メッセージ:2012年10月〜12月  

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第九特別演奏会(2012/12/28)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。12/28は、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第九特別演奏会を指揮いたします。

シティ・フィルとの第九は、これまでかなりの回数を一緒に重ねてまいりました。古楽器的な演奏、重厚な演奏、いろいろなスタイルを、共に創りあげてきました。

シティ・フィル・コーアも年々、より高い水準を示してくれているので、また今回の第九は素晴らしいものになるという予感がいたします。
ソリストは、佐々木典子さん、小山由美さん、望月哲也さん、そして大沼徹さんをお迎えします。4人のベテランが揃ってくださいましたので、私も大変期待しています。

昨日に続き、今日も上野の東京文化会館で、皆様のお越しを心からお待ち申し上げております。

飯守泰次郎

 

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バレエ版 ベートーヴェン「交響曲第9番」

合唱舞踊劇“ルードヴィヒ”(2012/12/27)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。本日12/27、O.F.C主催公演「合唱舞踊劇“ルートヴィヒ”」でベートーヴェンの交響曲第9番を演奏いたします。

舞台上に合唱とバレエが、そして私と東京シティ・フィルはピットの中に入って、ベートーヴェンの第9そのものを演奏するという、大変ユニークな形の公演です。

バレエとの共演は私も色々と重ねてまいりましたが、バレエと一緒に第九を演奏することも、ピットに入って第九を演奏することも、初めてです。この難曲を、このような形で演奏するのはさらに難しいことですが、表現も拡大され、規模も大きくなって、私にとっても良い経験になっております。

佐多達枝先生の振付は、ベートーヴェンの生涯に非常に深く入り込んだ解釈をなさったもので、合唱・コロスとバレエ、そしてバレエのソリストである佐々木大さんが、素晴らしいチームワークを繰り広げています。ひとときも目が離せない、息をのむような美しいステージに、驚かされます。
O.F.Cのみなさんのチームワークの良さは、このような公演を10年以上前から積み重ねている経験を感じさせます。

ソリストはソプラノが中江早希さん、アルトが穴澤ゆう子さん、テノールが伊藤達人さん、バリトンが駒田敏章さんという、新進の方々で、非常に素晴らしい声を聴かせてくださることと思います。オーケストラは東京シティ・フィルです。

ぜひ、皆様、上野にお越しいただいて、このユニークな第九をお楽しみいただければと思います。お待ちしております。

飯守泰次郎

 

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第48回全同志社メサイア演奏会(2012/12/24)を振り返って
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。ご報告が遅くなってしまいましたが、先日の12/24は京都コンサートホールで同志社大学の「メサイア」を演奏してまいりました。

この“全同志社メサイア”は、もう40年以上も毎年、「メサイア」を演奏し続けている団体です。大勢の出演者がいるため、楽器を数多く使う大きな編成のプラウト版で演奏するのが伝統になっています。

長い間積み重ねた音楽の経験と組織としての経験に、若い魅力が加わって、とてもエネルギーのこもった、集中した良い演奏になりました。聴衆も満員の盛況で、とても喜んでいただけたように思いました。

同志社はプロテスタント系の学校であるからか、演奏するみなさんが、意識はしていないかもしれませんが、何か自由奔放で明るいメンタリティーを持っているように感じました。そのことも、私としても共演できてとても良かった、と思った理由のひとつです。

飯守泰次郎

 

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2012おおた混声合唱団
ブラームス「ドイツレクイエム」演奏会(12/16)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。おおた混声合唱団のコンサート(12/16)に向けて、群馬県太田市に来ております。

2001年の「カルミナ・ブラーナ」に始まり、これまで「メサイア」、「第九」、モーツァルト「レクイエム」、フォーレ「レクイエム」と共演を重ね、今回はブラームスの「ドイツ・レクイエム」を演奏します。オーケストラは、おおた芸術学校の講師の方々で構成されているおおたアカデミー・オーケストラです。

おおた混声合唱団とおおたアカデミー・オーケストラの共演も確実に発展し、回を重ねるごと進歩してまいりましたが、今回このブラームス「ドイツ・レクイエム」は本当に思い切った挑戦です。いよいよ明日に本番を控えて、今日の練習では集中度が増して、明日に向けて合唱団の皆さんの能力が非常に高まってきたのを感じます。特に合唱団の発声、それからオーケストラの自主性とサウンドが充実してきていると思います。

ソリストは、ベテランの黒田博さんと三宅理恵さんという、とても豪華な顔ぶれで、素晴らしい花を添えてくださるに違いありません。

太田は、都心からは少し遠くではありますが、東京シティ・フィル・コーアからも応援のメンバーが大勢かけつけています。太田市新田文化会館エアリスホール周辺は、とても空気のきれいなところです。ホームページをご覧のみなさまも、ぜひ足をお運びになられてはいかがでしょうか。お待ちしております。

飯守泰次郎

 

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明石第九演奏会 第30回記念公演(12/8)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。12/8は、兵庫県の明石第九合唱団の第30回記念公演で、第九を演奏します。今年で設立30周年を迎えた明石第九合唱団の皆さんに、改めてお祝いを申し上げます。

今回で3回目の共演となり、第30回を記念する今回にご一緒できることを、嬉しく思っております。
みなさんの第九に対する愛情、歌う喜びが、この合唱団に独特な力を与えているように感じられます。
創立以来ご指導にあたられている坂下功一先生の情熱にも、頭が下がる思いがいたします。

私も、全力を尽くして明日の本番に臨みます。きっと素晴らしい演奏会になることと思います。
そして、これからも明石第九合唱団がより一層発展されることを、お祈りしたいと思います。

飯守泰次郎

 

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第3回音楽大学オーケストラ・フェスティバル
桐朋学園大学/東京音楽大学(12/5)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。明日12/5は、「音楽大学オーケストラ・フェスティバル」で桐朋学園大学のオーケストラを指揮いたします。

本番当日のGPから
本番当日のGPから

この催しは、東京芸術劇場とミューザ川崎シンフォニーホールの共同企画によるフェスティバルです。

首都圏の8つの音楽大学が、近い将来に国内外のオーケストラで活躍する演奏家を育てるという共通の目的で、「音楽大学オーケストラ・フェスティバル実行委員会」を構成して運営されています。

すでに11/25に武蔵野音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学の3つのオーケストラによるコンサートが行われました。

コンサート本番
コンサート本番

明日は、コンサートの前半に桐朋学園大学のオーケストラでブラームスの交響曲第4番を、私が指揮いたします。後半は高関健さんの指揮で東京音楽大学のオーケストラが、マーラーの交響曲第1番を演奏します。

今回、おそらく数年ぶりに桐朋学園のオーケストラを指揮することになりますが、練習をやっていて、学生の皆さんの集中度の鋭さ、そして演奏するにあたって作品の内容にアプローチする好奇心に、驚かされています。
若い人にとって、ブラームスは、弾くのは難しくなくても理解するのは難しい作曲家であり、特に晩年の作である交響曲第4番はさらに難解だと思うのですが、彼らは作品の内容を知ろうという強い好奇心を持っています。きっと素晴らしいブラームスになる、と確信しています。

高関健さんと
高関健さんと

このコンサートの次には、12/8に東邦音楽大学と国立音楽大学のオーケストラが演奏するコンサート、そして来年3/30には8大学から選ばれたメンバーによるフェスティバル・オーケストラのコンサートが予定されています。会場はすべて東京芸術劇場大ホールです。

私も明日は、リニューアルしたばかりの東京芸術劇場で演奏できることを、とても楽しみにしております。ぜひ池袋へお越しください。

飯守泰次郎

 

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ご報告とご挨拶:平成24年度文化功労者によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。このたび、平成24年度の文化功労者として顕彰をいただきました。文化功労者という重みのある称号は、今まで特に目立つことのないようなところでひたすら仕事に打ち込んできた自分には非常に不似合いに思われて、当惑しております。

指揮者という仕事は、一人では全く成り立ちません。共演してくださるオーケストラ、ソリスト、コーラス、スタッフの方々、そして、ご支援くださる皆様、応援してくださる皆様との素晴らしい出会いがあってこそ、今回このような顕彰を賜ったものと思っております。
改めて、皆様に心から感謝を申し上げます。

一昨日、顕彰式で田中文部科学大臣から顕彰状をいただきました。
そして、宮中で天皇陛下のお茶会に出席して参りました。

これからも、日本の音楽界に少しでも貢献していくことが私の務めである、という思いを新たにしております。

飯守泰次郎

 

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ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉
92回定期演奏会(10/28)に向けて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の定期演奏会(10/28)に向け、リハーサルをしております。

ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉と前回ご一緒したのは2000年の7月で、ヴォルフガング・シュルツさん(フルート)とハンス・イェルク・シェレンベルガーさん(オーボエ)との協奏曲を集めたプログラムでした。 10年以上経って久しぶりに共演するのですが、オーケストラが非常に発展していることに驚きました。

今回の曲目は、シューベルトの交響曲第8番「未完成」と第9番「グレート」です。音楽の内容も技術的にも大変難しい、勇気のあるプログラミングです。
このシューベルトの2つの交響曲で、古典派からロマン派に及ぶ長い音楽史の幅広い表現のすべてが必要とされます。 そしてもちろん、シューベルトの個人的なドラマと歌心が表現できなければなりません。

このプログラムに対し、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の皆さんは、素晴らしい好奇心と集中力を発揮してくださっています。ひとつのオーケストラが、確実に進歩して成長していくことがありありと感じられて、私にとっても非常に手ごたえがあります。やりがいのある、楽しいコンサートになると思います。 素晴らしい音響の千葉県文化会館で、皆様のお越しをお待ちしています。

飯守泰次郎

 

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関西フィル いずみホールシリーズVol.28
〜情熱のオール・ドヴォルザーク・プログラム!(10/23)に向けて その2

ドヴォルザーク「ピアノ協奏曲ト短調」
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。10/23の関西フィルのいずみホールシリーズ第28回で演奏する、ドヴォルザークのピアノ協奏曲ト短調について、もうひとことお伝えします。

ピアノ独奏・岡田将さんとのリハーサル
ピアノ独奏・岡田将さんとのリハーサル

今日(10/22)のリハーサルでも、ソリストの岡田将さんがこの難曲を見事に弾いてくださって、大変嬉しく思っております。

この曲の第1楽章は、まず最初の第1主題から、ドヴォルザークの心の中の悲しさが滲み出ているようです。これが悲劇にまで発展していきます。
このテーマはいささか地味に感じられるかもしれませんが、非常に深い悲しみであり、その悲劇性が胸を打つのです。
これに対して第2主題は、喜びに憧れる彼の素直な気持ちがよく表れています。

第2楽章は、牧歌的に静かに流れる曲です。「新世界」や交響曲第8番のように明瞭で分かりやすいテーマを持つ音楽ではないのですが、作曲家の生みの苦しみのようなものを感じさせるところに私自身も大変ひかれます。
この曲で作曲者が何を訴えたいか、ということを言葉でお伝えしようとしましたが非常に難しく、これは聴いていただくほかないのではないかという気がいたします。

リハーサルの様子

第3楽章は非常に快活で、舞曲風の戯れを感じさせます。しかし、ただ楽しく踊っているのではなく、ボヘミアを中心とする民族の心に深く根ざす楽しさと悲哀が、複雑に交互に絡み合って表現されていることが非常に珍しいと思います。

ベートーヴェンからブラームスまで、多くの作曲家は、哲学的にまた形而上学的に短調から長調へと到達する、「苦しみを通して歓喜に到達する」という堂々としたシンフォニックな構成と仕上がりを見せています。

ドヴォルザークも、このピアノ協奏曲に限らず、短調から長調へという構成は多いのですが、悲哀から喜びへ至るその到達のしかたはとても彼らしい独特なものであり、ボヘミア人としての彼の個人的な側面が非常によく表れていて、それが聴き手の心を打ちます。

リハーサルの様子

この第3楽章では、独奏ピアノとオーケストラが一体となって、喜びへ至る音楽を作り上げていくことも、特別な魅力になっています。

明日、いずみホールで、この特別なピアノ協奏曲をぜひお聴きいただければと思います。

飯守泰次郎

 

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関西フィル いずみホールシリーズVol.28
〜情熱のオール・ドヴォルザーク・プログラム!(10/23)に向けて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。10/23は、関西フィルのいずみホールシリーズの第28回として、オール・ドヴォルザークのプログラムをお届けします。序曲「謝肉祭」、ピアノ協奏曲、そして交響曲第8番という3曲です。

リハーサルの様子
リハーサルの様子(弁天町オークホール・10/21)

実は、このうち2曲が、今日(10/20)に指揮したばかりの新日フィルのパルテノン多摩でのコンサートと同じ、というプログラムになりました。これは全くの偶然なのですが、それぞれ東京と大阪であることが幸いです。いずれにしても重なった2曲は大変な名曲です。

序曲「謝肉祭」は、これほど賑やかで、はじけるような喜びが溢れた曲は珍しいのではないかと思います。中間の部分では、ドヴォルザークがどんなに祖国を愛していたか、聴き手の心に深く訴えるように感じられます。

交響曲第8番は、いうまでもなく、交響曲第9番「新世界」と並んで大変に人気があり愛されている交響曲です。「新世界」ではアメリカでの経験が曲全体に表れていて、大都市のビルや、彼の愛した蒸気機関車などから受けた印象を多く聴き取ることができ、ドヴォルザークとしてはとてもモダンな交響曲である、と私は感じております。一方、第8番は、彼の故郷の自然環境と人々の暮らしがごく自然に描かれ、それがしかも立派な交響曲としての大きなスケールをもっている、という名曲になっています。

さて、プログラムの2曲目はドヴォルザークのピアノ協奏曲です。

リハーサルの様子 ドヴォルザークへの愛着はひとしお

彼のチェロ協奏曲はおそらく誰もが知っている名作であり、またヴァイオリン協奏曲も時々演奏されています。しかしピアノ協奏曲となると、その存在さえも気付いていない方も少なからずいるのではないかと思うくらい、めったに演奏されません。

私が思うところでは、曲がよくないのではなく、ピアニストにとって非常な難曲であるために演奏したいという人がとても少なく、なかなか演奏されないようです。
今回は、幸いなことに岡田将さんがピアノ独奏を引き受けてくださいました。この曲の美しさは、実際にお聴きいただければ必ず納得していただけると思います。もしこのコンサートを聴き逃すとまたこの先10年くらい聴く機会がないかもしれませんが、どうかそうではなく、今回を機により多くのピアニストによって演奏されるようになることを望んでいます。

リハーサルの様子
ドヴォルザークの個性は非常にデリケート

国民楽派は、私が特に愛着をもっているジャンルであることは、ホームページをご覧いただく皆様にはすでにご存じのことと思います。特に、ドヴォルザークのボヘミア人としての個性は非常にデリケートであるので、いずみホールの大きすぎない空間と美しい響きによく合うように思われます。
それでは、いずみホールでお会いするのを楽しみにいたしております。

飯守泰次郎

 

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新日本フィルハーモニー交響楽団
多摩定期 第80回(2012/10/20)に向けて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。明日10/20は、東京都多摩市のパルテノン多摩で開催される新日本フィルハーモニー交響楽団の多摩定期第80回で、ドヴォルジャーク「謝肉祭」序曲、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、そしてドヴォルジャークの交響曲第8番ト長調というプログラムです。

ドヴォルジャークの「謝肉祭」序曲は、喜びとエネルギーに満ちた祭典的な曲です。
一方、交響曲第8番は、イギリスで出版されたために『イギリス』と呼ばれたり、または『自然交響曲』と呼ばれることもありますが、いずれにしてもやはり、ドヴォルジャークの生まれ育った故郷であるチェコの自然を彷彿とさせる響きが至るところに聴かれます。これほど、ドヴォルジャークの人柄が感じられる曲も珍しいのではないかと思います。

チャイコフスキーの協奏曲のソリストには、松山冴花さんをお迎えします。松山さんは米国にお住まいですが、最近は日本でもよく演奏されていて、とても若々しく溌剌としたエネルギーに満ちた、素晴らしいヴァイオリニストです。私もすでに何度かご一緒しており、そのたびに彼女の魅力に取り憑かれています。

新日フィルとはもう長いおつきあいで、このパルテノン多摩でも何度かご一緒しています。大変優秀なオーケストラであり、いつも非常に積極的に内容を理解してくださるので、私もとてもやりがいがあり感謝しています。明日もきっと素晴らしい音楽会になると思います。皆様、ぜひパルテノン多摩でお会いしましょう。

飯守泰次郎

 

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フレッシュ名曲コンサート・
オーケストラwithバレエ“ハンガリー舞曲”(2012/10/14)を振り返って
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。また公演後になってしまいましたが、10月14日のティアラこうとう「オーケストラwithバレエ」を振り返ってご報告します。

コンサートの前半は、管弦楽のみの「フレッシュ名曲コンサート」として、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」より“だったん人の踊り”、そしてさらに新進気鋭の大変優秀なトランペット奏者 多田将太郎さんをお迎えしてアルチュニアン「トランペット協奏曲」を演奏しました。

後半は、ティアラこうとうを共に拠点とする東京シティ・バレエ団と東京シティ・フィルが共演する恒例の「オーケストラwithバレエ」で、今年で18回を重ねている人気のシリーズです。私も例年、大変楽しみにしているコンサートです。今年は、ブラームスの「ハンガリー舞曲集」から8曲を、東京シティ・バレエ団の石井清子先生の構成・振付により演奏いたしました。

ブラームスといえばベートーヴェンの後継者、後期ロマン派を代表する4つの交響曲の作曲家であり、北ドイツ生まれの重厚な作風を持つ巨匠とされています。
しかし「ハンガリー舞曲集」は、ブラームス本来のシリアスな作風とは正反対ともいえる、北ドイツよりかなり南に位置するハンガリーの激しいテンペラメント(気性)に溢れています。リスト、コダーイ、バルトークなどがハンガリー生まれであり、私にもハンガリー人の友人がいますが、やはり激しい性分で、突然理屈っぽくなるなど、気分が急に変わりやすい面があります。

「ハンガリー舞曲集」もまさに、絞るようにむせび泣くメロディや、女性がしなやかに寄り添うかのような情感豊かな部分、のどかで牧歌的な部分など、それぞれの曲はせいぜい2〜3分と短いながら、聴衆を楽しませる生き生きした変化に満ちた音楽です。響きはブラームスですが、音楽の中身はハンガリーそのものなのです。

今回の石井先生の振付では、ハンガリーの伝統的な民族衣装を着た踊り手は一人だけで、あとは全員モダンなコスチュームに身を包み、「新しいものと古いものがぶつかり合い、やがて新しい世の中が作られていく」というコンセプトで8曲が構成されていました。
東京シティ・フィルも、調性も曲想もめまぐるしく変わる8つの曲のそれぞれの表情を見事に描き分けてくれました。

共演するたびに、バレエ団の顔ぶれは成長して少しずつ入れ替わっていても、石井先生の元で毎年発展されていることが感じられ、とても素晴らしいことだと思いました。

飯守泰次郎

 

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桐朋学園音楽部門創立60周年記念事業
“14人の指揮者とオーケストラによるグランド・コンサート
指揮者の祭典”(2012/10/8)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。明日は「14人の指揮者とオーケストラによるグランド・コンサート〜 指揮者の祭典」というコンサートに出演いたします。 管弦楽は桐朋学園同窓会オーケストラで、私は『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲を指揮します。

リハーサルが始まってみて、斎藤秀雄先生が影響を与え、あるいは薫陶を受けた音楽家が、どれだけ世の中に広く活動しているか、ということに改めて驚かされました。斎藤先生の影響がすべての楽器に及んでいることを実感し、先生のスケールの大きさを思います。
普段なかなか会うことができない、同じ門下の多くの指揮者が大勢集まって会うことができるのも、めったにないことで、大変嬉しく思います。

最初の1拍目の音から、もう、何かここでは違う、斎藤先生の力がいまだに生きていることを感じるような練習でした。参加する演奏家すべてが家族のような絆で結ばれているような気がします。

明日は、斎藤先生に感謝の気持ちを込めて音楽会に参加させていただきたいと思います。そして、60年間の間に育ったこれだけの門下生を集め、この音楽会を成立させるために力を尽くしてくださった実行委員会、同窓会の事務局の方々の苦労は大変なものであると思います。そのことにも深く感謝を申し上げます。

飯守泰次郎

 

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2012「かがわ第九」演奏会(2012/10/7)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。本日10月7日は、10年以上のお付き合いになる「かがわ第九」公演です。当日のプログラムに寄せて以下の文章を執筆しましたので、ホームページをご覧くださる皆様にもお読みいただけるようにここに転載いたします。

***

「かがわ第九によせるメッセージ」
(2012「かがわ第九」演奏会〜2012/10/7公演プログラムに掲載)

「かがわ第九」と共演させていただくたびにいつも感じることは、良い第九の演奏を作り上げるためにおそらく最も素晴らしい協力体制が、この合唱団で実現している、ということです。心と心を合わせ、結束し、一団となって共に第九を造り上げていく「かがわ第九」のみなさんは、ベートーヴェンが第九で表している、歓喜のもとに「Alle Menschen werden Brueder(すべての人間が兄弟たちになる)」という意味を、身をもって実践されていると思います。まさに、コンサートのタイトルである“みんなで造ろう!!かがわの第九”という言葉そのものなのです。

そしてもう一つ、ぜひ申し上げたいことは、この合唱団が長年にわたって中西久米子さんを中心として活動を続けてきていることの素晴らしさです。私は1999年以来何度も共演し、中西久米子さんの第九に対する驚くべき情熱、そして、合唱団、共演者である私やソリスト、関西フィルなどすべての人々に対する比類のない愛情に、深く感銘を受けてまいりました。先ごろ平成24年度憲法記念日香川県知事表彰を受章されたことも、当然のことと改めてお喜び申し上げます。

ベートーヴェンは、第九という偉大な作品によって、歓喜のみならず、力強い勇気をもって愛と平和へと進んでいくことを、全人類に訴えかけています。かがわ第九合唱団の皆さんと、ソプラノの國方里佳さん、メゾ・ソプラノの小川明子さん、テノールの土崎譲さん、バス・バリトンの佐野正一さんという4人の優秀なソリストの方々をお迎えし、私が桂冠名誉指揮者を務める関西フィルと、このアルファあなぶきホールで第九を演奏できることを、非常に嬉しく思っております。
飯守泰次郎

 
 
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