メッセージ:2011年10月〜12月  

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2011年の年の瀬によせて〜トロチャンのご紹介〜

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。去年の4月にクロチャンを失ったあと、ニャン子のいない生活が続いていました。ところが、つい最近、思いがけず新しいメンバーが加わることになりました。

トロチャンです
トロチャンです

トロチャンという名前の女の子です。何か、とてものほほんとして、人なつこくて、目がトロンとしているので「トロチャン」という名前をつけました。

私たちの住むマンションのすぐそばに、木の茂みの多い遊歩道があり、そこに最近突然現れたのがトロチャンです。野良猫とは思えないくらい人なつこく、撫でても、抱き上げても大丈夫なのです。 おそらく雑種だとは思いますが、写真でご覧いただけるようにアメリカン・ショートヘアに非常によく似た縞模様です。

とにかくよく食べ、よく寝て、よく飲みます。そして驚くべきことは、じゃれるのがとても好きなのです。走り回り、跳ね回り、こちらの目が回ってしまいます。何時間でも、遊んでやるかぎり飽きずにじゃれ回っています。
この様子を見て私たちは、この子がまだ1歳にもならない若い猫だと確信していました。ところが動物病院の検査によると、少なくとも7歳にはなっているというのです(歯を見るとわかるのだそうです)。

とにかくトロチャンの遊ぶときの、飛び回ったり跳ね回ったりするエネルギーは尋常ではありません。これほど猫らしい猫は他にいないのではないかとさえ思います。7歳といえばむしろおばあさんに近いはずなのですが、じゃれ続ける様子を見ていると、仔猫がそのまま大人になったかのようです。もし男の子だったら「アマデウス」という名前がぴったりではないかと思います。

トロチャン

トロチャンはよく食べて、よく動き、よく寝るので、トイレもまるで大きな古墳のようなのを自分でちゃんと隠しています。あんなに見事なのは、以前にたくさん猫を飼った私も見たことがありません。

夜は、ほとんどベッドの上または布団の中に入ってきます。真夜中にじゃれ始めると、こちらは寝不足になるので、外へつまみ出されます。それで最近は、静かに寝るようになってきました。

外の自由な世界からマンションに連れて来られたトロチャンですが、このような様子をみていると、それほど不幸せなことはないだろう、と私たちは楽観しております。

トロチャンと遊ぶ
トロチャンと遊ぶ

皆様、この1年、応援してくださってありがとうございました。今年のホームページは、新しい家族のご紹介で締めくくらせていただきます。どうぞよいお年をお迎えください。

 
飯守泰次郎

 

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おおた混声合唱団演奏会2011
フォーレ「レクイエム」演奏会(12/18)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。おおた混声合唱団とおおたアカデミー・オーケストラによる毎年恒例のコンサートのシーズンを迎え、群馬県太田市に滞在しております。2001年の国民文化祭で「カルミナ・ブラーナ」で共演して以来、この2つの団体との公演を重ねています。 これまでに「メサイア」、「第九」、モーツァルト「レクイエム」を演奏してきました。
今年は、新しいレパートリーとしてフォーレの「レクイエム」を、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、そして日本の歌と組み合わせてお届けします。

おおたアカデミー・オーケストラは、おおた芸術学校の講師の方々によって編成されており、音も非常に充実しています。今回は、フォーレとドビュッシーというフランス音楽に統一して新しいサウンドに挑戦しますので、大変期待しております。
おおた混声合唱団も、毎年着実な進歩を続けていて、とても嬉しく思います。

フォーレ「レクイエム」では、大変経験豊かな三宅理恵さんと黒田博さんにソロを歌っていただけることも、とても幸せなことと思います。

文化と芸術を重んじる気風に溢れる太田市ならではの、非常に貴重でユニークな存在であるおおた芸術学校が、このような活発に意欲的な活動を続けていることを、喜ばしく思います。

 
飯守泰次郎

 

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府中「第九」2011〜14回府中市民第九演奏会(12/11)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。12月11日の日曜日は、府中の森芸術劇場 どりーむホールで「府中『第九』2011」(第14回府中市民第九演奏会)を指揮します。このコンサートは府中「第九」2011実行委員会の主催で、演奏は府中市民交響楽団と府中「第九」2011合唱団の2団体です。

昨今、各地の第九合唱団が人数を集めるのに苦労することも少ない中で、この府中「第九」2011合唱団は300人を超える規模で、響きも厚く、大変充実しています。とても力強い組織であり、これまでもおそらく一貫した理念のもとに運営して来られたものと思います。

もちろん第九は大変に難しい曲であり、誰でも全力で取り組むものです。それにしても府中市民交響楽団ほど積極的に、しかも喜びをもって第九を演奏するオーケストラは少ないのではないでしょうか。
また練習場の周辺に緑が多く、大きな窓から森を眺めるような環境でリハーサルができるのも素晴らしいと思います。皆さんの演奏に力がこもり、生き生きとした熱意が溢れているのも分かる気がいたします。

ソリストの半田美和子さん、加納悦子さん、望月哲也さん、久保和範さんは、いずれも若々しいながら、経験はすでにベテランの域にあり、私も信頼している方で、とても嬉しく思います。

合唱もオーケストラも、色々な世代がまじり、響きに特別な魅力を醸し出しているように感じます。これまで数回のリハーサルもとても楽しく、また私にも濃やかに気を配ってくださって、感謝しています。
この2つの団体のスケールの大きさと熱意に私は大変驚かされ、今回初めて共演できることに大きな喜びを感じています。きっと本番は素晴らしいものになるでしょう!

 
飯守泰次郎

 

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大阪アカデミー合唱団オラトリオ定期シリーズ Vol.10(12/7)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。日付が変わって当日になってしまいましたが、12月7日にザ・シンフォニーホールで大阪アカデミー合唱団 オラトリオ定期シリーズ Vol.10を指揮します。

大阪アカデミー合唱団とは、もう長い間、数々の合唱作品をご一緒しています。メンデルスゾーン「エリヤ」、バッハ「ヨハネ受難曲」および「ロ短調ミサ曲」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、ドヴォルジャーク「スターバト・マーテル」、モーツァルト「ハ短調ミサ」、オルフ「カルミナ・ブラーナ」、ヴェルディ「レクイエム」、そしてまた関西フィル主催公演でもベートーヴェンの第九や「荘厳ミサ曲」でも共演しています。

今回は、ブルックナーのミサ曲第3番ヘ短調と、ブラームスの「哀悼歌(ネーニエ)」という、とても素晴らしい組み合わせのプログラムです。ブルックナーの大曲のスケールの大きさと、ブラームスのデリケートな短い合唱曲のコントラストが魅力であり、その対比を表現することが、演奏する私たちの努力の要となります。

本番当日も含めれば連続5日間というリハーサルは、合唱団のメンバーには非常に厳しいスケジュールですが、毎日どんどん発展して良い方向に向かっているので、とても楽しみです。独唱には並河寿美さん、福原寿美枝さん、畑儀文さん、井上敏典さんという素晴らしいベテランが揃いました。
今年からブルックナー・ツィクルスに取り組んでいる関西フィルも非常に積極的で、ブルックナーならではの響きがするようになってきています。

なかなか聴く機会のない2曲ですが、素晴らしい組み合わせであり、私自身ものめり込んでいます。このプログラムを、響きの素晴らしいザ・シンフォニーホールで演奏できるのは、とても恵まれたことだと思います。皆様のお越しをお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 

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慶應義塾ワグネル・ソサィエティー創立110周年記念演奏会(11/30)を振り返って

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。11月30日に横浜みなとみらいホールで、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー創立110周年を記念し、ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ、男声合唱団、女声合唱団の3団体が集まったコンサートがありましたので、その様子をお伝えします。

これまでも、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー創立記念95周年(1996年)、105周年(2006年)を指揮しました。さらにオーケストラとは、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ第200回記念演奏会および海外演奏旅行(2010年)などでも共演してきました。今回は、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」から大行進曲“歌の殿堂を称えよう”と、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」から“だったん人の踊り”を合唱付きで演奏し、後半はマーラーの交響曲第1番、という組み合わせでした。驚くべきエネルギーが投入され、非常に熱気のある演奏になりました。

2つの合唱団は、幅広い世代が集まることによる深い魅力があり、中でも男声合唱団は特に素晴らしい豊かな響きでした。合唱指揮者の吉川貴洋氏をはじめ各団体の指導者の方々のお力も非常に大きいと思います。

オーケストラは、昨年共演したマーラーの交響曲第5番の経験が今回の第1番で活き、メンバーに下級生も多く加わっていたにもかかわらず、力いっぱいの演奏をしてくれて、私も嬉しく思いました。

ワグネル・ソサィエティーは組織が整っていて、運営においても音楽的にも見事にシステム化されています。たとえばオーケストラでは大河内雅彦さんをはじめとするトレーナーの方々が、また合唱団ではそれぞれ指導者の方々が、準備を良くまとめてくださいました。練習のときも、メンバーの皆さんが積極的にいろいろ私に質問に来ます。次に共演の機会があればそのときには、私の指揮に頼り過ぎずに、さらに自由な発想でより自由な演奏をしてくださることを願っています。

 
飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィル第27回ティアラ定期(11/26)
チャイコフスキー交響曲全曲シリーズ第2回
〜ピアノ協奏曲第1番/交響曲第5番〜に向けて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。本日11/26の東京シティ・フィル第27回ティアラ定期演奏会は、「チャイコフスキー交響曲全曲シリーズ」(全4回)の2回目となります。
今年の6月にこのシリーズを開始する際に、なぜチャイコフスキーなのか、ということについて、レクチャーやプレトーク、そしてこのホームページでもお伝えしてまいりました。第2回を迎えるにあたり、改めて、私たちの目指すところについてご説明したいと思います。

「ピアノ協奏曲第1番」リハーサル風景
「ピアノ協奏曲第1番」リハーサル風景

このシリーズでは、チャイコフスキーの交響曲全曲(6曲)に、有名な協奏曲と序曲をちりばめて、チャイコフスキーの作品の本質に深く踏み込んだ解釈と演奏を目指しています。チャイコフスキーは非常に名曲が多く、とても人気の高い作品がたくさんあります。チャイコフスキーをプログラムに入れれば聴衆も増えしかも喜んでいただけます。その反面、あまりに名曲で、頻繁に演奏されながら、チャイコフスキーが一生かけて作曲し続け発展させた音楽の内容を、あまり深く考えないでも結構コンサートは成功してしまう、ということが少なからずあるように私は感じておりました。

現代の私たちはチャイコフスキーの交響曲を当たり前のように理解し受け入れています。しかし、チャイコフスキー以前にはロシアの交響曲に見るべきものはあまりなかったのです。チャイコフスキーによって、ロシアの交響曲というものは突然に世界に認められたのです。彼は、多くの苦しみを持ち、悲劇的な一生を送りました。彼は、ロシアという国の苛酷な自然と長い悲劇的な歴史も背負っていた作曲家です。作品をよく分析すれば、そうした要素が非常に明確に表れています。

私たちはこのシリーズで、チャイコフスキーの初期から晩年までに至る特に重要な作品を、有機的に良く吟味したうえで解釈したいと思います。今まで演奏されてきたチャイコフスキーよりももっと深い、楽譜を読みこんだ演奏をお届けできることを願っています。

シリーズ第2回の今回は、まず、非常にポピュラーなピアノ協奏曲第1番を、若く有望なソリストである梅村知世さんをお迎えしてお送りします。プログラム後半は、「運命の動機」とも呼ばれる共通の動機が4つの楽章すべてに用いられている、交響曲第5番です。ぜひ、ティアラこうとうでお目にかかりましょう。

飯守泰次郎

 

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“The Discovery・旋律美の追求〜古典からロマンへ〜”
関西フィル いずみホールシリーズVol.24(10/22)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。日付が変わっていよいよ当日となってしまいましたが、関西フィルのいずみホールシリーズ(10/22)のリハーサルの様子をお伝えしたいと思います。

「2台のピアノのための協奏曲」リハーサル風景
「2台のピアノのための協奏曲」リハーサル風景

関西フィルが毎年4回の定期として開催している“いずみホール・シリーズ”も、24回目を迎えました。今回私が指揮するコンサートは、まず前半に、それぞれバッハとモーツァルトによるピアノ2台のための協奏曲を2曲、そして後半はドヴォルジャークの交響曲第7番ニ短調、という非常にユニークなプログラムです。

ドヴォルジャークの交響曲の中で、有名なのはやはり第8番、第9番(新世界)ですが、ドヴォルジャークの心が本当に伝わってくるのはこの第7番である、と私はいつも思います。ボヘミアに生まれ、ボヘミアを愛した彼が、自分のアイデンティティを追求し、ボヘミア音楽の根源を探っている、と感じられるのです。

バッハの「2台のピアノのための協奏曲第2番ハ長調BWV1061」と、モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲(第10番)変ホ長調K.365」でお迎えするソリストは、相沢吏江子さんと濱田あやさんです。お2人がとても息の合った演奏をしてくださるので、大変楽しいリハーサルを重ねております。

リハーサル風景

いずみホールは、大阪城公園に近い川のほとりに建つ、中型でとても美しいコンサートホールです。この素晴らしい音響のなかで、関西フィルとともに皆様に演奏をお届けできることを幸せに思います。ぜひ、いずみホールでお会いしましょう。

 
飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第252回定期演奏会(10/13)によせて

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皆さま、お久しぶりです。飯守泰次郎です。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第252回定期演奏会(10/13)に向けたリハーサルが、大詰めを迎えております。

結成10年を迎えた東京シティ・フィル・コーアがデビューしたのは、ちょうど100回前の定期(第152回、2001/7/27)、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」でした。今回は、10年、100回の節目を記念してブラームスの「悲劇的序曲」と「ドイツ・レクイエム」を組み合わせたプログラムをお届けいたします。

「ドイツ・レクイエム」のリハーサル
「ドイツ・レクイエム」のリハーサル

「悲劇的序曲」は、北ドイツ生まれのブラームスらしい、暗くシリアスで重々しい音楽です。人間の悲劇を描き出す調性であるニ短調(ベートーヴェンの第九の冒頭やモーツァルトの「レクイエム」もニ短調)で書かれています。
この作品は、「大学祝典序曲」と並行して作曲されています。一見すると不思議な気も致しますが、同じような例としてベートーヴェンも交響曲第5番と第6番を同時期に書いているのです。ブラームスは、朗らかで楽しい「大学祝典序曲」を書いているうちに、悲劇的な音楽を書きたいという衝動に駆られたのではないかと思います。
ブラームスの苦しみと悲観的な面、そして人間を慰める彼の人格の温かさを伝えるこの曲が私はとても好きで、「ドイツ・レクイエム」との組み合わせも大変ふさわしいと思うのです。

さて、「ドイツ・レクイエム」とは、“ドイツ語で書かれたレクイエム”という意味です。
死者のためのミサ曲であるレクイエムには、必ず守られるべきカトリックの典礼の規則があり、歌詞もラテン語と決まっていました。「レクイエム」といえば他にヴェルディ、モーツァルト、フォーレなどの作品が特によく知られていますが、いずれもラテン語です。当時はその規則を逃れることは考えられない、というくらい教会も、また人々の信仰も強固な時代だったのです。

しかし、プロテスタントであったブラームスは、自分の自然な発想、正直な自分の心の底から湧いてくるものを表現したい、という深い欲求を持っていました。そして作曲当初から、彼の母国語であるドイツ語の歌詞を用いることを決めていたのです。形式化されたラテン語でなくドイツ語の、しかもブラームス自身が納得できる言葉だけが聖書から選び出され、彼個人の心の奥底からの叫びや温かさが表れています。

リハーサル風景

ブラームスは、この作品の構想を長く温めている間に、親友であったシューマン、そして最愛の母親を失いました。やりきれない悲しみをこの素晴らしい作品に込めて作曲することによって、彼自身が救われたのです。この作品を聴くことで、皆様もブラームスと同じように救われたと感じるかもしれません。

ウィーンで第1曲〜第3曲が初演されたときは、大変な不評であったようです。やはりドイツ語のレクイエム、という革新に対する反感もあったのでしょう。全7曲が完成するまでには様々な紆余曲折がありました。ソプラノ・ソロは第5曲のみに登場しますが、この曲を作曲するのにもかなりの時間がかかっています。
ブラームスこそがベートーヴェンの後継者であるということは、自他ともに認めていました。「ドイツ・レクイエム」は、まだ若い35歳の時の作品とはいえ、彼らしく慎重にすべての音を練りに練って作り上げられており、円熟期のスケールの大きさ、内容の深さをすでに感じさせます。そして、この後に43歳でようやく初めての交響曲である第1番を書いた時には、見事な円熟に到達していたのです。

「ドイツ・レクイエム」は、ブラームスがお好きな方々は、まさにこれぞ人間ブラームスの姿とお感じになる作品だと思います。
そしてブラームスがあまりお好きでない方々も、どうかぜひ「ドイツ・レクイエム」をお聴きください。ブラームスに対する印象が全く変わるのではないかと思います。彼があなた自身に語りかけてくるような感じをぜひ体験いただければと思います。

ブラームスはこの作品について後に「これはMenschen Requiem(人間のレクイエム)と呼んでもよい」と言ったそうです。ラテン語の形式から脱却し、彼の母国語であるドイツ語であらゆる人に呼び掛けるレクイエムとして書き上げられた、本当に稀な作品だと思います。

この作品を、ソプラノの安井陽子さんとバリトンの福島明也さんという非常に優秀なソリスト、そして10年を経て発展してきた東京シティ・フィル・コーアと、東京シティ・フィルの定期演奏会で演奏できることを、心から楽しみにしています。
終演後にはロビーで交流会も開かれます。皆様、ぜひオペラシティへお越しださい。

 
飯守泰次郎

 
 
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