホールで、名鉄太田川駅に直結しており、猛暑の中でも駅から外に出ることなくお越しいただけます。ぜひ、みなさまのお越しをお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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読売日本交響楽団第610回定期演奏会(2021/7/21)によせて

−飯守泰次郎−

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左手をあげて
(C)読売日本交響楽団
 

微笑しながら
(C)読売日本交響楽団
 

カーテンコール
(C)読売日本交響楽団
 

ソロ・カーテンコール
(C)読売日本交響楽団
 


飯守泰次郎です。 本日7/21はサントリーホールで、読売日本交響楽団の定期演奏会を指揮いたします。 モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」と、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」という、古典派と後期ロマン派のコントラストが鮮やかなプログラムです。

作曲家の人格の中に隠された何かがあり、本人も意識しない深い奥底で素晴らしい創造を生み出す、という点において、モーツァルトとブルックナーは共通するところがある、という気がすることがあります。
モーツァルトは、他愛ないおしゃべりをして笑ったり、飲食さえしながらサラサラと、崇高な音楽を書いたことが知られていて、まさに神から与えられた天才です。
ブルックナーは、素朴な人柄で、言動に思慮深さを欠き、俗世間でうまく振る舞えなかったエピソードの数々が伝えられています。巨大で深遠な交響曲の内容とそれらのエピソードがかけ離れている一方、信仰厚いブルックナーは生涯にわたって神と深く結びついていました。
作曲家の無意識の奥底に本能的で人間的な発想が息づいて生まれたかのような名曲は、まさに奇跡です。

「ハフナー」も「ロマンティック」も、私も何度も指揮してきた作品ではありますが、80歳を過ぎても常に、創造的な批判精神をもって自分の音楽を発展させていきたい、前よりもっと深くありたい、と思っています。偉大な作品に、今回改めて非常に新鮮な気持ちで臨んでおります。

読売日本交響楽団とは、もう50年を超える大変長いお付き合いになります。近年も「名曲シリーズ」や新国立劇場『神々の黄昏』でご一緒しているので、今回「46年ぶりに定期演奏会登場」といわれて私の方が驚きました。「定期演奏会」と銘打たれたコンサートに出演するのが1974年以来、ということだそうです。
読響は重厚でパワフルで、輝かしい響きを持つ素晴らしいオーケストラです。ブルックナーの演奏経験も豊富で各セクションが一致団結しており、表現に余裕があります。 2人の作曲家がスコアに記した音楽を、それぞれの様式感をふまえてお伝えできるよう、猛暑の中、連日リハーサルを重ねました。

緊急事態宣言発令下の東京で、このような王道ともいえるプログラムのコンサートを開けることに心から感謝し、サントリーホールで、みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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東京交響楽団第691回定期(6/26サントリーホール) および 川崎定期第80回(6/27ミューザ川崎シンフォニーホール)によせて

−飯守泰次郎−

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6/26 ブルックナー
ブルックナー 交響曲第7番(6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra)
 

6/27 ブルックナー
ブルックナー 交響曲第7番(6/27 ミューザ川崎シンフォニーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra)
 


ハープ 吉野直子さんと
このうえなく美しいハープ独奏を演奏してくださった吉野直子さんと (6/27)

 

6/26 ブルックナー
ブルックナー (6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra)
 

コンサートマスター水谷晃さんと
支えてくださったコンサートマスターの水谷晃さんと思わず肩を組んで
 

6/26カーテンコール
カーテンコールにお応えして(6/26 サントリーホール (C)Tokyo Symphony Orchestra)
 

飯守泰次郎です。6/26はサントリーホール、6/27はミューザ川崎シンフォニーホールで、東京交響楽団の定期演奏会を指揮いたします。前半はカール・ライネッケのハープ協奏曲、後半はブルックナーの交響曲第7番、というプログラムです。

ライネッケは、ブルックナーと同い年(1824年生まれ)のドイツの作曲家で、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」初演を指揮するなど、当時はたいそう活躍した人です。今回演奏するハープ協奏曲は、ホ短調で始まり、第3楽章の最後はホ長調で終わる、美しく、そして聴きやすい作品です。独奏の吉野直子さんはまさにヴェテランであるのみならず、日本を代表する音楽家の一人で、今回ご一緒できて大変嬉しく思います。

ブルックナーはとにかく長くて重厚、と思われがちであり、実際に今回演奏する交響曲第7番も1時間10分を超える長い曲です。 しかし彼の音楽の内容はまさに、時間を忘れる美しさ、奥深さを持っています。終生、カトリックの深い信仰を持っていた彼にとって、巨大な交響曲を作曲することは神との対話であり、祈りそのものだった、と私は思っています。

特に第7番は、「至福の愛」の調性であるホ長調で、まさに愛に満ちた作品です。
第1楽章冒頭のホルンとチェロの上行していくテーマは、まさに天にのぼっていくようです。第2楽章は、敬愛したワーグナーがこの世を去っていく恐怖、そしてついに訃報を受け取った深い喪失感の中で書かれ、「なぜだ!」という葬送の深い悲しみと、天国的なゆったりした3拍子の中間部、まさにこれも信仰と確信の音楽というほかありません。
第3楽章は「聖なる野人」といわれた彼ならではの野性味あふれる円熟したスケルツォで、牧歌的なトリオ(中間部)とのコントラストも見事です。フィナーレは再びホ長調で、彼の無邪気な心が躍動するように始まります。

現代の私たちの多くは都会人ですが、ブルックナーは例えるならば「森の種族」、ごく単純で自然な心で演奏することが求められます。一番大事なことはオーケストラ全体の響きであり、オーケストラ全員が一つの楽器になることです。東京交響楽団の皆さんが非常に熱心に、かつ好奇心をもって一緒に音楽してくださっていて、コンサートが楽しみです。

ブルックナーの交響曲は、広大な自然そのものです。特にこの第7番を演奏するとき私はいつも、人間が天上に向かう、それは愛の力だという気持ちになるのです。宇宙に漂う約70分、ゆったりと身を任せていただければと思います。

 

飯守泰次郎

 

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関西フィルハーモニー管弦楽団 第320回定期演奏会
ドヴォルザーク「スターバト・マーテル」
(2021/6/18)によせて
−飯守泰次郎−

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ソリストの皆さんと
ソリストの皆さんと〜マスクを外したのはこの時だけでした
 

松本シューリヒトさんと
今回アシスタントを務めてくださった松本宗利音さんと
 


飯守泰次郎です。6/18は関西フィルの定期演奏会で、ドヴォルジャークの「スターバト・マーテル」(嘆き悲しむ聖母)を指揮いたします。ソリストにはソプラノ老田裕子さん、アルト八木寿子さん、テノールは関西フィルハーモニー合唱団の指導もしてくださっている畑儀文さん、そしてバリトン与那城敬さんをお迎えしています。

数多くの名曲で知られているドヴォルザークですが、彼の作品の中でもこの「スターバト・マーテル」は特別です。信仰深いクリスチャンだったドヴォルザークは、十字架にかけられた我が子の足元で嘆き悲しむ聖母マリアに寄せたラテン語のテキストに、全10曲、約1時間半を要する、大規模な音楽を書きました。

この作品の作曲中、彼は幼い3人の子を次々に失い、聖母マリアの悲しみと彼自身の悲しみが重なって表現されている、と感じずにはいられません。4人のソリストと合唱とオーケストラは、様々な組み合わせ、調性と拍子で、嘆き、苦しみ、痛みをひたすらに描き尽くします。
限りなく悲しいけれどもこの上なく美しい音楽が私たちを慰め、万人の罪を引き受けて十字架にかけられた救世主への感謝、そして救済という希望を与えてくれるのです。

関西フィルは今春、本拠地を大阪の門真市に移転しました。今回のコンサートに向けて、門真市民文化会館ルミエールホールで行われた昨日6/16と本日6/17のリハーサルの一部が全国に無料ライヴ配信されたのを始め、門真市職員の方の発案で「ホームタウンサポーター制度」が創設されるなど、市をあげて関西フィルを心強くサポートしてくださっています。

厳しいコロナ禍の中で特に関西はコンサートの中止も相次いでいましたが、明日はザ・シンフォニーホールでお客様をお迎えして公演を開催できることになり、すでにチケットも全席完売しているとのことで、ご来場くださる皆様の安全を願い、様々なご事情で来場が叶わない方にも心を寄せて演奏したいと思います。

***6/18コンサートを終えて***

おかげさまで、独唱、合唱団入りの大曲を無事終えることができました。ソリストの皆さんも合唱団もマスクを付けての歌唱という、大変な困難な条件を乗り越え、集中して演奏してくださいました。
ソーシャル・ディスタンスを考慮した配置を試行錯誤しながら、限られた時間でリハーサルを進めていくにあたっては、今回アシスタントを務めてくださった若い優秀な指揮者、松本宗利音(シューリヒト)さんが大活躍してくださり、感謝しています。
関西フィルとの次の演奏会は、10年越しのブルックナー全交響曲チクルスをしめくくる「00番+0番」(第326回定期演奏会 2022/3/25 ザ・シンフォニーホール)です。どうぞご期待ください。


リハーサル配信
門真市民文化会館ルミエールホールからのリハーサル配信(6/16)
 
 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第346
回定期演奏会(2021/6/12)によせて
−飯守泰次郎−

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序曲「1812年」のステージリハーサル
序曲「1812年」のステージリハーサル
 

飯守泰次郎です。 明日6/12は仙台フィルの定期演奏会で、チャイコフスキーの作品2曲のみ、という集中したプログラムを指揮いたします。

仙台フィルの常任指揮者に就任してから3年間、ベートーヴェンの交響曲を柱に、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルジャークなども取り上げてまいりました。そして現在は、ブラームスの全交響曲と、並行してチャイコフスキー後期交響曲(第4、5、6番)という2つのシリーズに取り組んでおります。
今回はチャイコフスキーの交響曲第5番をメインに据え、コンサートの前半に序曲「1812年」という、大変力のこもったプログラムです。

序曲「1812年」は、わかりやすく盛り上がる名曲として人気がある一方、チャイコフスキーがこの音楽を通して描いた人間社会の恐ろしさ、失われた故郷や人々への哀惜、といった作品の本質に到達することはけして容易ではありません。しかし言い換えれば、この作品は「それでも立ち上がる人間のエネルギー」を私たちに示している、といえるのかもしれません。

チャイコフスキーの交響曲第5番も、いまさら私が説明する必要もないほど、ロシアの歴史と自然、民族性などが交響曲の形式で見事に表現されています。私も、指揮するたびに特にのめりこんでしまう作品なのです。

今回の定期演奏会も、仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートです。皆様をコンサートホールでお待ちしております。
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)
を終えて
−飯守泰次郎−

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カーテンコール直後 ワーグナー歌手陣とともに
カーテンコール直後 私の右から ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、妻屋秀和さん、高橋淳さん、その手前が金子美香さん、中島郁子さん、増田のり子さん、一番手前がトマス・コニエチュニーさん
 

ソリストとカヴァー歌手の方々と
最前列 トマス・コニエチュニーさん、私の左が増田のり子さん、右が金子美香さん、中島郁子さん、後列左から今尾滋さん(ジークフリート役カヴァー)、池田香織さん(ブリュンヒルデ役カヴァー)、妻屋秀和さん、ダニエラ・ケーラーさん、シュテファン・グールドさん、高橋淳さん
 

演奏中の写真
(c)K.Miura

飯守泰次郎です。皆様のお力に支えられて、東京シティ・フィル『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会を5/16に終えることができました。

厳しい社会状況の中、このコンサートがほぼ当初の企画通りのかたちで開催できたのはまさに奇跡というほかありません。 支えてくださったすべての方々に、感謝しております。

特に、東京シティ・フィルと私が「オーケストラル・オペラ」の公演を積み重ねてきた東京文化会館で、実際にお客様をお迎えして演奏できたことは、どんなに言葉を尽くしても足りないほど嬉しいことでした。
クラシック音楽の中でも特にオペラは、お客様と舞台との生き生きしたコミュニケーションが大事であることを、改めて感じました。

演奏時間だけでもゆうに3時間を超える巨大なプログラムで、オーケストラの編成もワーグナーのオリジナルに従い巨大な編成でしたが、緊急事態宣言下にもかかわらず、予定した曲目を短縮することなくすべて当初の選曲通りに演奏できたことも、まさに奇跡でした。

この長く重厚なプログラムの約4時間半、東京シティ・フィルは、集中力が途切れることなく、それどころかプログラムが進むにつれてさらに没入し、素晴らしい演奏をしてくれました。以前にオーケストラル・オペラで『指環』を演奏した頃とはメンバーも大きく入れ替わっていますが、経験豊かな団員はもとより、ワーグナーの楽劇に本格的に取り組むのは初めての奏者も、ともに並々ならぬ覚悟を共有して固く結束して臨んでくれたことが、音楽として実を結んだ手ごたえがありました。

『神々の黄昏』のハイライトでは、このコンサートのために結成されて藤丸崇浩さんの合唱指揮でリハーサルを積んだ「ワーグナー特別演奏会合唱団」の皆さんが、『指環』で初めて合唱が登場するギービヒ家の場面を、マスク着用にもかかわらず力強く歌ってくださいました。同じく『黄昏』の「夜明けとジークフリートのラインの旅」では、バンダ(舞台裏)のホルン・ソロを松坂隼さんがいかにもジークフリートらしい勢いで見事に演奏してくださいました。

カメラマンの三浦興一さんが撮影してくださった写真を中心に、コンサートの様子をお伝えいたします。

(下に続く)
 

”ファンファーレ隊” 演奏後
開演前と休憩時のファンファーレ〜東京シティ・フィルの金管奏者の皆さん (c)K.Miura
 


開演前に3回、2回の30分休憩時にそれぞれ1回の計5回、東京シティ・フィルの金管奏者の皆さんが、『指環』から私が選んだライトモティーフ(示導動機)を演奏して華やかさを添え、お客様にも大変好評でした。写真は「ラインの黄金」のライトモティーフを吹いているところです。ちなみに最初の休憩では「ジークフリート」のライトモティーフを、2回目の休憩では「結婚式の呼びかけ」のライトモティーフを演奏しました。ファンファーレ用の楽譜は特別にバイロイト祝祭劇場にご協力いただきました。

(下に続く)

 

”復讐の三重唱” 演奏後
『神々の黄昏』第2幕第5場”復讐の三重唱” 演奏後 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん)、ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩さん) (c)K.Miura
 

ハッピーバースデー
カーテンコール中、突然 Happy Birthdayが始まってびっくり!  (c)K.Miura
 


終演後のカーテンコール中、サプライズで突然、歌手陣と男声コーラスを交え、まるでワーグナーのような重厚な響きで「ハッピーバースデー」が始まり、大変驚き、感激しました。

 

拍手に応えて
熱い拍手に応えて  (c)K.Miura
 

花束をいただきました
巨大なバラの花束のプレゼンターは何とブリュンヒルデ!  (c)K.Miura
 


80本のハート型の真紅のバラ
80本のハート型のバラ

「ハッピーバースデー」の後、ダニエラ・ケーラーさんがプレゼンターで巨大な花束をいただき、さらに驚きました。80歳になってブリュンヒルデから80本もの真紅のバラを贈られるとは想像もせず、いざ受け取ってみるとあまりの重さにいっそうびっくりしました。しかもこの花束は、ご覧の通りハート型でした!

(下に続く)

 

ソロ・カーテンコール
たくさんの拍手どうもありがとうございます   (c)K.Miura
 

ソリスト陣と
ソリスト陣と (c)K.Miura
 

森様、招聘歌手、戸澤さんと
このコンサートの実現に力強いご支援をくださった森静子様、森雅克様と招聘歌手陣、長丁場を支えてくださった私の信頼するコンサートマスターの戸澤哲夫さんと (c)K.Miura
 


大阪で見た虹
大阪で見た虹

この大きなプロジェクトは、コロナ禍のはるか前から準備を始めていました。今年に入ってからも状況がめまぐるしく変わり、招聘歌手陣のヴィザ発給の見込みが不透明なまま、彼らの出国予定日が刻々と近づいていた先月のことです。

私はそのときちょうど大阪に滞在していて、激しい雷雨があったのですが、雷が鳴り嵐が去った後、天空にまたがる大きな虹を見ました。まさに『ラインの黄金』で神々がヴァルハラ城に入城するときに渡る虹の架け橋そのもので、私はこの瞬間、招聘歌手はきっと来日できる、と確信しました。

数日後、文化庁から東京シティ・フィルに連絡が入り、招聘歌手陣のヴィザが発給されることが確定しました。 14日間の待機とリハーサルの期間から逆算したギリギリの出国予定日の3日前のことでした。このコンサートを守ってくださった皆様に、ぜひこの虹をお届けしたいと思います。

改めて、公演当日のプログラム冊子に掲載された私のご挨拶を、以下に掲載いたします。

***
東京シティ・フィル R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)
公演プログラム掲載のご挨拶全文:

本日、この特別なワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライトが実現し、こうしてお客様をお迎えできることはまさに奇跡であり、心からの感謝を込めてご挨拶を申し上げます。
『ニーベルングの指環』は、時代や洋の東西を超えて人類の過去と未来を見通す、巨大な物語です。コロナ禍で、現代社会が抱える問題がこれまで以上に露わになり、『指環』の内容はいっそう切実に私たちに訴えてきます。登場人物が展開する自然破壊、権力抗争、搾取と格差の問題、親子や男女の愛、世代間あるいは兄弟姉妹の争い、憎悪、陰謀、裏切り、復讐…すべては、私たち自身の現実そのものです。ワーグナーは、その全作品を通じて「救済」というテーマを追求し続けました。『指環』は、世界を救うためには何がなされなければならないか追求した壮大な四部作であり、今こそまさに、この作品を聴くべき時なのです。

本日のために世界最高のワーグナー歌手陣が厳格な条件を乗り越えて来日し、日本のワーグナー上演の中核を担う日本人歌手とともに出演いたします。バイロイト祝祭劇場総監督で演出家のカタリーナ・ワーグナー氏が、本公演名誉監督をお引き受け下さっているのも、このコンサートが世界水準のスケールを持つ証です。シュテファン・グールド、トマス・コニエチュニー、ダニエラ・ケーラーというバイロイト音楽祭のスター達を中心とするワーグナー歌唱の真髄を堪能いただけるように、約15時間を濃密な3時間余りに凝縮し、大変贅沢なハイライトを構成いたしました。特に、四部作の中でも舞台上演が困難な後半2つの楽劇『ジークフリート』と『神々の黄昏』に重心を置き、コンサート形式でめったに体験できない名場面も多く盛り込んでおります。
一方、「ワルキューレの騎行」など4曲は、名曲コンサートなどで耳に馴染んでいる管弦楽のみの版でお届けします。オーケストラが主催するワーグナー公演として今回も、以前の「オーケストラル・オペラ」シリーズと同様に、通常のオペラ舞台上演ではオーケストラ・ピットに入っていて見えない管弦楽が舞台に乗っていますので、東京シティ・フィル渾身のワーグナーを、ぜひ視覚的にもお楽しみください。

私は、東京シティ・フィルに初めて出会って以来、このオーケストラのコンサートにいらしてくださるお客様を敬愛し、聴く側も演奏する側も一体となって今この瞬間の演奏に没頭し、自分の感覚を信じて自由に音楽を体験することを常に願ってまいりました。この厳しい社会状況の中、私の80歳の記念にこれほど大規模な公演を実現するためにご支援・ご協力くださった、森静子様、株式会社森ビル代表取締役 森雅克様をはじめ、すべての皆様に、深く御礼申し上げます。 音楽のみならず西洋の精神文化の最高峰のひとつである『指環』を皆様と分かち合うことを通じて、普遍的な人間の叡智が現在の私たちの心に蘇り、力を与え、そして未来への道に繋がる奇跡を起こすことができるのです。

***

 

飯守泰次郎

 

タイトル枠上
タイトル枠左

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その10・ファンファーレのご案内〜

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

タイトル枠下
 


飯守泰次郎です。おはようございます。おかげさまでいよいよ、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会当日を迎えることができました。本日のプログラム冊子にも私からのご挨拶と御礼の言葉を掲載しておりますが、ホームページをご覧くださる皆様、改めて、いつも応援してくださりどうもありがとうございます。

ファンファーレ用の楽譜
ファンファーレ用の楽譜

東京シティ・フィルからもお知らせのとおり、本日は開演前と休憩時に、金管セクションの奏者が舞台上でファンファーレを演奏いたします。今回は特別にバイロイト祝祭劇場からファンファーレ用の楽譜をお借りしております。

演奏するライトモティーフ(示導動機)も私がセレクトいたしましたので、どのモティーフが演奏されるか、楽しみにしていただければと思います。

ファンファーレ隊用の譜面台カバー
ファンファーレ隊用の譜面台カバー


ファンファーレ演奏スケジュール(大ホール舞台上にて):

◆開演前(30分前、20分前、10分前の3回)
ファンファーレ演奏:序夜『ラインの黄金』より

◆休憩1回目(開演10分前)
ファンファーレ演奏:第2日『ジークフリート』より

◆休憩2回目(開演10分前)
ファンファーレ演奏:第3日『神々の黄昏』より

 

飯守泰次郎

 

タイトル枠上
タイトル枠左

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その9〜

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

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飯守泰次郎です。いよいよ明日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会を迎えます。予定通り東京文化会館での公演が実現できることに、心から感謝しております。
明日演奏するプログラムについて、演奏順にしたがって、舞台リハーサルの写真も交えながら簡単に曲目をご紹介します。

まず四部作の冒頭『ラインの黄金』の第1場をカットなしでまるごと、演奏いたします。ラインの乙女たち(増田のり子さん、金子美香さん、中島郁子さん)が「ヴァイア!ヴァーガ!」と楽しげに歌います。彼女たちはニーベルング族のこびとアルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)をさんざんにからかううちに、”愛を断念してラインの黄金から指環を作れば世界が支配できる”という重大な秘密をしゃべってしまい、アルベリヒは黄金を強奪して去っていきます。
 

「ラインの黄金」第1場
「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女(左から 中島郁子さん、金子美香さん、増田のり子さん)、アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)
 


2曲目は管弦楽で「神々のヴァルハラへの入城」、ハープ4台が描く虹の架け橋を神々が意気揚々と渡って新築のヴァルハラ城に入城し、『ラインの黄金』全曲の幕がおりる場面です。

3曲目も管弦楽で、四部作の2番目の楽劇『ワルキューレ』から、第3幕冒頭「ワルキューレの騎行」です。神々の長ヴォータンの娘たちワルキューレは、ティーンエイジャーの女戦士で、次々に天馬を駆って集まってくるシーンです。

4曲目は『ワルキューレ』全曲の幕切れ「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」です。最愛の娘を罰しなければならなくなったヴォータンの「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」を、トマス・コニエチュニーさんが歌いあげてくださいます。

 

ヴォータンの告別
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 


休憩(30分)の後は楽劇『ジークフリート』から4曲のハイライトです。

鍛冶の歌
左から ミーメ(高橋淳さん) ジークフリート
(シュテファン・グールドさん)

ジークフリート(シュテファン・グールドさん)が英雄として最初の奇跡を起こして剣ノートゥングを鍛え直す「鍛冶の歌“ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!”」〜第1幕の幕切れまで、一気におきかせします。狡猾で嫌らしくて危険な存在ながら哀れな役どころのミーメ(高橋淳さん)にもご注目ください。

続いて、ジークフリートが育った深い森の自然、そして母への思慕をオーケストラが描く「森のささやき」を管弦楽版でお届けします。木管楽器が小鳥の歌を演奏し、森を駆け出していく主人公の灼けるような情熱を見事に表現している第2幕幕切れへつなげて演奏します。

ブリュンヒルデの眠る岩山を目指すジークフリートの前に、さすらい人ことヴォータン(トマス・コニエチュニーさん)が立ちはだかる「上の方を見るがよい! 」は、演奏会形式ではまずとりあげられない重要な対決シーンです。スピーディに展開しますので、どうぞお見逃しなく。さすらい人を撃退したジークフリートの眼前に広がる燃え盛る炎を、オーケストラが全開で描きます。

 

祖父と孫の対決
「ジークフリート」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とさすらい人(トマス・コニエチュニーさん)
 

いよいよ、ジークフリートの接吻でブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)が長い眠りから目覚め、「太陽に祝福を!光に祝福を!」と目覚めの喜びを歌います。神性を失ったブリュンヒルデが、彼の激しい求愛を受けて変化していきます。この楽劇『ジークフリート』の幕切れの場面こそ、四部作における幸福と勝利の絶頂なのです。
 

「太陽に挨拶を!」
「ジークフリート」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん)
 

2回目の休憩の後は、『神々の黄昏』から5曲です。まず管弦楽で序幕の「夜明けとジークフリートのラインの旅」に、エンディングとして第1幕の幕切れの激しい音楽につなげて演奏します。

指環を狙う恐ろしいハーゲン(妻屋秀和さん)が登場し、ギービヒ家の家臣(ワーグナー特別演奏会合唱団/合唱指揮:藤丸崇浩さん)を招集する「ホイホー!」で始まる第2幕第3場をまるごと、そして第4場冒頭「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」まで、男声の圧倒的な迫力がホールを埋めつくします。
 

「ホイホー!」全景
「神々の黄昏」第2幕第3場 ハーゲン(妻屋秀和さん)とギービヒ家の家臣たち(ワーグナー特別演奏会合唱団)
 


ギービヒ家の異母兄弟
ハーゲン(妻屋秀和さん)とグンター(トマス・コニエチュニーさん)

復讐の三重唱「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?」で始まる第2幕第5場をまるごとお聴きいただけるのも、今回のハイライトの目玉の一つです。
指環を狙うハーゲンの策略にはまり、ジークフリートに裏切られたと思い込んで怒り狂うブリュンヒルデ、公衆の面前で名誉を失ったグンター(トマス・コニエチュニーさん)による、邪悪な三重唱です。
奸智に長けたハーゲンと情けない御曹司グンターという異父兄弟、そして人格が豹変してしまったかのように荒れ狂うブリュンヒルデの3人が、ジークフリートの殺害へと突き進むドラマティックな三重唱をご堪能ください。

 

「復讐の三重唱」
「神々の黄昏」第2幕第5場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)とハーゲン、グンター
 


「ジークフリートの死と葬送」も、今回のハイライトでは贅沢に、ジークフリートの武勇談に家臣たち(ワーグナー特別演奏会合唱団)が次を促す「それから小鳥は何と?」からお聴きください。シュテファン・グールドさん演じるジークフリートの絶唱、そして管弦楽が英雄の死に至る四部作全体を壮大に悲劇的に回顧するのです。

 

「ジークフリートの死」全景
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン、グンター、家臣たち
 

ジークフリートの絶唱
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)の絶唱
 


最後をしめくくるのはもちろん、四部作全体のフィナーレである「ブリュンヒルデの自己犠牲」です。すべてを悟ったブリュンヒルデが「太い薪を積み上げよ」と進み出て、自ら炎に身を投じ、指環をライン川に返すのです。これから世界の歌劇場でこの役でひっぱりだこになると思われる、ダニエラ・ケーラーさんの歌唱を存分にご堪能ください。

 

「自己犠牲」
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


それでは明日、東京文化会館で、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その8・通し稽古

−飯守泰次郎−

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「ラインの黄金」のリハーサル風景
「ラインの黄金」第1場 ラインの乙女たち〜左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん)
 

「ヴォータンの告別」のリハーサル風景
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 

ハープ4台の風景
ハープ4台の大活躍にもご期待ください
 

「鍛冶の歌」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第1場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん)とミーメ(高橋淳さん)
 

「上の方を見るがよい!」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート
 

「愛の二重唱」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「ホイホー!」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団〜手前の奏者が吹いている昔風の管楽器はシュティーアホルン
 

「復讐のテルツェット」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 

「自己犠牲」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向けて、通し稽古を行いました。

本公演のプログラムは下記の通り、2回の休憩をはさむ3部構成で、『指環』全体がそうであるように後半に行くほど重厚なドラマが展開いたします。

『ラインの黄金』と『ワルキューレ』から各2曲の計4曲(「神々のヴァルハラへの入城」「ワルキューレの騎行」は管弦楽のみ)
〜休憩〜
『ジークフリート』から4曲(「森のささやき」は管弦楽のみ)
〜再び休憩〜
『神々の黄昏』から5曲(「夜明けとジークフリートのラインの旅」は管弦楽のみ)

バイロイトのスター歌手たちの世界最高の歌唱を中心に、『指環』の名場面が息つく間もなく続く、大変濃厚なコンサートです。それだけに私たち演奏家に求められるエネルギーは並大抵ではありませんが、この特別なプログラムの内容をお客様にお伝えできるよう、ますます熱気溢れるリハーサルの毎日です。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その7・歌合わせ2日目

−飯守泰次郎−

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「ラインの黄金」のリハーサル風景
「ラインの黄金」第1場 左から フロースヒルデ(中島郁子さん) ヴェルグンデ(金子美香さん) ヴォークリンデ(増田のり子さん) アルベリヒ(トマス・コニエチュニーさん)
 

「ヴォータンの告別」のリハーサル風景
「ワルキューレ」第3幕第3場 ヴォータンの告別(トマス・コニエチュニーさん)
 

「鍛冶の歌」のリハーサル風景
「ジークフリート」第1幕第3場 ジークフリート(シュテファン・グールドさん) ミーメ(高橋淳さん)
 

「上の方を見るがよい!」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート
 

「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「ホイホー!」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第3場 「ホイホー!」ハーゲン(妻屋秀和さん)、ワーグナー特別演奏会合唱団
 

「復讐のテルツェット」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第2幕第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか」〜 ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 

「ジークフリートの死」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第2場「ジークフリートの死」〜ジークフリート、ハーゲン、グンター
 

「自己犠牲」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第3場 ブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、歌合わせ2日目の写真をお届けします。

今回のプログラムは、歌手入りの曲が9曲、管弦楽のみが4曲で、合計13曲あります。歌合わせでは歌入りの曲を集中して練習しました。次はハウプト・プローベ(通し稽古)です。
おかげさまでチケットが全席完売したとのことで、ご期待に応える演奏にしたい、と一同ますます張り切っております。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その6・歌合わせ

−飯守泰次郎−

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「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第2場 さすらい人(トマス・コニエチュニーさん)とジークフリート(シュテファン・グールドさん)
 

「ジークフリート」のリハーサル風景
「ジークフリート」第3幕第3場 ジークフリートとブリュンヒルデ(ダニエラ・ケーラーさん)
 

「神々の黄昏」のリハーサル風景
「神々の黄昏」第3幕第2場 ジークフリート、ハーゲン(妻屋秀和さん)、グンター(トマス・コニエチュニーさん)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、いよいよ歌合わせが始まりました。

この1回のコンサートのために先月末から2週間の待機期間を終えた、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんという、まさに世界最高の素晴らしいワーグナー歌手を私たちのリハーサルの場についにお迎えすることができ、この上なく嬉しく思います。
エネルギッシュな日本のワーグナー歌手陣と合唱団も合流し、昨日は全曲を通して練習しました。

これから本番に向けて、さらに集中したリハーサルを続けてまいります。これからも写真を含めてお伝えできればと思いますので、5/16のコンサート当日までどうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その5・オーケストラとのリハーサル〜

−飯守泰次郎−

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「ワルキューレの騎行」のリハーサル風景
「ワルキューレの騎行」
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』 ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、連日、オーケストラと集中した練習が続いております。

コンサートマスターの戸澤哲夫さんを筆頭に、オーケストラル・オペラ(2000〜2003年)で四部作を演奏されている経験豊富なヴェテラン団員と、オーケストラの伝統を新たに創る意欲と好奇心に溢れるフレッシュな団員が一体となって、巨大な四部作のハイライトにチャレンジする毎日です。

今回お届けするプログラムは、「ワルキューレの騎行」のように名曲コンサート等で演奏される機会の多い曲はもちろん、そればかりでなく楽劇全曲の中から、シンフォニー・オーケストラではほとんど演奏する機会のない特別な名場面もふんだんに選んでいます。 それだけに、ドラマに由来する必然的な音楽の「揺れ」が求められる部分が多くなります。
小節の中の音型ひとつにも、また全体の大きな音楽の流れにも、それぞれ「揺れ」があり、交響曲などのシンフォニックな音楽の感覚だけでは対応しきれない難しさがあります。周囲に耳を傾け聴きあいながらその瞬間瞬間のアンサンブルを作っていく、非常な集中力の持続と感性のアンテナが必要です。

もちろんワーグナーですので、示導動機(ライトモティーフ)の重要性は言うまでもありません。示導動機は、音楽的なテーマという次元をはるかに超越し、聴き手に理念を提示する、という精神的な機能をもっており、しばしば全オーケストラを率いる役割を担います。
断片的に提示される場合も含め、示導動機を演奏するパートはそのことを自覚し、オーケストラの中で立体的に浮き立って聴き手に届ける、という意思が求められるのです。

オーケストラ練習も残すところ1日、そしていよいよ、待機期間を乗り越えた「神々族」の歌手、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんをはじめとして8人のワーグナー歌手陣と、ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮は藤丸崇浩さん)をお迎えして歌合わせが始まります。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その4・招聘歌手陣来日!〜

−飯守泰次郎−

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『神々の黄昏』の音楽稽古〜 ハーゲン役・妻屋秀和さんと特別合唱団
『神々の黄昏』の音楽稽古〜ハーゲン役・妻屋秀和さんと特別合唱団の皆さん
 


飯守泰次郎です。さきほど東京シティ・フィルのHPでお知らせがありました通り、この特別なハイライトのために、シュテファン・グールドさん、トマス・コニエチュニーさん、ダニエラ・ケーラーさんという世界最高のワーグナー歌手陣が、アメリカ、ポーランド、ドイツから、極めて厳格な手続きを乗り越えて来日され、定められた14日間の待機期間に入られています。現在、緊急事態宣言下であり、待機中の行動も非常に厳しい状況にもかかわらず出演を決断し、1日の公演のために細心の準備をして来日してくださったことに、深く感謝しています。

ハーゲン役が予定されていたアルベルト・ペーゼンドルファーさんも直前まで来日に備えてくださいましたが残念ながら体調不良のため出演が叶わなくなり、新国立劇場で私とも数多く共演している日本の誇るバス歌手、妻屋秀和さんが出演してくださることになりました。昨日も『神々の黄昏』の音楽稽古で、このコンサートのための特別合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩さん)と共に、ギービヒ家の場面を集中して稽古しました。

この1年、世界的にオペラ、特に大編成のワーグナーの上演の価値ある歴史を継続することが危機的な状況にある中、歌手陣のヴィザ取得にご尽力くださった関係省庁各位に深く御礼を申し上げます。また、日々大きく流動する情勢の中、彼らの来日を実現するための交渉と手続を、試行錯誤を経て成し遂げてくださった、東京シティ・フィルの事務局と関係者の方々の多大なご尽力に、心より感謝いたします。最高のワーグナーを堪能いただけるよう力を尽くしますので、どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

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第59回大阪国際フェスティバル2021
「4オケの4大シンフォニー2021」(2021/4/17)によせて

−飯守泰次郎−

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関フィルとのリハーサル
関西フィルとシベリウス:交響曲第2番のリハーサル
 


飯守泰次郎です。4/17に開催される大阪国際フェスティバル2021「4オケの4大シンフォニー2021」のリハーサルで大阪に来ております。

4つのオーケストラが一堂に会して順に演奏するという、想像もつかないような発想で始まったこのプロジェクトも、すっかり定着しました。 今年は「古典をめぐる旅」と題して、各オーケストラが1曲ずつ交響曲をおきかせします。

まず日本センチュリー交響楽団が久石譲さんの指揮でベートーヴェンの交響曲第8番、 続いて大阪フィルハーモニー交響楽団が尾高忠明さんの指揮でショスタコーヴィチの交響曲第5番、大阪交響楽団は大山平一郎さんの指揮でメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」、そして私は関西フィルハーモニー管弦楽団を指揮してシベリウスの交響曲第2番を演奏致します。

このコンサートのチラシに寄せた私のメッセージを、ホームページをご覧くださるみなさまにもお読みいただけるように、下記に掲載いたします。感染状況がひっ迫している中でお越しくださるお客様のご無事を祈り、私たち演奏家もそれぞれ細心の注意をして、様々なご事情でお越しいただけないお客様にも心を寄せながら音楽の喜びを広く深く共有したいと思います。

*** 本公演のチラシに寄せたメッセージ***

2021年の春、私は新たな気持ちをもって、いかにも大阪らしい華やかで大胆なこの「4オケ」コンサートに取り組みたい、と意気込んでおります。私は、民族に深く根差している国民楽派の音楽が大好きで、関西フィルと長い時間をかけて積み重ねてきたレパートリーの大きな柱の一つでもあります。その中でも特に愛着をもっているシベリウスの作品から、交響曲第2番を選びました。寒くて暗く長いフィンランドの冬、しかしそれを追い払うかのような、シベリウスの音楽の熱狂的なエネルギーを、関西フィルと共に皆様にお届けしたいと思います。

 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その3・音楽稽古『ラインの黄金』〜

−飯守泰次郎−

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打ち合わせの様子
ラインの乙女たち 左から中島郁子さん(フロースヒルデ)、金子美香さん(ヴェルグンデ)、増田のり子さん(ヴォークリンデ)
 


飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向け、日本人キャストの皆さんとの音楽稽古を先月からスタートしております。
昨日は『ラインの黄金』第1場を中心に集中して稽古いたしました。女声三重唱の稽古となると華やかで、私もつい時間を忘れて力が入ってしまいました。

私は、歌手と音楽を作り上げるこの音楽稽古の段階を大切にしています。演奏会形式の公演であっても必ず、オーケストラとのリハーサルに先立って、長い期間かけて歌手との稽古を積みます。
もちろん今回の公演に関わる日本人歌手の皆さんは各方面でひっぱりだこの方々で、パズルのようなスケジュールを調整しながら、場面ごとの出演歌手が揃うようにして、お互いの歌詞に込められた心情の変化や、役柄にふさわしい発音など、音符ひとつひとつを吟味していきます。 オーケストラがいない代わり、ピアニストが私の指揮を見て伴奏します。

『ラインの黄金』第1場は、ラインの川底でラインの乙女たちに守られていた黄金が、ニーベルング族のアルベリヒに強奪されてしまう、物語の発端となる場面です。
といっても途中までは3人の乙女がアルベリヒをからかう、まるでディズニーランドのような楽しげな“おふざけ”です。ラインの乙女たちはいわば“チャキチャキ”した気質の娘たちであり、歌唱のうえでは正確に自分の出番に入るというより、飛び込んできて歌い、次に歌う相手に投げる、というような、楽譜に書ききれない“揺れ”が必要です。ドイツ語の言葉がはっきり聞こえるように、歌うより「喋る」、という意識も求め られます。
必ずしも上品ではない場面では「アンタ、アタシたちのこと好きなんでしょ!」とでもいうような軽いニュアンスを出したいですし、一方で「愛を断念した者」だけが世界を支配する無限の権力を持つ指環を作る、という重大な秘密を口に出してしまう部分は、大変注意深く表現する必要があります。

ラインの乙女は無垢な三和音の三重唱も多く、ヴォークリンデの増田のり子さん、ヴェルグンデの金子美香さん、フロースヒルデの中島郁子さんが、素晴らしいチームワークで取り組んでくださっていて、私も大変期待しているのです。

 

飯守泰次郎

 
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その2・演奏曲目について〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)で演奏する全ての曲目が、東京シティ・フィルのHPにて発表されております。 私のHPをご覧くださる皆様にも直接ご案内したいと思い、こちらにも掲載いたします。

ショット版のワーグナーのスコアを前に
ショット版のワーグナーのスコアを前に
((C)武藤章)

コロナ禍で世界が激動する現在、『ニーベルングの指環』の内容はこれまで以上に切実に私たちに訴えかけてきます。 人類の先行きが見えない今こそまさに、ぜひ一人でも多くの方に『指環』の世界を体験していただきたいのです。

『指環』は全部で15時間超を要する大作ですので、ハイライトで演奏するにも色々な考え方があります。 今回は何といっても、バイロイト音楽祭のスター級を含むワーグナー歌手陣を迎えるということで、 世界最高のワーグナーの歌唱で『指環』の名場面を凝縮して体験していただくことに最もこだわって選曲しました。

まずやはり、私が新国立劇場で指揮した『指環』四部作全部にテノールの主役で出演してくださった シュテファン・グールドさんの当たり役である『ジークフリート』のタイトルロールを満喫していただきたいと思います。 「鍛冶の歌」(第1幕第1場)や、祖父であるさすらい人(実はヴォータン)を打ち負かす場面(第3幕第2場)など、 演奏会形式のハイライトでは滅多に演奏されないジークフリートの名場面が多く入っております。
相手役のブリュンヒルデに、新しい世代のワーグナー歌手のライジング・スター、ダニエラ・ケーラーさんをお招きできるのも大変嬉しいことです。

四部作を抜粋すると、通常は『ワルキューレ』第1幕の愛の二重唱が入るものですが、この幕はワーグナーの中でも最も演奏機会の多い幕ともいえるくらいです。 そこで思い切って趣向を変え、舞台上演が困難な『神々の黄昏』から多くの場面を選びました。
ハーゲンは、ワーグナーが創作した数々の登場人物の中でも最も恐ろしい悪役ですが、ギービヒ家の家来たちの人心を完全に掌握してあたかも人気者であるかのように感じさせるほど、男声合唱との「ホイホー!」は圧倒的な名場面であり、この第2幕第3場をまるごとおきかせします。ハーゲンは、以前に私の指揮で冷酷で迫力のあるハーゲンを見事に歌ってくださった、アルベルト・ペーゼンドルファーさんです。

今回は3時間余りのハイライトですが、四部作の冒頭、そして四つの楽劇それぞれの最終幕の最終場面がすべて含まれているので、あたかも全幕を聴いたかのような満腹感もお楽しみいただけると思います。 このような贅沢でバランスのとれた抜粋が可能になったのは、アルベリヒ、ヴォータン、グンターという異なる3役をそれぞれ見事に歌ってくださる、トマス・コニエチュニーさんの存在あってのことです。

このコンサートの魅力をお伝えするとどんどん長くなってしまいますので、これからも何度かに分けてこちらのHPでもお知らせしてまいります。

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プログラム:

序夜『ラインの黄金』より
―序奏〜第1場「ヴァイア!ヴァーガ!…」〜アルベリヒの黄金強奪 (ラインの乙女たち、アルベリヒ)
―第4場 神々のヴァルハラへの入城 (管弦楽)

第1日『ワルキューレ』より
―第3幕 第1場 ワルキューレの騎行(管弦楽)
―第3幕 第3場 ヴォータンの別れと魔の炎の音楽 「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」(ヴォータン)

第2日『ジークフリート』より
―第1幕 第3場 ジークフリートの鍛冶の歌 「ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…」(ジークフリート、ミーメ)
―第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)
―第3幕 第2場 「上の方を見るがよい!… 」(さすらい人、ジークフリート)
―第3幕 第3場 「太陽に祝福を!光に祝福を!…」(ブリュンヒルデ、ジークフリート)

第3日『神々の黄昏』より
―序幕より 夜明けとジークフリートのラインの旅(管弦楽)
―第2幕 第3場「ホイホー!…」 〜第4場「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」(ハーゲン、男声合唱)
―第2幕 第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター)
―第3幕 第2場「それから小鳥は何と?…」〜ジークフリートの死と葬送(ジークフリート、ハーゲン、グンター、男声合唱)
―第3幕 第3場 「太い薪を積み上げよ…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン)

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飯守泰次郎

 
タイトル枠上
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて〜その1〜

−飯守泰次郎−

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打ち合わせの様子
特殊楽器の配置なども細かく打ち合わせ
 


飯守泰次郎です。先日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向けて、オーケストラの楽譜や舞台などについて詳細を詰める打ち合わせを致しました。

東京シティ・フィルと私は、”オーケストラル・オペラ”と銘打ったセミ・ステージ形式による『ニーベルングの指環』四部作を、2000年から4年がかりで東京文化会館で演奏しました。その後、2004年『ローエングリン』(東京文化会館)、2005年『パルジファル』(日生劇場)、2008年『トリスタンとイゾルデ』(ティアラこうとう)、と同様の形式で演奏しました。

以来約十数年ぶりに今回、私の傘寿を記念する特別演奏会ということで、世界最高のワーグナー歌手陣を招いて『指環』のハイライトを演奏することになりました。
四部作全部を合計すると約16時間近くかかる『指環』の名場面を、約3時間超の豪華なハイライトでお届けします。

『ラインの黄金』の冒頭から、四部作を締めくくる『神々の黄昏』の”ブリュンヒルデの自己犠牲”まで、オーケストラ・コンサートでおなじみの”ワルキューレの騎行”などもまじえながら、ワーグナーが初めての方から熱心なワグネリアンの方まで、どなたにも物語のエッセンスを凝縮して楽しんでいただけるよう、演奏する部分もこだわって選曲しております。特に『ジークフリート』『神々の黄昏』に比重を置いて、聴きごたえがありながら演奏会形式ではなかなか演奏できない名場面を選び抜いておりますので、どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 
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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第343回定期演奏会(2021/2/13)によせて

−飯守泰次郎−

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ベートーヴェン交響曲第1番ゲネプロ
仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールでベートーヴェン交響曲第1番のゲネプロ中
 

飯守泰次郎です。仙台フィルの定期演奏会(2/13)のため、仙台に滞在しております。

今回のコンサートではまず、没後25年を迎える武満徹さんの代表作「弦楽のためのレクイエム」を演奏致します。
武満さんの作品がいまも広く愛され、世界各国で演奏され続けているのは、最新の手法や自分の個性を前面に打ち出す現代音楽ではなく、 ひたすら彼自身の内面を通して自然・宇宙というようなものを発信するかのように自然に書かれた音楽だからではないか、と私は感じます。
「弦楽のためのレクイエム」も、折に触れて演奏してきた大好きな作品です。

2曲目は、仙台フィルの常任指揮者就任以来、継続して柱として取り組んでいるベートーヴェンの交響曲で、今回は第1番です。
ハイドン、モーツァルトが確立した古典派の交響曲の伝統の枠組みの中で、すでにまぎれもないベートーヴェンらしさが表れている野心作です。

コンサートの後半は、仙台フィルとの新たな「チャイコフスキー後期交響曲シリーズ」の初回として第6番「悲愴」を演奏します。 いうまでもなくチャイコフスキーは、ロシアの交響曲を確立した作曲家であり、その音楽の内容はロシアの厳しい自然と悲劇的な民族の歴史と深く結びついているのです。

日立システムズホール仙台が改修工事中とのことで、今回の定期演奏会は仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートとなります。 コロナ禍の中で演奏会にお越しくださる皆様の安全をお祈りしながら、ホールでお目にかかれることを楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 
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新国立劇場『ワルキューレ』(2021年3月公演)降板のご報告

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。3月の新国立劇場『ワルキューレ』を降板することになり、皆様にご心配をお掛けしております。
昨年12月に急性胆嚢炎の手術を受け、退院後はリハビリテーションに努め、おかげさまで1月に予定されていた4公演を無事に終えることができました。
しかし、公演時間5時間半を要するワーグナー楽劇全曲となると、要求される体力はフルマラソンにも匹敵する苛酷さとなります。 さらに今回の『ワルキューレ』は5回公演という規模の大きさであり、ドクターとも相談を重ねた結果、大変残念ながら、手術後の私の現在の体力を考慮し降板させていただくこととなりました。
公演を楽しみにしてくださっている皆様のご期待に応えることができず大変申し訳ありませんが、またコンサートでお会いする日を心より楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第339回定期演奏会(2021/1/29)によせて

−飯守泰次郎−

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亀井聖矢さんと
ショパンのピアノ協奏曲終演後に亀井聖矢さんと
 

ティアラこうとうでリハーサル
ティアラこうとうでリハーサル

飯守泰次郎です。1/29は東京シティ・フィルの定期演奏会をサントリーホールで指揮致します。

プログラムは、まずモーツァルトの「劇場支配人」序曲、次にショパンのピアノ協奏曲第1番でソリストに亀井聖矢さんをお迎えし、コンサート後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。

「劇場支配人」序曲は、曲名だけだとあまり知られていない印象があるかもしれませんが、実際にお聴きになると意外と耳になじみのある曲ではないかと思います。モーツァルトのハ長調らしい生き生きとした、コンサートの幕あけにぴったりの小品です。

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、押しも押されぬ最高のピアノ協奏曲です。
ソリストの亀井聖矢さんが、今年20歳という若さでこの難曲をここまで自由自在に弾きこなしていらっしゃるのは、とても素晴らしいことです。
この作品は、まさにショパンが20歳の時に作曲されて作曲者自身の独奏で初演されました。同じ年ごろの亀井さんのフレッシュな演奏に私もおおいに刺激を受けており、コンサートがとても楽しみです。

チャイコフスキーの交響曲第5番は、冒頭に提示されるホ短調の「運命の動機」が、第2楽章にも、第3楽章の優雅なワルツにも現れ、第4楽章ではホ長調に転じて最後は熱狂的に閉じられます。
私は、約15年間にわたって東京シティ・フィルの常任指揮者を務めた最後のシーズン(2011〜12)に、チャイコフスキーの交響曲全曲チクルスを行い、ライヴCDが交響曲全集として発売されるなど大変ご好評いただきました。
気づけばもう10年になりますが、いわゆる華やかで聴きばえのする名曲として演奏するのではなく、ロシアの悲劇的な歴史と北国の厳しい自然環境から生み出されたチャイコフスキーの音楽のロシア的な本質に肉薄したい、という思いをさらに追求し、連日のリハーサルを重ねてまいりました。
コンサートマスターの戸澤哲夫さんを中心に、私の音楽を全身で体現してくださる東京シティ・フィルとのチャイコフスキーに、どうぞご期待ください。
 

飯守泰次郎

 

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第58回大阪国際フェスティバル2020
「ワーグナー特別演奏会」(2021/1/23)に向けて

−飯守泰次郎−

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終演直後に
1/23 コンサート終演直後に 池田香織さん、ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんと
 

クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
 

飯守泰次郎です。第58回大阪国際フェスティバル2020・関西フィルハーモニー管弦楽団創立50周年記念「ワーグナー特別演奏会」が、 いよいよ今週末1/23土曜日に迫ってまいりました。 会場はザ・シンフォニーホールです。

池田香織さんと
池田香織さんとのピアノ稽古で


この演奏会は、昨年の5月に予定されていた『ニーベルングの指環』ハイライト(演奏会形式)の代替公演です。 企画当初は想像もしなかった多くの困難を一つ一つ乗り越えてきました。 私が桂冠名誉指揮者を務める関西フィルと20年以上一緒に共演して培ってきた音楽、 特にドイツ・ロマン派のオペラの演奏会式上演で積み重ねてきた成果を、ワーグナーに集中したプログラムでお楽しみいただく、 という核心を貫いて実現にこぎつけたコンサートです。

プログラム前半は、『タンホイザー』から序曲、“歌の殿堂のアリア”、“夕星の歌”、そして『トリスタンとイゾルデ』から前奏曲と“愛の死”、の4曲です。
後半は「ニーベルングの指環」から4つの名場面を選び抜き、『ワルキューレ』から“ワルキューレの騎行”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”、 『神々の黄昏』から“ジークフリートの葬送行進曲”と“ブリュンヒルデの自己犠牲”をお送りします。

4人のワーグナー歌手 左はバリトンのカヴァー青山貴さん
国内外のワーグナー歌手が一堂に会して〜向かって左はバリトンのカヴァー青山貴さん

この8曲でワーグナーの創作の初期、中期、後期それぞれのエッセンスを堪能していただけるプログラムです。

“夕星の歌”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”を歌ってくださる ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんは、このコンサートに何としても出演する、 という強い意志のもと、予定されたスケジュールを前倒して所定の隔離期間を受け入れて来日してくださっています。 こちらに力強いメッセージを寄せてくださっていますので、ぜひご覧ください。

“歌の殿堂のアリア”、イゾルデの“愛の死”、“ブリュンヒルデの自己犠牲”を歌ってくださる池田香織さんは、 日本のワーグナー上演を支える代表的な歌手の一人です。
彼女のキャリアの初期から長年ご一緒してきて、まさに円熟の時を迎えている今、 これまでの表現をさらに深めた歌唱を聴かせてくださることを期待しています。

管弦楽曲も3曲
管弦楽のみで堪能いただく3曲もどうぞご期待ください


引き続き、関西フィルとのリハーサルの様子なども、お伝えしていればと思います。

(*1/23追記)おかげさまでこのコンサートは前売券は完売し、僅少ながら当日券が販売されるとのことです。詳細は関西フィルのSNSでのご案内をご覧ください。
この演奏会がやっと実現でき、嬉しいかぎりです。今回もご来場くださる皆様の安全と願うとともに、様々なご事情でお越しになれない皆様にも心を寄せながら演奏いたします。
 

飯守泰次郎

 

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新交響楽団第252回演奏会(2021/1/17)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 本日1/17は新交響楽団とのコンサートで、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲を指揮いたします。

「わが祖国」の中では2曲目の「ヴルタヴァ」(モルダウ)が特によく演奏されますが、近年は、6曲あるこの大作が全曲演奏される機会も増えてきたように思います。 この1つの作品で、スメタナが生まれたボヘミアの歴史と自然、民族のすべてが表現し尽くされている、といっても過言ではありません。
プラハ市街を望む“ヴィシェフラド”(高い城)を象徴するモティーフが、示導動機のように全曲に統一感を与え、民族を超えてだれもが心打たれる圧倒的な名曲です。

新響とはもう30年近いお付き合いになります。 昨年の7月にはブルックナーの序曲ト短調、「ヘルゴラント」、交響曲第9番という徹底したプログラムのコンサートを予定していましたが、コロナ禍で中止となりました。 今回は昨年の12月から私とのリハーサルも長い期間をかけて準備してきましたので、厳しい状況の中ではありますがコンサートが実現できることを嬉しく思います。

様々なご事情で東京芸術劇場までお越しになれないお客様にも思いを寄せながら、演奏したいと思います。 ご来場くださるお客様、どうかくれぐれもお気を付けてお越しください
 

飯守泰次郎

 

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東京文化会館《響の森》Vol.47
「ニューイヤーコンサート2021」(2021/1/3)にむけて

−飯守泰次郎−

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小川典子さんと
新年にふさわしい華やかな「皇帝」を演奏してくださった小川典子さんと
 

コンサートマスター山本友重さんと
東京都交響楽団コンサートマスターの山本友重さんと
 

都響とのリハーサル
都響とのリハーサル

飯守泰次郎です。 新年明けましておめでとうございます。例年とは全く異なるお正月となりましたが、皆様がお健やかに新年を迎えていらっしゃることを願うばかりです。

昨年は公演降板で大変ご心配をおかけしました。お蔭様で私は先月上旬に急性胆嚢炎の手術が無事に終わり、以降慎重にリハビリに努めてまいりました。
明日1/3は、東京文化会館《響の森》「ニューイヤーコンサート」で東京都交響楽団を指揮いたします。
前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、 後半はワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より 第1幕への前奏曲と 歌劇『タンホイザー』序曲 、というプログラムです。

「皇帝」では、小川典子さんと初めて共演します。 小川さんは国際的に長く活躍していらっしゃる、文字通り日本を代表するピアニストで、レパートリーも幅広いので、「皇帝」でどんな表現をしてくださるか、とても楽しみです。

都響は歴史的にマーラー、ブルックナーをはじめ、シンフォニー・オーケストラの大曲の経験が豊かで、ワーグナーを余裕をもって演奏できる優秀なオーケストラです。 すでに何度もワーグナー作品でもご一緒しており、『ニーベルングの指環』の抜粋などのライヴが2枚のCDになって、大変ご好評をいただいています。 世界的にも演奏機会が激減しているであろうワーグナーをお聴かせできる喜びを、新たにしております。

今年はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートも無観客で行われたほどの未曾有の状況での幕開けとなりました。 それだけに明日、私が若い頃から数え切れないほど演奏してきている東京文化会館に、お客様をお迎えしてニューイヤーコンサートをお楽しみいただけることは、 まさにかけがえのないことだと思います。 ホールからのご案内も改めてご確認のうえ、どうかご無理のないようにお気を付けてお越しいただき、皆様とお目にかかれますように願っております。
 

富士山
 

飯守泰次郎

 
 
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