メッセージ:2021年1月〜3月  

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会 (2021/5/16 東京文化会館)に向けて
〜その2・演奏曲目について〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)で演奏する全ての曲目が、東京シティ・フィルのHPにて発表されております。 私のHPをご覧くださる皆様にも直接ご案内したいと思い、こちらにも掲載いたします。

ショット版のワーグナーのスコアを前に
ショット版のワーグナーのスコアを前に
((C)武藤章)

コロナ禍で世界が激動する現在、『ニーベルングの指環』の内容はこれまで以上に切実に私たちに訴えかけてきます。 人類の先行きが見えない今こそまさに、ぜひ一人でも多くの方に『指環』の世界を体験していただきたいのです。

『指環』は全部で15時間超を要する大作ですので、ハイライトで演奏するにも色々な考え方があります。 今回は何といっても、バイロイト音楽祭のスター級を含むワーグナー歌手陣を迎えるということで、 世界最高のワーグナーの歌唱で『指環』の名場面を凝縮して体験していただくことに最もこだわって選曲しました。

まずやはり、私が新国立劇場で指揮した『指環』四部作全部にテノールの主役で出演してくださった シュテファン・グールドさんの当たり役である『ジークフリート』のタイトルロールを満喫していただきたいと思います。 「鍛冶の歌」(第1幕第1場)や、祖父であるさすらい人(実はヴォータン)を打ち負かす場面(第3幕第2場)など、 演奏会形式のハイライトでは滅多に演奏されないジークフリートの名場面が多く入っております。
相手役のブリュンヒルデに、新しい世代のワーグナー歌手のライジング・スター、ダニエラ・ケーラーさんをお招きできるのも大変嬉しいことです。

四部作を抜粋すると、通常は『ワルキューレ』第1幕の愛の二重唱が入るものですが、この幕はワーグナーの中でも最も演奏機会の多い幕ともいえるくらいです。 そこで思い切って趣向を変え、舞台上演が困難な『神々の黄昏』から多くの場面を選びました。
ハーゲンは、ワーグナーが創作した数々の登場人物の中でも最も恐ろしい悪役ですが、ギービヒ家の家来たちの人心を完全に掌握してあたかも人気者であるかのように感じさせるほど、男声合唱との「ホイホー!」は圧倒的な名場面であり、この第2幕第3場をまるごとおきかせします。ハーゲンは、以前に私の指揮で冷酷で迫力のあるハーゲンを見事に歌ってくださった、アルベルト・ペーゼンドルファーさんです。

今回は3時間余りのハイライトですが、四部作の冒頭、そして四つの楽劇それぞれの最終幕の最終場面がすべて含まれているので、あたかも全幕を聴いたかのような満腹感もお楽しみいただけると思います。 このような贅沢でバランスのとれた抜粋が可能になったのは、アルベリヒ、ヴォータン、グンターという異なる3役をそれぞれ見事に歌ってくださる、トマス・コニエチュニーさんの存在あってのことです。

このコンサートの魅力をお伝えするとどんどん長くなってしまいますので、これからも何度かに分けてこちらのHPでもお知らせしてまいります。

***
プログラム:

序夜『ラインの黄金』より
―序奏〜第1場「ヴァイア!ヴァーガ!…」〜アルベリヒの黄金強奪 (ラインの乙女たち、アルベリヒ)
―第4場 神々のヴァルハラへの入城 (管弦楽)

第1日『ワルキューレ』より
―第3幕 第1場 ワルキューレの騎行(管弦楽)
―第3幕 第3場 ヴォータンの別れと魔の炎の音楽 「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」(ヴォータン)

第2日『ジークフリート』より
―第1幕 第3場 ジークフリートの鍛冶の歌 「ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…」(ジークフリート、ミーメ)
―第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)
―第3幕 第2場 「上の方を見るがよい!… 」(さすらい人、ジークフリート)
―第3幕 第3場 「太陽に祝福を!光に祝福を!…」(ブリュンヒルデ、ジークフリート)

第3日『神々の黄昏』より
―序幕より 夜明けとジークフリートのラインの旅(管弦楽)
―第2幕 第3場「ホイホー!…」 〜第4場「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」(ハーゲン、男声合唱)
―第2幕 第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター)
―第3幕 第2場「それから小鳥は何と?…」〜ジークフリートの死と葬送(ジークフリート、ハーゲン、グンター、男声合唱)
―第3幕 第3場 「太い薪を積み上げよ…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン)

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飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
R.ワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会
(2021/5/16 東京文化会館)に向けて〜その1〜

−飯守泰次郎−

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打ち合わせの様子
特殊楽器の配置なども細かく打ち合わせ
 


飯守泰次郎です。先日、東京シティ・フィルの『ニーベルングの指環』ハイライト特別演奏会(2021/5/16)に向けて、オーケストラの楽譜や舞台などについて詳細を詰める打ち合わせを致しました。

東京シティ・フィルと私は、”オーケストラル・オペラ”と銘打ったセミ・ステージ形式による『ニーベルングの指環』四部作を、2000年から4年がかりで東京文化会館で演奏しました。その後、2004年『ローエングリン』(東京文化会館)、2005年『パルジファル』(日生劇場)、2008年『トリスタンとイゾルデ』(ティアラこうとう)、と同様の形式で演奏しました。

以来約十数年ぶりに今回、私の傘寿を記念する特別演奏会ということで、世界最高のワーグナー歌手陣を招いて『指環』のハイライトを演奏することになりました。
四部作全部を合計すると約16時間近くかかる『指環』の名場面を、約3時間超の豪華なハイライトでお届けします。

『ラインの黄金』の冒頭から、四部作を締めくくる『神々の黄昏』の”ブリュンヒルデの自己犠牲”まで、オーケストラ・コンサートでおなじみの”ワルキューレの騎行”などもまじえながら、ワーグナーが初めての方から熱心なワグネリアンの方まで、どなたにも物語のエッセンスを凝縮して楽しんでいただけるよう、演奏する部分もこだわって選曲しております。特に『ジークフリート』『神々の黄昏』に比重を置いて、聴きごたえがありながら演奏会形式ではなかなか演奏できない名場面を選び抜いておりますので、どうぞご期待ください。

 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第343回定期演奏会(2021/2/13)によせて

−飯守泰次郎−

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ベートーヴェン交響曲第1番ゲネプロ
仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールでベートーヴェン交響曲第1番のゲネプロ中
 

飯守泰次郎です。仙台フィルの定期演奏会(2/13)のため、仙台に滞在しております。

今回のコンサートではまず、没後25年を迎える武満徹さんの代表作「弦楽のためのレクイエム」を演奏致します。
武満さんの作品がいまも広く愛され、世界各国で演奏され続けているのは、最新の手法や自分の個性を前面に打ち出す現代音楽ではなく、 ひたすら彼自身の内面を通して自然・宇宙というようなものを発信するかのように自然に書かれた音楽だからではないか、と私は感じます。
「弦楽のためのレクイエム」も、折に触れて演奏してきた大好きな作品です。

2曲目は、仙台フィルの常任指揮者就任以来、継続して柱として取り組んでいるベートーヴェンの交響曲で、今回は第1番です。
ハイドン、モーツァルトが確立した古典派の交響曲の伝統の枠組みの中で、すでにまぎれもないベートーヴェンらしさが表れている野心作です。

コンサートの後半は、仙台フィルとの新たな「チャイコフスキー後期交響曲シリーズ」の初回として第6番「悲愴」を演奏します。 いうまでもなくチャイコフスキーは、ロシアの交響曲を確立した作曲家であり、その音楽の内容はロシアの厳しい自然と悲劇的な民族の歴史と深く結びついているのです。

日立システムズホール仙台が改修工事中とのことで、今回の定期演奏会は仙台銀行ホール イズミティ21・大ホールで土曜日マチネ1回のみのコンサートとなります。 コロナ禍の中で演奏会にお越しくださる皆様の安全をお祈りしながら、ホールでお目にかかれることを楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 
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新国立劇場『ワルキューレ』(2021年3月公演)降板のご報告

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。3月の新国立劇場『ワルキューレ』を降板することになり、皆様にご心配をお掛けしております。
昨年12月に急性胆嚢炎の手術を受け、退院後はリハビリテーションに努め、おかげさまで1月に予定されていた4公演を無事に終えることができました。
しかし、公演時間5時間半を要するワーグナー楽劇全曲となると、要求される体力はフルマラソンにも匹敵する苛酷さとなります。 さらに今回の『ワルキューレ』は5回公演という規模の大きさであり、ドクターとも相談を重ねた結果、大変残念ながら、手術後の私の現在の体力を考慮し降板させていただくこととなりました。
公演を楽しみにしてくださっている皆様のご期待に応えることができず大変申し訳ありませんが、またコンサートでお会いする日を心より楽しみにしております。
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第339回定期演奏会(2021/1/29)によせて

−飯守泰次郎−

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亀井聖矢さんと
ショパンのピアノ協奏曲終演後に亀井聖矢さんと
 

ティアラこうとうでリハーサル
ティアラこうとうでリハーサル

飯守泰次郎です。1/29は東京シティ・フィルの定期演奏会をサントリーホールで指揮致します。

プログラムは、まずモーツァルトの「劇場支配人」序曲、次にショパンのピアノ協奏曲第1番でソリストに亀井聖矢さんをお迎えし、コンサート後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。

「劇場支配人」序曲は、曲名だけだとあまり知られていない印象があるかもしれませんが、実際にお聴きになると意外と耳になじみのある曲ではないかと思います。モーツァルトのハ長調らしい生き生きとした、コンサートの幕あけにぴったりの小品です。

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、押しも押されぬ最高のピアノ協奏曲です。
ソリストの亀井聖矢さんが、今年20歳という若さでこの難曲をここまで自由自在に弾きこなしていらっしゃるのは、とても素晴らしいことです。
この作品は、まさにショパンが20歳の時に作曲されて作曲者自身の独奏で初演されました。同じ年ごろの亀井さんのフレッシュな演奏に私もおおいに刺激を受けており、コンサートがとても楽しみです。

チャイコフスキーの交響曲第5番は、冒頭に提示されるホ短調の「運命の動機」が、第2楽章にも、第3楽章の優雅なワルツにも現れ、第4楽章ではホ長調に転じて最後は熱狂的に閉じられます。
私は、約15年間にわたって東京シティ・フィルの常任指揮者を務めた最後のシーズン(2011〜12)に、チャイコフスキーの交響曲全曲チクルスを行い、ライヴCDが交響曲全集として発売されるなど大変ご好評いただきました。
気づけばもう10年になりますが、いわゆる華やかで聴きばえのする名曲として演奏するのではなく、ロシアの悲劇的な歴史と北国の厳しい自然環境から生み出されたチャイコフスキーの音楽のロシア的な本質に肉薄したい、という思いをさらに追求し、連日のリハーサルを重ねてまいりました。
コンサートマスターの戸澤哲夫さんを中心に、私の音楽を全身で体現してくださる東京シティ・フィルとのチャイコフスキーに、どうぞご期待ください。
 

飯守泰次郎

 

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第58回大阪国際フェスティバル2020
「ワーグナー特別演奏会」(2021/1/23)に向けて

−飯守泰次郎−

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終演直後に
1/23 コンサート終演直後に 池田香織さん、ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんと
 

クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
クプファー=ラデツキーさんとの歌合わせ
 

飯守泰次郎です。第58回大阪国際フェスティバル2020・関西フィルハーモニー管弦楽団創立50周年記念「ワーグナー特別演奏会」が、 いよいよ今週末1/23土曜日に迫ってまいりました。 会場はザ・シンフォニーホールです。

池田香織さんと
池田香織さんとのピアノ稽古で


この演奏会は、昨年の5月に予定されていた『ニーベルングの指環』ハイライト(演奏会形式)の代替公演です。 企画当初は想像もしなかった多くの困難を一つ一つ乗り越えてきました。 私が桂冠名誉指揮者を務める関西フィルと20年以上一緒に共演して培ってきた音楽、 特にドイツ・ロマン派のオペラの演奏会式上演で積み重ねてきた成果を、ワーグナーに集中したプログラムでお楽しみいただく、 という核心を貫いて実現にこぎつけたコンサートです。

プログラム前半は、『タンホイザー』から序曲、“歌の殿堂のアリア”、“夕星の歌”、そして『トリスタンとイゾルデ』から前奏曲と“愛の死”、の4曲です。
後半は「ニーベルングの指環」から4つの名場面を選び抜き、『ワルキューレ』から“ワルキューレの騎行”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”、 『神々の黄昏』から“ジークフリートの葬送行進曲”と“ブリュンヒルデの自己犠牲”をお送りします。

4人のワーグナー歌手 左はバリトンのカヴァー青山貴さん
国内外のワーグナー歌手が一堂に会して〜向かって左はバリトンのカヴァー青山貴さん

この8曲でワーグナーの創作の初期、中期、後期それぞれのエッセンスを堪能していただけるプログラムです。

“夕星の歌”と“ヴォータンの別れと魔の炎の音楽”を歌ってくださる ミヒャエル・クプファー=ラデツキーさんは、このコンサートに何としても出演する、 という強い意志のもと、予定されたスケジュールを前倒して所定の隔離期間を受け入れて来日してくださっています。 こちらに力強いメッセージを寄せてくださっていますので、ぜひご覧ください。

“歌の殿堂のアリア”、イゾルデの“愛の死”、“ブリュンヒルデの自己犠牲”を歌ってくださる池田香織さんは、 日本のワーグナー上演を支える代表的な歌手の一人です。
彼女のキャリアの初期から長年ご一緒してきて、まさに円熟の時を迎えている今、 これまでの表現をさらに深めた歌唱を聴かせてくださることを期待しています。

管弦楽曲も3曲
管弦楽のみで堪能いただく3曲もどうぞご期待ください


引き続き、関西フィルとのリハーサルの様子なども、お伝えしていればと思います。

(*1/23追記)おかげさまでこのコンサートは前売券は完売し、僅少ながら当日券が販売されるとのことです。詳細は関西フィルのSNSでのご案内をご覧ください。
この演奏会がやっと実現でき、嬉しいかぎりです。今回もご来場くださる皆様の安全と願うとともに、様々なご事情でお越しになれない皆様にも心を寄せながら演奏いたします。
 

飯守泰次郎

 

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新交響楽団第252回演奏会(2021/1/17)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 本日1/17は新交響楽団とのコンサートで、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲を指揮いたします。

「わが祖国」の中では2曲目の「ヴルタヴァ」(モルダウ)が特によく演奏されますが、近年は、6曲あるこの大作が全曲演奏される機会も増えてきたように思います。 この1つの作品で、スメタナが生まれたボヘミアの歴史と自然、民族のすべてが表現し尽くされている、といっても過言ではありません。
プラハ市街を望む“ヴィシェフラド”(高い城)を象徴するモティーフが、示導動機のように全曲に統一感を与え、民族を超えてだれもが心打たれる圧倒的な名曲です。

新響とはもう30年近いお付き合いになります。 昨年の7月にはブルックナーの序曲ト短調、「ヘルゴラント」、交響曲第9番という徹底したプログラムのコンサートを予定していましたが、コロナ禍で中止となりました。 今回は昨年の12月から私とのリハーサルも長い期間をかけて準備してきましたので、厳しい状況の中ではありますがコンサートが実現できることを嬉しく思います。

様々なご事情で東京芸術劇場までお越しになれないお客様にも思いを寄せながら、演奏したいと思います。 ご来場くださるお客様、どうかくれぐれもお気を付けてお越しください
 

飯守泰次郎

 

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東京文化会館《響の森》Vol.47
「ニューイヤーコンサート2021」(2021/1/3)にむけて

−飯守泰次郎−

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小川典子さんと
新年にふさわしい華やかな「皇帝」を演奏してくださった小川典子さんと
 

コンサートマスター山本友重さんと
東京都交響楽団コンサートマスターの山本友重さんと
 

都響とのリハーサル
都響とのリハーサル

飯守泰次郎です。 新年明けましておめでとうございます。例年とは全く異なるお正月となりましたが、皆様がお健やかに新年を迎えていらっしゃることを願うばかりです。

昨年は公演降板で大変ご心配をおかけしました。お蔭様で私は先月上旬に急性胆嚢炎の手術が無事に終わり、以降慎重にリハビリに努めてまいりました。
明日1/3は、東京文化会館《響の森》「ニューイヤーコンサート」で東京都交響楽団を指揮いたします。
前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、 後半はワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より 第1幕への前奏曲と 歌劇『タンホイザー』序曲 、というプログラムです。

「皇帝」では、小川典子さんと初めて共演します。 小川さんは国際的に長く活躍していらっしゃる、文字通り日本を代表するピアニストで、レパートリーも幅広いので、「皇帝」でどんな表現をしてくださるか、とても楽しみです。

都響は歴史的にマーラー、ブルックナーをはじめ、シンフォニー・オーケストラの大曲の経験が豊かで、ワーグナーを余裕をもって演奏できる優秀なオーケストラです。 すでに何度もワーグナー作品でもご一緒しており、『ニーベルングの指環』の抜粋などのライヴが2枚のCDになって、大変ご好評をいただいています。 世界的にも演奏機会が激減しているであろうワーグナーをお聴かせできる喜びを、新たにしております。

今年はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートも無観客で行われたほどの未曾有の状況での幕開けとなりました。 それだけに明日、私が若い頃から数え切れないほど演奏してきている東京文化会館に、お客様をお迎えしてニューイヤーコンサートをお楽しみいただけることは、 まさにかけがえのないことだと思います。 ホールからのご案内も改めてご確認のうえ、どうかご無理のないようにお気を付けてお越しいただき、皆様とお目にかかれますように願っております。
 

富士山
 

飯守泰次郎

 
 
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