![]() |
![]() |
|||||||||
![]() |
||||||||||
|
||||||||||
飯守泰次郎です。関西フィルとのブルックナー交響曲全曲ツィクルスを2011年にスタートした当初は、1年に1曲というペースで十年がかり、という何とも気の長いプロジェクトだと思いましたが、今年はもう第7回を迎えます。3/31のコンサートは交響曲第7番ホ長調を演奏します。
この曲はティンパニとトランペットも加わる編成で、ハ長調で堂々と始まります。ピアノ独奏も普通ならば両手で堂々と入るところですが、右手のみで即興的にごく軽く、まるでアマデウスのおしゃべりのように入ってくるところがまさしく天才的であり、やはりモーツァルトにしか書けない自由さで、大変素晴らしいのです。
若林さんはごく自然に本当に楽しそうに演奏してくださる、私の大好きなピアニストです。 第1楽章冒頭は、「原子霧」とも呼ばれる弱音の弦楽器のトレモロで、典型的な「ブルックナー開始」で始まります。オルガニストである彼の内面に巨大なカテドラルの空間があり、その空間をpp(ピアニシモ)の弦楽器のトレモロの響きで満たして、テーマの出現を準備する、という彼独特の着想です。チェロとホルンが奏するテーマは、ホ長調の旋律が上行していき、メロディの後半に官能的な半音が出てきて、天上の世界と、地上の人間の世界の両方が象徴的に表現されているともいえます。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
飯守泰次郎です。いよいよ、新国立劇場の新制作『ルチア』が3/14に初日を迎えます。 皆様、本日は新国立劇場『ルチア』制作発表においでくださいまして、ありがとうございます。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
ベートーヴェンの交響曲第8番はヘ長調で、特にハーモニーの美しい調性であり、しかもベートーヴェンらしい力強さの中に常にユーモアが含まれている、特別な魅力に溢れた作品です。 序曲『レオノーレ』第3番は、ベートーヴェン唯一の歌劇である『フィデリオ』のために書かれた4つの序曲の中でも、特に完成度の高い名曲です。序奏の木管の旋律は、歌劇の第2幕でフロレスタンが歌うアリアであり、このような部分ではオーケストラの楽器というよりは歌手のように歌うという意識も求められます。 『さまよえるオランダ人』序曲は、今回演奏するワーグナー3曲の中で最も野性的で、オランダ船が遭遇する嵐、荒れ狂う海の自然描写が作曲家の発想の源にあることを、全身で表現する必要がある作品です。 一方『ローエングリン』第1幕の前奏曲は、天上の世界から聖杯騎士ローエングリンが地上に降りてきて、また天上に帰っていくという宗教性の表現が最も重要です。 『マイスタージンガー』第1幕の前奏曲は演奏機会は非常に多いのですが、5時間に及ぶ楽劇の中の各場面をよく理解し、体に入れて演奏することにより、表現に幅と深みが生まれるのです。 東京都交響楽団とは、以前にも『指環』の抜粋などワーグナーの名曲・名場面を演奏しており、CDにもなりました。シンフォニー・オーケストラとして大曲を日常的に演奏しているので、大編成のワーグナーでも余裕があり、本番も大変楽しみです。皆様のお越しを心からお待ちしております。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
飯守泰次郎です。 3/4は、東京シティ・フィルのティアラこうとう定期演奏会を指揮いたします。プログラムは、ワーグナーの「タンホイザー」序曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調、そしてベートーヴェンの交響曲第7番です。
ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば第2番が有名ですが、今回は、独奏の篠永紗也子さんの意向で第1番(改訂版)を取り上げます。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
約3年ぶりに来てみると、神奈川フィルの皆さんが大変進歩して力強いオーケストラに発展していて、とても嬉しく思っております。今回は決して簡単なプログラムではありませんが、楽員の皆さんの楽譜の読みの深さが見事で、素晴らしいコンサートになる予感がしています。 シューベルトの「グレート」はとても良く知られている名曲で、スケールが非常に大きく、しかもシューベルトの魅力のすべてが表れています。非常に明るいハ長調で、カンタービレで歌うシューベルトの心と、リズム的な部分のコントラストが豊かであり、この交響曲を聴けばシューベルトのすべてがわかる、と言っても言い過ぎではないかもしれません。 ベートーヴェンの交響曲第8番は、「英雄」「運命」「田園」のような呼称のある曲ではありませんが、9曲の交響曲の中でも4番とならんで特別の魅力に満ちた作品です。 第8番は「田園」と同じヘ長調で、これは非常に明るい調性です。序奏がなく、いきなり冒頭からオーケストラ全員のフォルテでテーマが奏され、この数小節を聴いただけでも、ベートーヴェンの素晴らしいエネルギーが聴き手に与えられるのです。 いわゆるベートーヴェンのイメージである「苦悩を通して歓喜へ」といった哲学的な面よりも、彼独特のユーモアと明るさ、という別のキャラクターがストレートに表現されている作品なのです。 このような、明るく肯定的でエネルギーに溢れたプログラムを、神奈川フィルの皆さんと一緒にできることはとても嬉しく、非常にやりがいを感じて心が燃え立つ思いがしています。みなとみらいホールで、皆様のお越しを心よりお待ちしております。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
しばらく前になってしまいましたが1/28の『カルメン』終演後、個人賛助会員の方々をお招きしたパーティーの様子をお伝えします。『カルメン』に出演したばかりの興奮冷めやらぬ指揮者、歌手、バレエダンサーとともに、個人賛助会員のお客様との交流の場をご一緒することができました。 私も短いスピーチをさせていただき、今年いよいよ開場20周年を迎える新国立劇場について、優れたスタッフと舞台機構が、出演したアーティストの口コミで世界に認知されつつあることなどをお話しいたしました。
シーズンを締めくくる『ジークフリート』(6/1プルミエ)は私の指揮でお贈りします。ホームページをご覧の皆様、ぜひオペラパレスへのご来場をお待ちしております。 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
詳しい内容は新国立劇場ホームページに本日発表されておりますので、ぜひご覧ください。 計10演目のうち、私はワーグナー「神々の黄昏」(2017年10月/計6回公演)と開場20周年記念特別公演・ベートーヴェン「フィデリオ」(2018年5月〜6月/計5回公演)を指揮いたします。 本日配布されたご案内のパンフレットに掲載した私のご挨拶は、上記「新国立劇場からのおしらせ」にも掲載されておりますが、ホームページをご覧の皆様にもお届けしたいと思います。 *** 新国立劇場はこの2017/2018シーズンで開場20周年を迎えます。これまでの皆様の力強いサポートに深く御礼を申し上げたいと思います。 このシーズンはまた、芸術監督としての私の最後のシーズンでもあります。20周年に向けて、3年がかりでワーグナーの「ニーベルングの指環」四部作に取り組んでまいりましたが、いよいよ4番目の作品『神々の黄昏』(新制作)をもってこの巨大な物語を締めくくることになります。ここに至る3作品と同様、ドイツの名演出家ゲッツ・フリードリヒによるプロダクションを、引き続き上演いたします。これまで『ラインの黄金』『ワルキューレ』のそれぞれ主要なテノール役であるローゲ、ジークムントにおいて皆様を魅了し、今年は『ジークフリート』表題役に出演するステファン・グールドが、いよいよ本来のレパートリーのまさに中核である『神々の黄昏』のジークフリートを披露します。新国立劇場に集結するぺトラ・ラング、アルベルト・ペーゼンドルファー、ヴァルトラウト・マイヤー、という世界最高峰のワーグナー歌手陣による壮大なエンディングに、どうぞご期待ください。 内外の念願がついに叶い、細川俊夫の『松風』を新国立劇場で日本初演できることを非常に嬉しく思います。作曲家の意志である舞踊とオペラが融合した新しい作品形態を最も的確に実現すべく、モネ劇場で初演され絶賛された、サシャ・ヴァルツの演出・振付による初演プロダクションを上演いたします。 ベートーヴェンの唯一のオペラ『フィデリオ』は、最も深い精神性と高貴な理想を表現した、まさに特別な演目であり、大きな節目や重要な記念に際して取り上げられる伝統があります。開場20周年に最もふさわしいこの作品を、近年大きな注目を集める演出家で、バイロイト音楽祭総監督を務めるカタリーナ・ワーグナーを迎えて新制作で上演いたします。レオノーレはリカルダ・メルベート、フロレスタンはステファン・グールドという力強い組み合わせです。 再演演目は、ヴァンサン・ブサールによる美しい演出で大好評をいただいている『椿姫』をまずお楽しみいただきます。『ばらの騎士』では、オクタヴィアンとして人気絶頂のダニエラ・シンドラムが初登場します。『こうもり』はウィーンの香り溢れるお馴染みのキャストです。『ホフマン物語』の4つの悪役ではトマス・コニエチュニー、『愛の妙薬』では世界最高のアディーナ役の一人であるルーシー・クロウ、『アイーダ』のイム・セギョンおよびラダメスのナジミディン・マヴリャーノフ、そして『トスカ』のキャサリン・ネーグルスタッド...と世界を席巻する注目の歌手が続々と新国立劇場に初登場します。 新国立劇場の人気レパートリーを、最旬の歌手でお楽しみいただきたいと思います。 20周年にふさわしい2017/2018シーズンの華やかなラインアップで、皆様のお越しをオペラパレスで心よりお待ちしております。 新国立劇場オペラ芸術監督 飯守泰次郎 |
飯守泰次郎 |
|||||||||
|
||||||||||
![]() 新国立劇場『ワルキューレ』終演後(2016年10月撮影)〜私の左からグリア・グリムスレイ氏(ヴォータン)、イレーヌ・テオリン氏(ブリュンヒルデ゙)、ジョセフィーネ・ウェーバー氏(ジークリンデ)、そしてワルキューレの皆さんと 共に |
||||||||||
皆様、新年をどのようにお迎えになられましたでしょうか。 私は、大変久し振りに少しだけ落ち着いて自宅で新年を迎えることができました。
|
飯守泰次郎 |
![]() |
|||
− 当サイト掲載情報の無断転載を禁じます
− (c) Taijiro Iimori All Rights Reserved. |
|||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |